(1) 平均値の定理とはどのような定理か説明する。 (2) $0 < a < b$ のとき、$\frac{b-a}{b} < \log_e \frac{b}{a} < \frac{b-a}{a}$ が成り立つことを示す。

解析学平均値の定理対数関数不等式微分
2025/4/7

1. 問題の内容

(1) 平均値の定理とはどのような定理か説明する。
(2) 0<a<b0 < a < b のとき、bab<logeba<baa\frac{b-a}{b} < \log_e \frac{b}{a} < \frac{b-a}{a} が成り立つことを示す。

2. 解き方の手順

(1) 平均値の定理について:
関数 f(x)f(x) が閉区間 [a,b][a, b] で連続で、開区間 (a,b)(a, b) で微分可能であるとき、
f(b)f(a)ba=f(c)\frac{f(b) - f(a)}{b-a} = f'(c)
を満たす cca<c<ba < c < b の範囲に少なくとも一つ存在する。
(2) 不等式の証明:
f(x)=logexf(x) = \log_e x とおく。f(x)f(x)x>0x>0 で連続かつ微分可能である。
区間 [a,b][a, b] で平均値の定理を用いると、
f(b)f(a)ba=f(c)\frac{f(b) - f(a)}{b-a} = f'(c)
となる cca<c<ba < c < b に存在する。
f(x)=logexf(x) = \log_e x なので、f(x)=1xf'(x) = \frac{1}{x}。よって、
logeblogeaba=1c\frac{\log_e b - \log_e a}{b-a} = \frac{1}{c}
logebaba=1c\frac{\log_e \frac{b}{a}}{b-a} = \frac{1}{c}
したがって、
logeba=bac\log_e \frac{b}{a} = \frac{b-a}{c}
a<c<ba < c < b より、1b<1c<1a\frac{1}{b} < \frac{1}{c} < \frac{1}{a}
よって、
bab<bac<baa\frac{b-a}{b} < \frac{b-a}{c} < \frac{b-a}{a}
bab<logeba<baa\frac{b-a}{b} < \log_e \frac{b}{a} < \frac{b-a}{a}

3. 最終的な答え

(1) 平均値の定理:関数 f(x)f(x) が閉区間 [a,b][a, b] で連続で、開区間 (a,b)(a, b) で微分可能であるとき、f(b)f(a)ba=f(c)\frac{f(b) - f(a)}{b-a} = f'(c) を満たす cca<c<ba < c < b の範囲に少なくとも一つ存在する。
(2) bab<logeba<baa\frac{b-a}{b} < \log_e \frac{b}{a} < \frac{b-a}{a} が成り立つ。

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