碁盤の目状の道路がある街において、地点Aから地点Bまで最短経路で移動する場合の道順の数を、以下の条件でそれぞれ求める。 (1) 全ての道順 (2) 地点Cを通る道順 (3) 地点Pを通らない道順 (4) 地点Pも地点Qも通らない道順

確率論・統計学組み合わせ最短経路二項係数
2025/8/11

1. 問題の内容

碁盤の目状の道路がある街において、地点Aから地点Bまで最短経路で移動する場合の道順の数を、以下の条件でそれぞれ求める。
(1) 全ての道順
(2) 地点Cを通る道順
(3) 地点Pを通らない道順
(4) 地点Pも地点Qも通らない道順

2. 解き方の手順

地点Aから地点Bまで、右に mm 回、上に nn 回移動する必要がある場合、最短経路の総数は二項係数 m+nCm{}_{m+n}C_{m}(または m+nCn{}_{m+n}C_{n})で表される。これは、全部で m+nm+n 回の移動のうち、右への移動を mm 回選択する組み合わせの数である。m+nCm=(m+n)!m!n!{}_{m+n}C_m = \frac{(m+n)!}{m!n!}で計算できる。
(1) 全ての道順
地点Aから地点Bまでは、右に5回、上に4回移動する必要がある。したがって、全ての道順の数は
5+4C5=9C5=9!5!4!=9×8×7×64×3×2×1=126{}_{5+4}C_{5} = {}_{9}C_{5} = \frac{9!}{5!4!} = \frac{9 \times 8 \times 7 \times 6}{4 \times 3 \times 2 \times 1} = 126通り。
(2) 地点Cを通る道順
地点Aから地点Cまでは、右に1回、上に2回移動する必要がある。したがって、地点Aから地点Cまでの道順の数は
1+2C1=3C1=3!1!2!=3{}_{1+2}C_{1} = {}_{3}C_{1} = \frac{3!}{1!2!} = 3通り。
地点Cから地点Bまでは、右に4回、上に2回移動する必要がある。したがって、地点Cから地点Bまでの道順の数は
4+2C4=6C4=6C2=6!4!2!=6×52×1=15{}_{4+2}C_{4} = {}_{6}C_{4} = {}_{6}C_{2} = \frac{6!}{4!2!} = \frac{6 \times 5}{2 \times 1} = 15通り。
地点Cを通る道順の数は、地点Aから地点Cまでの道順の数と地点Cから地点Bまでの道順の数の積である。
3×15=453 \times 15 = 45通り。
(3) 地点Pを通らない道順
地点Aから地点Pまでは、右に2回、上に3回移動する必要がある。したがって、地点Aから地点Pまでの道順の数は
2+3C2=5C2=5!2!3!=5×42×1=10{}_{2+3}C_{2} = {}_{5}C_{2} = \frac{5!}{2!3!} = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10通り。
地点Pから地点Bまでは、右に3回、上に1回移動する必要がある。したがって、地点Pから地点Bまでの道順の数は
3+1C3=4C3=4C1=4!3!1!=4{}_{3+1}C_{3} = {}_{4}C_{3} = {}_{4}C_{1} = \frac{4!}{3!1!} = 4通り。
地点Pを通る道順の数は、地点Aから地点Pまでの道順の数と地点Pから地点Bまでの道順の数の積である。
10×4=4010 \times 4 = 40通り。
地点Pを通らない道順の数は、全ての道順の数から地点Pを通る道順の数を引いたものである。
12640=86126 - 40 = 86通り。
(4) 地点Pも地点Qも通らない道順
地点Aから地点Qまでは、右に3回、上に3回移動する必要がある。したがって、地点Aから地点Qまでの道順の数は
3+3C3=6C3=6!3!3!=6×5×43×2×1=20{}_{3+3}C_{3} = {}_{6}C_{3} = \frac{6!}{3!3!} = \frac{6 \times 5 \times 4}{3 \times 2 \times 1} = 20通り。
地点Qから地点Bまでは、右に2回、上に1回移動する必要がある。したがって、地点Qから地点Bまでの道順の数は
2+1C2=3C2=3C1=3!2!1!=3{}_{2+1}C_{2} = {}_{3}C_{2} = {}_{3}C_{1} = \frac{3!}{2!1!} = 3通り。
地点Qを通る道順の数は、地点Aから地点Qまでの道順の数と地点Qから地点Bまでの道順の数の積である。
20×3=6020 \times 3 = 60通り。
地点Pと地点Qの両方を通る道順の数を求める。
地点Aから地点Pまでの道順の数は5C2=10{}_5C_2 = 10通り。
地点Pから地点Qまでは、右に1回、上に0回移動する必要がある。したがって、地点Pから地点Qまでの道順の数は
1+0C1=1{}_{1+0}C_{1} = 1通り。
地点Qから地点Bまでは、右に2回、上に1回移動する必要がある。したがって、地点Qから地点Bまでの道順の数は
2+1C2=3{}_{2+1}C_{2} = 3通り。
地点PとQの両方を通る道順の数は、10×1×3=3010 \times 1 \times 3 = 30通り。
地点PまたはQを通る道順の数は、地点Pを通る道順の数と地点Qを通る道順の数を足し、PとQの両方を通る道順の数を引いたものである。
40+6030=7040 + 60 - 30 = 70通り。
地点Pも地点Qも通らない道順の数は、全ての道順の数から地点PまたはQを通る道順の数を引いたものである。
12670=56126 - 70 = 56通り。

3. 最終的な答え

(1) 全ての道順:126通り
(2) 地点Cを通る道順:45通り
(3) 地点Pを通らない道順:86通り
(4) 地点Pも地点Qも通らない道順:56通り

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