点 $(x, y)$ が連立不等式 $\begin{cases} x + y \ge 2 \\ x^2 + y^2 \le 4 \end{cases}$ の表す領域 $D$ を動くとき、以下の式の最大値と最小値を求めよ。 (1) $-2x + y$ (2) $2x + y$ (3) $x^2 + y^2 - 2x$

解析学最大値最小値不等式領域直線連立不等式
2025/8/12
はい、承知いたしました。問題文を読み解き、解答を作成します。

1. 問題の内容

(x,y)(x, y) が連立不等式
$\begin{cases}
x + y \ge 2 \\
x^2 + y^2 \le 4
\end{cases}$
の表す領域 DD を動くとき、以下の式の最大値と最小値を求めよ。
(1) 2x+y-2x + y
(2) 2x+y2x + y
(3) x2+y22xx^2 + y^2 - 2x

2. 解き方の手順

まず、領域 DD を図示します。
x+y2x + y \ge 2 は直線 x+y=2x + y = 2 の上側(または線上)の領域を表し、x2+y24x^2 + y^2 \le 4 は原点中心、半径 2 の円の内部(または円周上)の領域を表します。
これらの共通部分が領域 DD となります。
次に、それぞれの式の最大値と最小値を求めます。
(1) k=2x+yk = -2x + y とおくと、y=2x+ky = 2x + k となります。この直線が領域 DD と共有点を持つような kk の最大値と最小値を求めます。
直線が円と接するときに最大値または最小値をとる可能性があります。
円の中心と直線の距離が円の半径に等しいとき、接します。
2(0)+0k(2)2+12=2\frac{|-2(0) + 0 - k|}{\sqrt{(-2)^2 + 1^2}} = 2 より、k5=2\frac{|k|}{\sqrt{5}} = 2 となり、k=±25k = \pm 2\sqrt{5} を得ます。
x+y=2x+y=2との交点も考慮すると,x=0,y=2x=0,y=2k=2k=2,x=2,y=0x=2, y=0k=4k=-4となり、領域DD内で2x+k2x+kが最大となるのは、x=2,y=0x=-2, y=0の場合でk=4k=4となります。
直線 y=2x+ky = -2x + k が領域 DD と共有点を持つ条件から、kk の最大値と最小値を求めます。
2x+y-2x+y の最大値は、x=2,y=0x=-2, y=0(2)(2)+0=4(-2)(-2)+0 = 4
2x+y-2x+y の最小値は、x=2,y=0x=2, y=0(2)(2)+0=4(-2)(2)+0 = -4
(2) l=2x+yl = 2x + y とおくと、y=2x+ly = -2x + l となります。この直線が領域 DD と共有点を持つような ll の最大値と最小値を求めます。
2(0)+0l22+12=2\frac{|2(0) + 0 - l|}{\sqrt{2^2 + 1^2}} = 2 より、l5=2\frac{|l|}{\sqrt{5}} = 2 となり、l=±25l = \pm 2\sqrt{5} を得ます。
2x+y2x+y の最大値は、x=2,y=0x=2, y=0(2)(2)+0=4(2)(2)+0 = 4
2x+y2x+y の最小値は、x=0,y=2x=0, y=2(2)(0)+2=2(2)(0)+2 = 2
(3) m=x2+y22xm = x^2 + y^2 - 2x とおくと、x22x+y2=mx^2 - 2x + y^2 = m となります。
(x1)2+y2=m+1(x-1)^2 + y^2 = m + 1 と変形できます。これは中心 (1,0)(1, 0)、半径 m+1\sqrt{m + 1} の円を表します。
この円が領域 DD と共有点を持つような mm の最大値と最小値を求めます。
x2+y2=4x^2 + y^2 = 4との交点で最大値を取り、x=2,y=0x=-2, y=0のとき、m=(2)2+(0)22(2)=4+4=8m=(-2)^2 + (0)^2 - 2(-2) = 4 + 4 = 8
x2+y2=4x^2 + y^2 = 4との交点で最小値を取り、x=0,y=2x=0, y=2のとき、m=(0)2+(2)22(0)=4m=(0)^2 + (2)^2 - 2(0) = 4
x+y=2x+y=2上の点で、y=2xy = 2-xとして、m=x2+(2x)22x=x2+44x+x22x=2x26x+4=2(x23x)+4=2(x32)22(94)+4=2(x32)212m = x^2 + (2-x)^2 -2x = x^2 + 4-4x+x^2 - 2x = 2x^2 -6x +4 = 2(x^2 - 3x) +4 = 2(x-\frac{3}{2})^2 -2(\frac{9}{4}) + 4 = 2(x-\frac{3}{2})^2 - \frac{1}{2}
ここで、領域DDにおけるxxの最小値は00, 最大値は22なので、x=0x=0のとき、m=4m=4, x=2x=2のとき、m=4+4=0m=-4+4 = 0
頂点x=3/2x=3/2のとき、m=12m=-\frac{1}{2}
x2+y22xx^2 + y^2 - 2x の最大値は、x=2,y=0x=-2, y=0のとき、(2)2+(0)22(2)=8(-2)^2+(0)^2-2(-2)=8
x2+y22xx^2 + y^2 - 2x の最小値は、x=32,y=2x=12x=\frac{3}{2},y = 2-x = \frac{1}{2}のとき、m=94+143=1043=523=12m = \frac{9}{4}+\frac{1}{4}-3 = \frac{10}{4} - 3 = \frac{5}{2}-3 = -\frac{1}{2}

3. 最終的な答え

(1) 2x+y-2x + y の最大値:4、最小値:-4
(2) 2x+y2x + y の最大値:4、最小値:2
(3) x2+y22xx^2 + y^2 - 2x の最大値:8、最小値:-1/2

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