複素数 $1+i$ を1つの解とする実数係数の3次方程式 $x^3 + ax^2 + bx + c = 0$ が与えられている。 (1) $b$ と $c$ を $a$ で表す。 (2) 上記の3次方程式の実数解を $a$ で表す。 (3) 上記の3次方程式と2次方程式 $x^2 - bx + 3 = 0$ がただ1つの実数解を共有するとき、$a$, $b$, $c$ の値を求める。

代数学複素数3次方程式解と係数の関係因数分解二次方程式
2025/8/16

1. 問題の内容

複素数 1+i1+i を1つの解とする実数係数の3次方程式 x3+ax2+bx+c=0x^3 + ax^2 + bx + c = 0 が与えられている。
(1) bbccaa で表す。
(2) 上記の3次方程式の実数解を aa で表す。
(3) 上記の3次方程式と2次方程式 x2bx+3=0x^2 - bx + 3 = 0 がただ1つの実数解を共有するとき、aa, bb, cc の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 3次方程式 x3+ax2+bx+c=0x^3 + ax^2 + bx + c = 0 の係数は実数なので、1+i1+i が解ならば、1i1-i も解である。
3つの解を α,1+i,1i\alpha, 1+i, 1-i とすると、解と係数の関係より、
α+(1+i)+(1i)=a\alpha + (1+i) + (1-i) = -a
α(1+i)+α(1i)+(1+i)(1i)=b\alpha(1+i) + \alpha(1-i) + (1+i)(1-i) = b
α(1+i)(1i)=c\alpha(1+i)(1-i) = -c
これらを整理すると、
α+2=a\alpha + 2 = -a より α=a2\alpha = -a-2
α(2)+2=b\alpha(2) + 2 = b より b=2α+2=2(a2)+2=2a2b = 2\alpha + 2 = 2(-a-2) + 2 = -2a - 2
2α=c2\alpha = -c より c=2α=2(a2)=2a+4c = -2\alpha = -2(-a-2) = 2a + 4
したがって、b=2a2b = -2a - 2, c=2a+4c = 2a + 4
(2) 実数解 α\alphaa2-a-2 で表される。
(3) 2次方程式 x2bx+3=0x^2 - bx + 3 = 0b=2a2b = -2a-2 を代入すると、x2+(2a+2)x+3=0x^2 + (2a+2)x + 3 = 0 となる。
3次方程式と2次方程式がただ1つの実数解を共有するので、その実数解を β\beta とする。
3次方程式の解は β,1+i,1i\beta, 1+i, 1-i であるから、(x(1+i))(x(1i))=x22x+2(x-(1+i))(x-(1-i)) = x^2 - 2x + 2 で割り切れるはずである。
つまり、x3+ax2+bx+c=(xα)(x22x+2)x^3 + ax^2 + bx + c = (x - \alpha)(x^2 - 2x + 2) となる。
ここで、(1) より b=2a2b = -2a - 2 かつ c=2a+4c = 2a + 4 である。
3次方程式に b,cb, c を代入すると、x3+ax2(2a+2)x+(2a+4)=0x^3 + ax^2 - (2a+2)x + (2a+4) = 0
2次方程式に bb を代入すると、x2+(2a+2)x+3=0x^2 + (2a+2)x + 3 = 0
共通解を β\beta とすると、β2+(2a+2)β+3=0\beta^2 + (2a+2)\beta + 3 = 0 かつ β3+aβ2(2a+2)β+(2a+4)=0\beta^3 + a\beta^2 - (2a+2)\beta + (2a+4) = 0
2次方程式の解は β=(2a+2)±(2a+2)2122=a1±a2+2a2\beta = \frac{-(2a+2) \pm \sqrt{(2a+2)^2 - 12}}{2} = -a-1 \pm \sqrt{a^2+2a-2}.
ただ一つの実数解を共有するので、β=a2\beta = -a -2 を代入する。
(a2)2+(2a+2)(a2)+3=0(-a-2)^2 + (2a+2)(-a-2) + 3 = 0
a2+4a+42a26a4+3=0a^2 + 4a + 4 - 2a^2 - 6a - 4 + 3 = 0
a22a+3=0-a^2 - 2a + 3 = 0
a2+2a3=0a^2 + 2a - 3 = 0
(a+3)(a1)=0(a+3)(a-1) = 0
a=3,1a = -3, 1
a=3a = -3 のとき、b=2(3)2=4,c=2(3)+4=2b = -2(-3) - 2 = 4, c = 2(-3) + 4 = -2
x2+(2(3)+2)x+3=x24x+3=(x1)(x3)=0x^2 + (2(-3)+2)x + 3 = x^2 - 4x + 3 = (x-1)(x-3) = 0. 共通解は x=1,3x=1,3である。
a=3a= -3のとき、α=(3)2=1\alpha = -(-3)-2=1
x33x2+4x2=(x1)(x22x+2)=0x^3-3x^2+4x-2 = (x-1)(x^2-2x+2)=0。 共通解は x=1x=1なので条件を満たす。
a=1a = 1 のとき、b=2(1)2=4,c=2(1)+4=6b = -2(1) - 2 = -4, c = 2(1) + 4 = 6
x2+(2(1)+2)x+3=x2+4x+3=(x+1)(x+3)=0x^2 + (2(1)+2)x + 3 = x^2 + 4x + 3 = (x+1)(x+3) = 0. 共通解は x=1,3x=-1, -3である。
a=1a = 1のとき、α=12=3\alpha = -1 -2 = -3
x3+x24x+6=(x+3)(x22x+2)=0x^3+x^2-4x+6 = (x+3)(x^2-2x+2)=0。 共通解は x=3x=-3なので条件を満たす。

3. 最終的な答え

a=3,b=4,c=2a = -3, b = 4, c = -2 または a=1,b=4,c=6a = 1, b = -4, c = 6

「代数学」の関連問題

与えられた不等式 $3x^2 - 4x + 2 > 0$ を解く問題です。

不等式二次不等式判別式二次関数
2025/8/16

次の2次関数の頂点の座標を、選択肢から選んで記号で答える問題です。具体的には、10個の2次関数が与えられており、それぞれの頂点の座標を、選択肢として提示されている座標の中から選び、対応する記号で答えま...

二次関数頂点平方完成
2025/8/16

与えられた10個の関数が、選択肢の中からどの種類の関数であるか選ぶ問題です。 選択肢は以下の通りです。 ア. $y$ は $x$ の1次関数 イ. $y$ は $x$ の2次関数 ウ. $y$ は $...

関数1次関数2次関数反比例関数の種類
2025/8/16

この問題は、関数に関する以下の3つの問いに答えるものです。 (1) 与えられた各式がどのような関数を表しているかを、選択肢から選びます。 (2) 与えられた2次関数の頂点の座標を、選択肢から選びます。...

関数2次関数平方完成頂点式の展開
2025/8/16

$\alpha$, $\beta$, $\gamma$ は鋭角であり、$\tan \alpha = \frac{\sqrt{3}}{7}$, $\tan \beta = \frac{\sqrt{3}}...

三角関数加法定理角度
2025/8/16

与えられた関数 $y = -|x-2| + 3$ について、以下の問いに答えます。 (1) 関数のグラフを描きます。 (2) $-1 \le x \le 3$ における関数の値域を求めます。 (3) ...

絶対値関数グラフ値域
2025/8/16

2つの2次方程式 $x^2 - mx + 2m - 3 = 0$ と $x^2 - (m-1)x + 1 = 0$ が与えられている。前者は異なる2つの実数解を持ち、後者は異なる2つの虚数解を持つとき...

二次方程式判別式不等式実数解虚数解解の範囲
2025/8/16

次の3つの2次関数について、頂点、y切片、x切片の情報を求めてグラフを描く問題です。 (1) $y = x^2 + 2x - 3$ (2) $y = -2(x - 3)(x + 1)$ (3) $y ...

二次関数グラフ頂点y切片x切片平方完成因数分解
2025/8/16

与えられた式 $(x-3)^2 - (x-3)(x+2)$ を展開し、$-(\boxed{エ}x + \boxed{オカ})$の形に整理することで、$\boxed{エ}$と$\boxed{オカ}$に入...

展開因数分解式の整理多項式
2025/8/16

問題は大きく分けて3つのパートから構成されています。 (1) $y$ が $x$ の2乗に比例する関数について、式を求めたり、特定の値における $y$ の値を計算したりします。 (2) 4つの2次関数...

二次関数比例関数のグラフ変化の割合変域
2025/8/16