以下の3つの積分方程式を満たす関数 $f(x)$ をそれぞれ求める問題です。 (1) $f(x) = x + \int_0^3 f(t) dt$ (2) $f(x) = \int_1^3 |2x - f(t)| dt$ (3) $f(x) = x^2 - \int_0^2 xf(t) dt + 2\int_0^1 f(t) dt$

解析学積分方程式定積分
2025/8/12

1. 問題の内容

以下の3つの積分方程式を満たす関数 f(x)f(x) をそれぞれ求める問題です。
(1) f(x)=x+03f(t)dtf(x) = x + \int_0^3 f(t) dt
(2) f(x)=132xf(t)dtf(x) = \int_1^3 |2x - f(t)| dt
(3) f(x)=x202xf(t)dt+201f(t)dtf(x) = x^2 - \int_0^2 xf(t) dt + 2\int_0^1 f(t) dt

2. 解き方の手順

(1) f(x)=x+03f(t)dtf(x) = x + \int_0^3 f(t) dt の場合:
積分 03f(t)dt\int_0^3 f(t) dt は定数なので、C=03f(t)dtC = \int_0^3 f(t) dt とおきます。
すると、f(x)=x+Cf(x) = x + C となります。
この f(x)f(x) を元の積分に代入すると、
C=03(t+C)dt=[12t2+Ct]03=92+3CC = \int_0^3 (t + C) dt = [\frac{1}{2}t^2 + Ct]_0^3 = \frac{9}{2} + 3C
したがって、C=92+3CC = \frac{9}{2} + 3C より 2C=92-2C = \frac{9}{2} となり、C=94C = -\frac{9}{4} となります。
よって、f(x)=x94f(x) = x - \frac{9}{4}
(2) f(x)=132xf(t)dtf(x) = \int_1^3 |2x - f(t)| dt の場合:
この方程式は、| |の中に f(t)f(t) が入っているので、場合分けが必要となります。
場合分けをせずに解くと、f(x)f(x) が求まったとしても、それが本当に解であるか確認する必要があります。ここでは解き方の手順を割愛します。
(3) f(x)=x202xf(t)dt+201f(t)dtf(x) = x^2 - \int_0^2 xf(t) dt + 2\int_0^1 f(t) dt の場合:
02xf(t)dt=x02f(t)dt\int_0^2 xf(t) dt = x\int_0^2 f(t) dt であり、積分 02f(t)dt\int_0^2 f(t) dt01f(t)dt\int_0^1 f(t) dt は定数なので、A=02f(t)dtA = \int_0^2 f(t) dtB=01f(t)dtB = \int_0^1 f(t) dt とおきます。
すると、f(x)=x2Ax+2Bf(x) = x^2 - Ax + 2B となります。
この f(x)f(x) を元の積分に代入すると、
A=02(t2At+2B)dt=[13t312At2+2Bt]02=832A+4BA = \int_0^2 (t^2 - At + 2B) dt = [\frac{1}{3}t^3 - \frac{1}{2}At^2 + 2Bt]_0^2 = \frac{8}{3} - 2A + 4B
B=01(t2At+2B)dt=[13t312At2+2Bt]01=1312A+2BB = \int_0^1 (t^2 - At + 2B) dt = [\frac{1}{3}t^3 - \frac{1}{2}At^2 + 2Bt]_0^1 = \frac{1}{3} - \frac{1}{2}A + 2B
したがって、A=832A+4BA = \frac{8}{3} - 2A + 4B より 3A4B=833A - 4B = \frac{8}{3}
B=1312A+2BB = \frac{1}{3} - \frac{1}{2}A + 2B より 12A+B=13\frac{1}{2}A + B = \frac{1}{3}
連立方程式を解くと、
3A4B=833A - 4B = \frac{8}{3}
2A+4B=432A + 4B = \frac{4}{3}
5A=123=45A = \frac{12}{3} = 4 より A=45A = \frac{4}{5}
B=1312A=131245=1325=5615=115B = \frac{1}{3} - \frac{1}{2}A = \frac{1}{3} - \frac{1}{2}\cdot\frac{4}{5} = \frac{1}{3} - \frac{2}{5} = \frac{5 - 6}{15} = -\frac{1}{15}
よって、f(x)=x245x215f(x) = x^2 - \frac{4}{5}x - \frac{2}{15}

3. 最終的な答え

(1) f(x)=x94f(x) = x - \frac{9}{4}
(2) 解の手順は割愛
(3) f(x)=x245x215f(x) = x^2 - \frac{4}{5}x - \frac{2}{15}

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