$a, b, c, d$ は正の数である。不等式 $s(1-a) - tb > 0$ $-sc + t(1-d) > 0$ を同時に満たす正の数 $s, t$ が存在するとき、2次方程式 $x^2 - (a+d)x + (ad-bc) = 0$ が $-1 < x < 1$ の範囲に異なる2つの実数解を持つことを示す。

代数学不等式二次方程式判別式解の配置
2025/8/9

1. 問題の内容

a,b,c,da, b, c, d は正の数である。不等式
s(1a)tb>0s(1-a) - tb > 0
sc+t(1d)>0-sc + t(1-d) > 0
を同時に満たす正の数 s,ts, t が存在するとき、2次方程式 x2(a+d)x+(adbc)=0x^2 - (a+d)x + (ad-bc) = 01<x<1-1 < x < 1 の範囲に異なる2つの実数解を持つことを示す。

2. 解き方の手順

まず、与えられた不等式から条件を導き出す。次に、2次方程式の判別式を調べ、異なる2つの実数解を持つ条件を示す。最後に、解が 1<x<1-1 < x < 1 の範囲にあることを示す。
ステップ1: 与えられた不等式から条件を導く。
s(1a)tb>0s(1-a) - tb > 0 より s(1a)>tbs(1-a) > tb
sc+t(1d)>0-sc + t(1-d) > 0 より t(1d)>sct(1-d) > sc
s,t,a,b,c,ds, t, a, b, c, d は正の数なので、これらの不等式から
(1a)>tbs(1-a) > \frac{tb}{s} かつ (1d)>sct(1-d) > \frac{sc}{t}
(1a)(1d)>tbssct=bc(1-a)(1-d) > \frac{tb}{s} \cdot \frac{sc}{t} = bc
1ad+ad>bc1 - a - d + ad > bc
1>a+d+bcad1 > a+d + bc - ad
adbc>a+d1ad - bc > a+d - 1
ステップ2: 2次方程式の判別式を調べる。
2次方程式 x2(a+d)x+(adbc)=0x^2 - (a+d)x + (ad-bc) = 0 の判別式 DD
D=(a+d)24(adbc)=a2+2ad+d24ad+4bc=a22ad+d2+4bc=(ad)2+4bc>0D = (a+d)^2 - 4(ad-bc) = a^2 + 2ad + d^2 - 4ad + 4bc = a^2 - 2ad + d^2 + 4bc = (a-d)^2 + 4bc > 0
a,b,c,da, b, c, d は正の数であるため、判別式は常に正となり、与えられた2次方程式は異なる2つの実数解を持つ。
ステップ3: 解が 1<x<1-1 < x < 1 の範囲にあることを示す。
f(x)=x2(a+d)x+(adbc)f(x) = x^2 - (a+d)x + (ad-bc) とおく。
f(1)=1(a+d)+(adbc)=1ad+adbc>0f(1) = 1 - (a+d) + (ad-bc) = 1 - a - d + ad - bc > 0 (ステップ1より)
f(1)=1+(a+d)+(adbc)=1+a+d+adbcf(-1) = 1 + (a+d) + (ad-bc) = 1 + a + d + ad - bc
a,da, d は正の数なので、1+a+d>11+a+d > 1 であり、adbc>a+d1ad-bc > a+d-1より、
1+a+d+adbc>1+a+d+a+d1=2a+2d>01+a+d + ad - bc > 1+a+d + a+d-1 = 2a + 2d > 0
したがって、f(1)>0f(1) > 0 かつ f(1)>0f(-1) > 0
解の公式より、解は
x=(a+d)±(ad)2+4bc2x = \frac{(a+d) \pm \sqrt{(a-d)^2 + 4bc}}{2}
解が-1 < x < 1の範囲にあることを示すには、
f(1)>0f(1) > 0 かつ f(1)>0f(-1) > 0 が必要条件。
f(1)>0f(1) > 0 より 1ad+adbc>01-a-d+ad-bc > 0
f(1)>0f(-1) > 0 より 1+a+d+adbc>01+a+d+ad-bc > 0
軸の位置を調べる。
軸は x=a+d2x = \frac{a+d}{2}
f(1)>0,f(1)>0f(1) > 0, f(-1) > 0 なので、軸の位置が 1<a+d2<1-1 < \frac{a+d}{2} < 1 を満たせば良い。つまり 2<a+d<2-2 < a+d < 2
a+d<2a+d < 2 を示したい。
1ad+adbc>01 - a - d + ad - bc > 0 より 1>a+dad+bc1 > a+d - ad + bc
a,b,c,d>0a,b,c,d > 0であるから a+d>a+dad+bca+d > a+d - ad + bcとは限らない。
f(0)=adbcf(0) = ad-bcなので、ここで、adbcad-bcの符号を考える。
adbc>a+d1ad-bc > a+d -1 を得たが、そこからでは符号はわからない。
f(1)>0f(1)>0f(1)>0f(-1)>0の両方が成り立つ必要十分条件は、2解がともに1より大きいか、またはともに-1より小さい、または、-1と1の間に異なる2解を持つことである。ここでf(1)>0f(1)>0かつf(1)>0f(-1)>0より、少なくとも2解は実数であり、しかも異なるので、解の配置は-1と1の間に異なる2解を持つ場合のみ可能である。

3. 最終的な答え

2次方程式 x2(a+d)x+(adbc)=0x^2 - (a+d)x + (ad-bc) = 01<x<1-1 < x < 1 の範囲に異なる2つの実数解を持つ。

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