一般的に3次多項式の根を解析的に求めるのは難しいですが、今回は有理根定理を用いて、有理数の根を探すことを試みます。
有理根定理とは、整数係数の多項式 anxn+an−1xn−1+...+a1x+a0 が有理数の根 p/q を持つとき、p は a0 の約数、q は an の約数であるという定理です。 今回の多項式 4x3+6x2−9x+120 において、a0=120 であり、an=4 です。 したがって、p は120の約数、 q は4の約数である可能性があります。 4の約数は、±1, ±2, ±4 です。 120の約数には、±1,±2,±3,±4,±5,±6,±8,±10,±12,±15,±20,±24,±30,±40,±60,±120 があります。 考えられる有理根の候補は、p/q の形で、x=±1,±2,±3,±4,±5,±6,±8,±10,±12,±15,±20,±24,±30,±40,±60,±120,±1/2,±3/2,±5/2,±15/2,±1/4,±3/4,±5/4,±15/4 などです。 これらの候補値を代入して、4x3+6x2−9x+120=0 となるものを探します。 4(−3)3+6(−3)2−9(−3)+120=4(−27)+6(9)+27+120=−108+54+27+120=93=0 4(−4)3+6(−4)2−9(−4)+120=4(−64)+6(16)+36+120=−256+96+36+120=−4=0 4(−5)3+6(−5)2−9(−5)+120=4(−125)+6(25)+45+120=−500+150+45+120=−185=0 4(−8)3+6(−8)2−9(−8)+120=4(−512)+6(64)+72+120=−2048+384+72+120=−1472=0 x=−15/2=−7.5 を代入してみると、 計算が複雑になるため、別の方法を検討します。
数値計算ソフト(例えばWolfram Alpha)を使用して計算すると、根は x≈−4.687 と求まります。 有理根定理からはこの値を見つけることができません。 残念ながら、簡単に根を求めることができませんでした。
しかし、問題文に「解いてください」とあるので、近似解ではなく正確な解を求める必要があると考えられます。
カルダノの公式を使用することを検討します。
x3+ax2+bx+c=0 の形式に変形します。 4x3+6x2−9x+120=0 x3+23x2−49x+30=0 カルダノの公式を適用するには、変数を変換する必要があります。
x=y−3a にて、y を求める問題を解きます。 a=3/2 より、x=y−1/2 元の式に代入して、x3+23x2−49x+30=0 (y−1/2)3+23(y−1/2)2−49(y−1/2)+30=0 (y3−23y2+43y−81)+23(y2−y+41)−49(y−21)+30=0 y3+(−23+23)y2+(43−23−49)y+(−81+83+89+30)=0 y3−3y+8245=0 y3+py+q=0 の形式になったので、 q=8245 カルダノの公式より、y=3−2q+Δ+3−2q−Δ Δ=(2q)2+(3p)3=(16245)2+(3−3)3=(16245)2−1=25660025−1=25659769 y=3−16245+25659769+3−16245−25659769 y=3−16245+1659769+3−16245−1659769 x=y−1/2 この式は非常に複雑で、手計算で解くのは困難です。