(1) 全ての正の数 $x, y$ に対して、不等式 $x(\log x - \log y) \ge x - y$ が成り立つことを証明し、等号が成り立つのは $x = y$ の場合に限ることを示す。 (2) 正の数 $x_1, ..., x_n$ が $\sum_{i=1}^n x_i = 1$ を満たしているとき、不等式 $\sum_{i=1}^n x_i \log x_i \ge \log \frac{1}{n}$ が成り立つことを証明し、等号が成り立つのは $x_1 = ... = x_n = \frac{1}{n}$ の場合に限ることを示す。
2025/8/12
1. 問題の内容
(1) 全ての正の数 に対して、不等式 が成り立つことを証明し、等号が成り立つのは の場合に限ることを示す。
(2) 正の数 が を満たしているとき、不等式 が成り立つことを証明し、等号が成り立つのは の場合に限ることを示す。
2. 解き方の手順
(1)
とおく。このとき、 および である。
であるから、 は下に凸な関数である。
を示す。これは と同値である。
のとき、.
とおくと、.
のとき、 である。
のとき、 より は増加関数である。
のとき、 より は減少関数である。
従って、 のときに は最小値をとる。
.
したがって、 であるから、 である。
等号が成り立つのは のときに限る。
(2)
イェンセンの不等式を用いる。
とする。 より、 は下に凸な関数である。
であるから、イェンセンの不等式より
ではない。
ではない。
イェンセンの不等式を用いる:
は凹関数である。よって、
よりを示す.
とおく。
このとき であり であるから は下に凸である。
イェンセンの不等式より
.
.
.
を示したい。
は下に凸な関数である。
であるから、イェンセンの不等式より
正の数 に対して、コーシー・シュワルツの不等式 が成立する。
これより である。
よって、 が成り立つ。
等号成立はのとき。
3. 最終的な答え
(1) 全ての正の数 に対して、 が成り立ち、等号が成り立つのは の場合に限る。
(2) 正の数 が を満たしているとき、 が成り立ち、等号が成り立つのは の場合に限る。