$a, b, c, d$ は正の数である。不等式 $s(1-a) - tb > 0$ $-sc + t(1-d) > 0$ を同時に満たす正の数 $s, t$ が存在するとき、2次方程式 $x^2 - (a+d)x + (ad-bc) = 0$ が $-1 < x < 1$ の範囲に異なる2つの実数解を持つことを示す。
2025/8/9
1. 問題の内容
は正の数である。不等式
を同時に満たす正の数 が存在するとき、2次方程式 が の範囲に異なる2つの実数解を持つことを示す。
2. 解き方の手順
まず、与えられた不等式から条件を導き出す。次に、2次方程式の判別式を調べ、異なる2つの実数解を持つ条件を示す。最後に、解が の範囲にあることを示す。
ステップ1: 与えられた不等式から条件を導く。
より
より
は正の数なので、これらの不等式から
かつ
ステップ2: 2次方程式の判別式を調べる。
2次方程式 の判別式 は
は正の数であるため、判別式は常に正となり、与えられた2次方程式は異なる2つの実数解を持つ。
ステップ3: 解が の範囲にあることを示す。
とおく。
(ステップ1より)
は正の数なので、 であり、より、
したがって、 かつ
解の公式より、解は
解が-1 < x < 1の範囲にあることを示すには、
かつ が必要条件。
より
より
軸の位置を調べる。
軸は
なので、軸の位置が を満たせば良い。つまり
を示したい。
より
であるから とは限らない。
なので、ここで、の符号を考える。
を得たが、そこからでは符号はわからない。
との両方が成り立つ必要十分条件は、2解がともに1より大きいか、またはともに-1より小さい、または、-1と1の間に異なる2解を持つことである。ここでかつより、少なくとも2解は実数であり、しかも異なるので、解の配置は-1と1の間に異なる2解を持つ場合のみ可能である。
3. 最終的な答え
2次方程式 は の範囲に異なる2つの実数解を持つ。