$0 \le x \le \pi$ において、関数 $f(x) = 3\sin 2x + a(\sin x + \cos x) + 1$ が与えられている。ただし、$a$ は正の定数である。 (1) $t = \sin x + \cos x$ とおくとき、$f(x)$ を $t$ の式で表せ。 (2) $t$ の取りうる値の範囲を求めよ。 (3) $f(x)$ の最小値を求めよ。

1. 問題の内容

$0 \le x \le \pi$ において、関数 $f(x) = 3\sin 2x + a(\sin x + \cos x) + 1$ が与えられている。ただし、$a$ は正の定数である。

(1) $t = \sin x + \cos x$ とおくとき、$f(x)$ を $t$ の式で表せ。

(2) $t$ の取りうる値の範囲を求めよ。

(3) $f(x)$ の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $f(x)$ を $t$ の式で表す。

$t = \sin x + \cos x$ の両辺を2乗すると、

$t^2 = (\sin x + \cos x)^2 = \sin^2 x + 2\sin x \cos x + \cos^2 x = 1 + 2\sin x \cos x = 1 + \sin 2x$

よって、$\sin 2x = t^2 - 1$ となる。

したがって、

$f(x) = 3\sin 2x + a(\sin x + \cos x) + 1 = 3(t^2 - 1) + at + 1 = 3t^2 + at - 2$

したがって、$f(x) = 3t^2 + at - 2$ となる。

(2) $t$ の取りうる値の範囲を求める。

$t = \sin x + \cos x = \sqrt{2}(\frac{1}{\sqrt{2}}\sin x + \frac{1}{\sqrt{2}}\cos x) = \sqrt{2}(\cos \frac{\pi}{4} \sin x + \sin \frac{\pi}{4} \cos x) = \sqrt{2}\sin (x + \frac{\pi}{4})$

$0 \le x \le \pi$ であるから、$\frac{\pi}{4} \le x + \frac{\pi}{4} \le \frac{5\pi}{4}$

したがって、$-\frac{1}{\sqrt{2}} \le \sin(x + \frac{\pi}{4}) \le 1$

$-\frac{1}{\sqrt{2}} \times \sqrt{2} \le \sqrt{2} \sin(x + \frac{\pi}{4}) \le \sqrt{2} \times 1$

$-1 \le t \le \sqrt{2}$

よって、$t$ の取りうる値の範囲は $-1 \le t \le \sqrt{2}$

(3) $f(x)$ の最小値を求める。

$f(t) = 3t^2 + at - 2 = 3(t^2 + \frac{a}{3}t) - 2 = 3(t + \frac{a}{6})^2 - 3(\frac{a}{6})^2 - 2 = 3(t + \frac{a}{6})^2 - \frac{a^2}{12} - 2$

軸は $t = -\frac{a}{6}$ である。

$a > 0$ より、$-\frac{a}{6} < 0$

$-\frac{a}{6}$ と範囲 $-1 \le t \le \sqrt{2}$ の位置関係で場合分けする。

(i) $-1 \le -\frac{a}{6} \le \sqrt{2}$ のとき ($0 < a \le 6\sqrt{2}$)、最小値は $t = -\frac{a}{6}$ のとき。

最小値は $f(-\frac{a}{6}) = -\frac{a^2}{12} - 2$

(ii) $-\frac{a}{6} < -1$ のとき ($a > 6$)、最小値は $t = -1$ のとき。

最小値は $f(-1) = 3(-1)^2 + a(-1) - 2 = 3 - a - 2 = 1 - a$

まとめると、

$0 < a \le 6\sqrt{2}$ のとき、最小値は $-\frac{a^2}{12} - 2$

$a > 6$ のとき、最小値は $1 - a$

3. 最終的な答え

(1) $f(x) = 3t^2 + at - 2$

(2) $-1 \le t \le \sqrt{2}$

(3) $0 < a \le 6\sqrt{2}$ のとき、最小値は $-\frac{a^2}{12} - 2$

$a > 6$ のとき、最小値は $1 - a$