放物線 $y = \frac{x^2}{2}$ を C とする。 (1) C上の点 $(a, \frac{a^2}{2})$ ($a \neq 0$) における C の法線の方程式を求めよ。 (2) 点 $(t, t+1)$ を通る曲線 C の法線が 3 本存在するような $t$ の値の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

放物線 $y = \frac{x^2}{2}$ を C とする。

(1) C上の点 $(a, \frac{a^2}{2})$ ($a \neq 0$) における C の法線の方程式を求めよ。

(2) 点 $(t, t+1)$ を通る曲線 C の法線が 3 本存在するような $t$ の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)

まず、$y = \frac{x^2}{2}$ を微分して、$y' = x$ である。

点 $(a, \frac{a^2}{2})$ における接線の傾きは $a$ である。

法線は接線と垂直なので、法線の傾きは $-\frac{1}{a}$ である。

したがって、点 $(a, \frac{a^2}{2})$ における法線の方程式は

$y - \frac{a^2}{2} = -\frac{1}{a}(x - a)$

$y = -\frac{1}{a}x + 1 + \frac{a^2}{2}$

(2)

(1)で求めた法線の方程式が点 $(t, t+1)$ を通るので、

$t+1 = -\frac{1}{a}t + 1 + \frac{a^2}{2}$

$\frac{a^2}{2} + \frac{1}{a}t = t$

$a^2 + \frac{2t}{a} = 2t$

$a^3 - 2ta + 2t = 0$

この $a$ に関する3次方程式が異なる3つの実数解を持てば良い。

$f(a) = a^3 - 2ta + 2t$ とおくと、

$f'(a) = 3a^2 - 2t$

$f'(a) = 0$ となるのは $a = \pm \sqrt{\frac{2t}{3}}$

$t>0$でないと実数解を持たない。

$a = \alpha, \beta$で極値を持つとすると、

$f(\alpha) f(\beta) < 0$

$\alpha = \sqrt{\frac{2t}{3}}$, $\beta = -\sqrt{\frac{2t}{3}}$

$f(\alpha) = (\sqrt{\frac{2t}{3}})^3 - 2t\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t = \frac{2t}{3}\sqrt{\frac{2t}{3}} - 2t\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t = -\frac{4}{3}t\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t$

$f(\beta) = (-\sqrt{\frac{2t}{3}})^3 + 2t\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t = -\frac{2t}{3}\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t = \frac{4}{3}t\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t$

$f(\alpha)f(\beta) = (-\frac{4}{3}t\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t)(\frac{4}{3}t\sqrt{\frac{2t}{3}} + 2t) = 4t^2 - \frac{16}{9}t^2 \cdot \frac{2t}{3} < 0$

$4t^2(1 - \frac{8t}{27}) < 0$

$1 - \frac{8t}{27} < 0$

$\frac{8t}{27} > 1$

$t > \frac{27}{8}$

3. 最終的な答え

(1) $y = -\frac{1}{a}x + 1 + \frac{a^2}{2}$

(2) $t > \frac{27}{8}$