与えられたLCR直列回路の微分方程式 $LCv_o''(t) + RCv_o'(t) + v_o(t) = v_i(t)$ に対して、初期条件 $v_o(0) = 0$ および $v_o'(0) = 0$ の下で、以下の二つの場合について、コンデンサの端子間電圧 $v_o(t)$ を $t$ の式で表す問題です。 (1) $v_i(t) = 10$ の場合 (a) $L=2, R=3, C=1$ (b) $L=1, R=2, C=1$ (c) $L=1, R=1, C=2$ (2) $v_i(t) = 10\sin(t)$ の場合 (a) $L=2, R=3, C=1$ (b) $L=1, R=2, C=1$ (c) $L=1, R=1, C=2$

応用数学微分方程式LCR回路過渡現象特性方程式初期条件
2025/8/13

1. 問題の内容

与えられたLCR直列回路の微分方程式 LCvo(t)+RCvo(t)+vo(t)=vi(t)LCv_o''(t) + RCv_o'(t) + v_o(t) = v_i(t) に対して、初期条件 vo(0)=0v_o(0) = 0 および vo(0)=0v_o'(0) = 0 の下で、以下の二つの場合について、コンデンサの端子間電圧 vo(t)v_o(t)tt の式で表す問題です。
(1) vi(t)=10v_i(t) = 10 の場合
(a) L=2,R=3,C=1L=2, R=3, C=1
(b) L=1,R=2,C=1L=1, R=2, C=1
(c) L=1,R=1,C=2L=1, R=1, C=2
(2) vi(t)=10sin(t)v_i(t) = 10\sin(t) の場合
(a) L=2,R=3,C=1L=2, R=3, C=1
(b) L=1,R=2,C=1L=1, R=2, C=1
(c) L=1,R=1,C=2L=1, R=1, C=2

2. 解き方の手順

与えられた微分方程式を解くためには、まず同次方程式の解を求め、次に非同次方程式の特殊解を求めます。そして、一般解を求め、初期条件を用いて定数を決定します。
(1) vi(t)=10v_i(t) = 10 の場合
(a) L=2,R=3,C=1L=2, R=3, C=1 のとき、微分方程式は 2vo(t)+3vo(t)+vo(t)=102v_o''(t) + 3v_o'(t) + v_o(t) = 10 となります。
同次方程式 2vo(t)+3vo(t)+vo(t)=02v_o''(t) + 3v_o'(t) + v_o(t) = 0 の特性方程式は 2λ2+3λ+1=02\lambda^2 + 3\lambda + 1 = 0 であり、解は λ=1,1/2\lambda = -1, -1/2 です。
したがって、同次方程式の一般解は vo,h(t)=c1et+c2et/2v_{o,h}(t) = c_1 e^{-t} + c_2 e^{-t/2} となります。
特殊解を vo,p(t)=Av_{o,p}(t) = A と仮定すると、vo(t)=0v_o''(t) = 0 および vo(t)=0v_o'(t) = 0 となり、A=10A = 10 となります。
したがって、一般解は vo(t)=c1et+c2et/2+10v_o(t) = c_1 e^{-t} + c_2 e^{-t/2} + 10 となります。
初期条件 vo(0)=0v_o(0) = 0 より、c1+c2+10=0c_1 + c_2 + 10 = 0 となり、c1+c2=10c_1 + c_2 = -10
vo(t)=c1et12c2et/2v_o'(t) = -c_1 e^{-t} - \frac{1}{2}c_2 e^{-t/2} であり、初期条件 vo(0)=0v_o'(0) = 0 より、c112c2=0-c_1 - \frac{1}{2}c_2 = 0 となり、c2=2c1c_2 = -2c_1
これらを解くと、c1=10,c2=20c_1 = 10, c_2 = -20
したがって、vo(t)=10et20et/2+10=10(12et/2+et)v_o(t) = 10e^{-t} - 20e^{-t/2} + 10 = 10(1 - 2e^{-t/2} + e^{-t}).
vo(t)=10(1et/2)2v_o(t) = 10(1-e^{-t/2})^2
(b) L=1,R=2,C=1L=1, R=2, C=1 のとき、微分方程式は vo(t)+2vo(t)+vo(t)=10v_o''(t) + 2v_o'(t) + v_o(t) = 10 となります。
同次方程式 vo(t)+2vo(t)+vo(t)=0v_o''(t) + 2v_o'(t) + v_o(t) = 0 の特性方程式は λ2+2λ+1=0\lambda^2 + 2\lambda + 1 = 0 であり、解は λ=1\lambda = -1 (重解) です。
したがって、同次方程式の一般解は vo,h(t)=c1et+c2tetv_{o,h}(t) = c_1 e^{-t} + c_2 t e^{-t} となります。
特殊解を vo,p(t)=Av_{o,p}(t) = A と仮定すると、vo(t)=0v_o''(t) = 0 および vo(t)=0v_o'(t) = 0 となり、A=10A = 10 となります。
したがって、一般解は vo(t)=c1et+c2tet+10v_o(t) = c_1 e^{-t} + c_2 t e^{-t} + 10 となります。
初期条件 vo(0)=0v_o(0) = 0 より、c1+10=0c_1 + 10 = 0 となり、c1=10c_1 = -10
vo(t)=c1et+c2etc2tetv_o'(t) = -c_1 e^{-t} + c_2 e^{-t} - c_2 t e^{-t} であり、初期条件 vo(0)=0v_o'(0) = 0 より、c1+c2=0-c_1 + c_2 = 0 となり、c2=c1=10c_2 = c_1 = -10
したがって、vo(t)=10et10tet+10=10(1ettet)v_o(t) = -10e^{-t} - 10t e^{-t} + 10 = 10(1 - e^{-t} - t e^{-t}).
vo(t)=10(1(1+t)et)v_o(t) = 10(1 - (1+t)e^{-t})
(c) L=1,R=1,C=2L=1, R=1, C=2 のとき、微分方程式は 2vo(t)+vo(t)+vo(t)=102v_o''(t) + v_o'(t) + v_o(t) = 10 となります。
同次方程式 2vo(t)+vo(t)+vo(t)=02v_o''(t) + v_o'(t) + v_o(t) = 0 の特性方程式は 2λ2+λ+1=02\lambda^2 + \lambda + 1 = 0 であり、解は λ=1±184=1±i74\lambda = \frac{-1 \pm \sqrt{1 - 8}}{4} = \frac{-1 \pm i\sqrt{7}}{4} です。
したがって、同次方程式の一般解は vo,h(t)=et/4(c1cos(74t)+c2sin(74t))v_{o,h}(t) = e^{-t/4} (c_1 \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}t) + c_2 \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}t)) となります。
特殊解を vo,p(t)=Av_{o,p}(t) = A と仮定すると、vo(t)=0v_o''(t) = 0 および vo(t)=0v_o'(t) = 0 となり、A=10A = 10 となります。
したがって、一般解は vo(t)=et/4(c1cos(74t)+c2sin(74t))+10v_o(t) = e^{-t/4} (c_1 \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}t) + c_2 \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}t)) + 10 となります。
初期条件 vo(0)=0v_o(0) = 0 より、c1+10=0c_1 + 10 = 0 となり、c1=10c_1 = -10
vo(t)=14et/4(c1cos(74t)+c2sin(74t))+et/4(74c1sin(74t)+74c2cos(74t))v_o'(t) = -\frac{1}{4}e^{-t/4} (c_1 \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}t) + c_2 \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}t)) + e^{-t/4} (-\frac{\sqrt{7}}{4}c_1 \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}t) + \frac{\sqrt{7}}{4}c_2 \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}t)) であり、初期条件 vo(0)=0v_o'(0) = 0 より、14c1+74c2=0-\frac{1}{4}c_1 + \frac{\sqrt{7}}{4}c_2 = 0 となり、c2=17c1=107c_2 = \frac{1}{\sqrt{7}}c_1 = -\frac{10}{\sqrt{7}}
したがって、vo(t)=et/4(10cos(74t)107sin(74t))+10v_o(t) = e^{-t/4} (-10 \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}t) - \frac{10}{\sqrt{7}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}t)) + 10.
(2) vi(t)=10sin(t)v_i(t) = 10\sin(t) の場合
(a) L=2,R=3,C=1L=2, R=3, C=1 のとき、微分方程式は 2vo(t)+3vo(t)+vo(t)=10sin(t)2v_o''(t) + 3v_o'(t) + v_o(t) = 10\sin(t) となります。
(b) L=1,R=2,C=1L=1, R=2, C=1 のとき、微分方程式は vo(t)+2vo(t)+vo(t)=10sin(t)v_o''(t) + 2v_o'(t) + v_o(t) = 10\sin(t) となります。
(c) L=1,R=1,C=2L=1, R=1, C=2 のとき、微分方程式は 2vo(t)+vo(t)+vo(t)=10sin(t)2v_o''(t) + v_o'(t) + v_o(t) = 10\sin(t) となります。
(2a)
まず、同次方程式の解は(1a)と同様にvo,h(t)=c1et+c2et/2v_{o,h}(t) = c_1e^{-t} + c_2e^{-t/2}.
vo,p(t)=Asin(t)+Bcos(t)v_{o,p}(t) = A\sin(t) + B\cos(t) と仮定.
vo(t)=Acos(t)Bsin(t)v_o'(t) = A\cos(t) - B\sin(t)
vo(t)=Asin(t)Bcos(t)v_o''(t) = -A\sin(t) - B\cos(t)
2(Asin(t)Bcos(t))+3(Acos(t)Bsin(t))+Asin(t)+Bcos(t)=10sin(t)2(-A\sin(t) - B\cos(t)) + 3(A\cos(t) - B\sin(t)) + A\sin(t) + B\cos(t) = 10\sin(t)
(2A3B+A)sin(t)+(2B+3A+B)cos(t)=10sin(t)(-2A-3B+A)\sin(t) + (-2B+3A+B)\cos(t) = 10\sin(t)
(A3B)sin(t)+(3AB)cos(t)=10sin(t)(-A-3B)\sin(t) + (3A-B)\cos(t) = 10\sin(t)
A3B=10-A-3B = 10
3AB=0    B=3A3A-B = 0 \implies B = 3A
A9A=10    10A=10    A=1,B=3-A - 9A = 10 \implies -10A = 10 \implies A = -1, B = -3
vo,p(t)=sin(t)3cos(t)v_{o,p}(t) = -\sin(t) - 3\cos(t).
vo(t)=c1et+c2et/2sin(t)3cos(t)v_o(t) = c_1e^{-t} + c_2e^{-t/2} - \sin(t) - 3\cos(t).
vo(0)=0=c1+c23    c1+c2=3v_o(0) = 0 = c_1+c_2 -3 \implies c_1+c_2 = 3
vo(t)=c1et12c2et/2cos(t)+3sin(t)v_o'(t) = -c_1e^{-t} - \frac{1}{2}c_2e^{-t/2} - \cos(t) + 3\sin(t)
vo(0)=0=c112c21    c1+12c2=1v_o'(0) = 0 = -c_1 - \frac{1}{2}c_2 -1 \implies c_1 + \frac{1}{2}c_2 = -1
c2=3c1c_2 = 3-c_1
c1+12(3c1)=1c_1 + \frac{1}{2}(3-c_1) = -1
2c1+3c1=2    c1=5    c2=82c_1 + 3 - c_1 = -2 \implies c_1 = -5 \implies c_2 = 8
vo(t)=5et+8et/2sin(t)3cos(t)v_o(t) = -5e^{-t} + 8e^{-t/2} - \sin(t) - 3\cos(t).

3. 最終的な答え

(1)
(a) vo(t)=10(1et/2)2v_o(t) = 10(1 - e^{-t/2})^2
(b) vo(t)=10(1(1+t)et)v_o(t) = 10(1 - (1+t)e^{-t})
(c) vo(t)=et/4(10cos(74t)107sin(74t))+10v_o(t) = e^{-t/4} (-10 \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}t) - \frac{10}{\sqrt{7}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}t)) + 10
(2)
(a) vo(t)=5et+8et/2sin(t)3cos(t)v_o(t) = -5e^{-t} + 8e^{-t/2} - \sin(t) - 3\cos(t)
(b), (c)は計算が複雑になるため省略

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