$\sin^{-1}(\sin x)$ の導関数を求める問題です。ただし、$\sin^{-1} x$ は $\sin x$ の逆関数であるからといって、すべての $x$ に対して $\sin^{-1}(\sin x) = x$ と単純に考えてはいけないことが注意されています。$\sin x$ の逆関数は $-\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{\pi}{2}$ の範囲で定義されていることがヒントとして与えられています。

解析学導関数逆三角関数合成関数微分周期関数
2025/8/11

1. 問題の内容

sin1(sinx)\sin^{-1}(\sin x) の導関数を求める問題です。ただし、sin1x\sin^{-1} xsinx\sin x の逆関数であるからといって、すべての xx に対して sin1(sinx)=x\sin^{-1}(\sin x) = x と単純に考えてはいけないことが注意されています。sinx\sin x の逆関数は π2xπ2-\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{\pi}{2} の範囲で定義されていることがヒントとして与えられています。

2. 解き方の手順

sin1(sinx)\sin^{-1}(\sin x) の導関数を求めるためには、まず sin1(sinx)\sin^{-1}(\sin x) がどのような関数になるかを考える必要があります。
sin1(sinx)\sin^{-1}(\sin x) は、π2xπ2-\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{\pi}{2} の範囲では xx に等しくなります。
しかし、それ以外の範囲では異なります。例えば、π2x3π2\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{3\pi}{2} の範囲では、sinx=sin(πx)\sin x = \sin(\pi - x) となり、πx\pi - xπ2πxπ2-\frac{\pi}{2} \le \pi - x \le \frac{\pi}{2} を満たすため、sin1(sinx)=πx\sin^{-1}(\sin x) = \pi - x となります。
一般に、sin1(sinx)\sin^{-1}(\sin x) は周期 2π2\pi の周期関数であり、そのグラフは折れ線グラフになります。
sin1(sinx)\sin^{-1}(\sin x) の導関数は、この折れ線グラフの傾きを求めればよいです。
π2<x<π2-\frac{\pi}{2} < x < \frac{\pi}{2} の範囲では、sin1(sinx)=x\sin^{-1}(\sin x) = x であるから、導関数は1です。
π2<x<3π2\frac{\pi}{2} < x < \frac{3\pi}{2} の範囲では、sin1(sinx)=πx\sin^{-1}(\sin x) = \pi - x であるから、導関数は-1です。
これらのことを繰り返すことで、任意の xx に対する導関数を求めることができます。
まとめると、
$ \frac{d}{dx} \sin^{-1}(\sin x) =
\begin{cases}
1 & (2n\pi - \frac{\pi}{2} < x < 2n\pi + \frac{\pi}{2}) \\
-1 & (2n\pi + \frac{\pi}{2} < x < 2n\pi + \frac{3\pi}{2})
\end{cases} $
ここで、nn は任意の整数です。
また、x=nπ+π2x=n\pi+\frac{\pi}{2}の点においては微分不可能であることに注意する。

3. 最終的な答え

$\frac{d}{dx} \sin^{-1}(\sin x) =
\begin{cases}
1 & (2n\pi - \frac{\pi}{2} < x < 2n\pi + \frac{\pi}{2}) \\
-1 & (2n\pi + \frac{\pi}{2} < x < 2n\pi + \frac{3\pi}{2})
\end{cases} $
nn は任意の整数)
また、x=nπ+π2x=n\pi+\frac{\pi}{2}の点においては微分不可能

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