$\sin^{-1}(\sin x)$ の導関数を求めます。ここで $\sin^{-1}x$ は $\sin x$ の逆関数であり、$x$ の定義域は $-\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{\pi}{2}$ であることに注意します。

1. 問題の内容

$\sin^{-1}(\sin x)$ の導関数を求めます。ここで $\sin^{-1}x$ は $\sin x$ の逆関数であり、$x$ の定義域は $-\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{\pi}{2}$ であることに注意します。

2. 解き方の手順

まず、$y = \sin^{-1}(\sin x)$ とおきます。$\sin x$ の逆関数 $\sin^{-1} x$ の導関数は $\frac{1}{\sqrt{1 - x^2}}$ です。合成関数の微分公式を用いて、

$$\frac{dy}{dx} = \frac{d}{dx} \sin^{-1}(\sin x) = \frac{1}{\sqrt{1 - (\sin x)^2}} \cdot \frac{d}{dx} (\sin x) = \frac{\cos x}{\sqrt{1 - \sin^2 x}}$$

三角関数の恒等式 $\sin^2 x + \cos^2 x = 1$ より、$1 - \sin^2 x = \cos^2 x$ です。したがって、

$$\frac{dy}{dx} = \frac{\cos x}{\sqrt{\cos^2 x}} = \frac{\cos x}{|\cos x|}$$

ここで、$\cos x$ の符号によって場合分けを行います。

(1) $\cos x > 0$ のとき、$\frac{\cos x}{|\cos x|} = 1$

(2) $\cos x < 0$ のとき、$\frac{\cos x}{|\cos x|} = -1$

$\cos x > 0$ となるのは $-\frac{\pi}{2} + 2n\pi < x < \frac{\pi}{2} + 2n\pi$ （$n$は整数）のときです。このとき、$\sin^{-1}(\sin x) = x + 2n\pi$　もしくは　$\pi - x + 2n\pi$ となります。

$y=x$の部分の導関数は$1$となります。

$\cos x < 0$ となるのは $\frac{\pi}{2} + 2n\pi < x < \frac{3\pi}{2} + 2n\pi$ （$n$は整数）のときです。このとき、$\sin^{-1}(\sin x) = x + 2n\pi$　もしくは　$\pi - x + 2n\pi$ となります。

$y= \pi - x$の部分の導関数は$-1$となります。

3. 最終的な答え

$\frac{d}{dx} \sin^{-1}(\sin x) = \frac{\cos x}{|\cos x|}$

$\cos x > 0$の区間では1

$\cos x < 0$の区間では-1