問題28は、$x, y$ は実数とする。次の命題の真偽をいえ。また、その逆、対偶、裏を述べ、その真偽をいえ。 (1) 「$x=2$ ならば $x^2 - 3x + 2 = 0$」 (2) 「$x + y \ge 3$ ならば $x \ge 1$ かつ $y \ge 2$」 問題29は、$n$ を整数とする。命題「$n^2$ が3の倍数でなければ、$n$ は3の倍数でない」が真であることを対偶を考えて証明せよ。 問題30は、「$\sqrt{6}$ が無理数である」ことを用いて、「$\sqrt{3} + \sqrt{2}$ が無理数である」ことを示せ。

代数学命題真偽対偶背理法無理数整数
2025/4/9

1. 問題の内容

問題28は、x,yx, y は実数とする。次の命題の真偽をいえ。また、その逆、対偶、裏を述べ、その真偽をいえ。
(1) 「x=2x=2 ならば x23x+2=0x^2 - 3x + 2 = 0
(2) 「x+y3x + y \ge 3 ならば x1x \ge 1 かつ y2y \ge 2
問題29は、nn を整数とする。命題「n2n^2 が3の倍数でなければ、nn は3の倍数でない」が真であることを対偶を考えて証明せよ。
問題30は、「6\sqrt{6} が無理数である」ことを用いて、「3+2\sqrt{3} + \sqrt{2} が無理数である」ことを示せ。

2. 解き方の手順

問題28 (1):
* 元の命題: 「x=2x=2 ならば x23x+2=0x^2 - 3x + 2 = 0
* x=2x=2 のとき、x23x+2=223(2)+2=46+2=0x^2 - 3x + 2 = 2^2 - 3(2) + 2 = 4 - 6 + 2 = 0。したがって、この命題は真である。
* 逆: 「x23x+2=0x^2 - 3x + 2 = 0 ならば x=2x=2
* x23x+2=(x1)(x2)=0x^2 - 3x + 2 = (x-1)(x-2) = 0 なので、x=1,2x=1, 2。したがって、x=1x=1 の場合があるので、この命題は偽である。
* 対偶: 「x23x+20x^2 - 3x + 2 \ne 0 ならば x2x \ne 2
* 元の命題が真なので、対偶も真である。
* 裏: 「x2x \ne 2 ならば x23x+20x^2 - 3x + 2 \ne 0
* 逆が偽なので、裏も偽である。
問題28 (2):
* 元の命題: 「x+y3x + y \ge 3 ならば x1x \ge 1 かつ y2y \ge 2
* x=3,y=0x=3, y=0 のとき、x+y=33x+y=3 \ge 3 であるが、y=0<2y=0 < 2。したがって、この命題は偽である。
* 逆: 「x1x \ge 1 かつ y2y \ge 2 ならば x+y3x + y \ge 3
* x1x \ge 1 かつ y2y \ge 2 より、x+y1+2=3x+y \ge 1+2 = 3。したがって、x+y3x+y \ge 3 となり、この命題は真である。
* 対偶: 「x<1x < 1 または y<2y < 2 ならば x+y<3x + y < 3
* 元の命題が偽なので、対偶も偽である。
* 裏: 「x+y<3x + y < 3 ならば x<1x < 1 または y<2y < 2
* 逆が真なので、裏も真である。
問題29:
* 対偶: 「nn が3の倍数ならば、n2n^2 は3の倍数である」
* nn が3の倍数であるとき、n=3kn = 3kkkは整数)と表せる。
* このとき、n2=(3k)2=9k2=3(3k2)n^2 = (3k)^2 = 9k^2 = 3(3k^2) となり、n2n^2 は3の倍数である。
* したがって、対偶は真であり、元の命題も真である。
問題30:
* 3+2\sqrt{3} + \sqrt{2} が無理数であることを示すために、背理法を用いる。
* 3+2\sqrt{3} + \sqrt{2} が有理数であると仮定する。
* 3+2=r\sqrt{3} + \sqrt{2} = rrr は有理数)とおく。
* 両辺を2乗すると、(3+2)2=r2(\sqrt{3} + \sqrt{2})^2 = r^2
* 3+26+2=r23 + 2\sqrt{6} + 2 = r^2
* 5+26=r25 + 2\sqrt{6} = r^2
* 26=r252\sqrt{6} = r^2 - 5
* 6=r252\sqrt{6} = \frac{r^2 - 5}{2}
* rr が有理数なので、r252\frac{r^2 - 5}{2} も有理数である。
* これは、6\sqrt{6} が無理数であるという仮定に矛盾する。
* したがって、3+2\sqrt{3} + \sqrt{2} は無理数である。

3. 最終的な答え

問題28:
(1)
* 元の命題: 真
* 逆: 偽
* 対偶: 真
* 裏: 偽
(2)
* 元の命題: 偽
* 逆: 真
* 対偶: 偽
* 裏: 真
問題29:
nn が3の倍数ならば、n2n^2 は3の倍数である。したがって題意は示された。
問題30:
3+2\sqrt{3} + \sqrt{2} は無理数である。

「代数学」の関連問題

与えられた式 $3(a^2 - 5a + 2)$ を展開し、式 $イa^2 - ウa + エ$ の $イ$, $ウ$, $エ$ に当てはまる数を求める問題です。

展開多項式代数式
2025/4/14

与えられた式 $2a + 8b - a + b = a + \boxed{?}b$ の空欄に当てはまる数を求める問題です。

式の計算一次式係数
2025/4/14

問題は以下の通りです。 問1. 次の計算をせよ。 (1) $(1+\sqrt{3}i)^3$ (2) $(3-\sqrt{3}i)^4$ (3) $(-3-3i)^4$ (4) $(-1+i)^{10...

複素数ド・モアブルの定理複素数の計算
2025/4/14

与えられた画像にある演習問題1の設問5を解く問題です。 具体的には、複素数の積と商を計算し、$a+bi$ の形で表します。 (1) $3(\cos\frac{\pi}{16} + i\sin\frac...

複素数極形式複素数の積複素数の商
2025/4/14

複素数の計算問題です。以下の3つの複素数の式を計算して、最も簡単な形で表す必要があります。 (1) $\frac{1+2i}{2+3i}$ (2) $\frac{1-i}{1+i}$ (3) $\fr...

複素数複素数の計算共役複素数割り算
2025/4/14

与えられた複素数に対して、その共役複素数を求める問題です。共役複素数とは、複素数の虚部($i$の係数)の符号を反転させたものです。

複素数共役複素数
2025/4/14

画像に写っている数学の問題を解きます。具体的には、計算問題、因数分解、方程式、関数のグラフ、不等式の問題があります。

計算因数分解方程式関数のグラフ不等式二次方程式連立方程式
2025/4/14

与えられた式を簡略化する問題です。式は $(a^2b^3)^3 \div (-\frac{3}{2}b)^2 \times (\frac{3}{2}ab^2)^3$ です。

式の計算指数法則文字式簡略化
2025/4/14

与えられた数式に基づいて、$y$ の値を計算する問題です。 最初の問題は、$y = 2x + 3$ で、$x = 1$ のときの $y$ の値を求めます。 次の問題は、$y = 2(x - 3)^2 ...

数式の評価一次関数二次関数代入
2025/4/14

X区役所とY区役所を結ぶ道路があり、Aは徒歩でX区役所からY区役所へ向かい、BはAの出発の10分後に自転車でY区役所を出発してX区役所へ向かった。2人が出会った時点から、Aは25分後にY区役所に到着し...

方程式連立方程式速さ文章問題
2025/4/14