三角形ABCにおいて、辺ABを1:3に内分する点をP、辺ACを1:4に内分する点をQとする。線分BQとCPの交点をR、直線ARと辺BCの交点をSとする。$\vec{AB} = \vec{a}$, $\vec{AC} = \vec{b}$とするとき、以下の問いに答えよ。 (1) $\vec{AP}$, $\vec{AQ}$を$\vec{a}$, $\vec{b}$を用いて表せ。 (2) $\vec{AR}$, $\vec{AS}$を$\vec{a}$, $\vec{b}$を用いて表せ。 (3) $\triangle ABC$の面積は$\triangle RBS$の面積の何倍かを答えよ。

幾何学ベクトル内分点面積比三角形
2025/4/16

1. 問題の内容

三角形ABCにおいて、辺ABを1:3に内分する点をP、辺ACを1:4に内分する点をQとする。線分BQとCPの交点をR、直線ARと辺BCの交点をSとする。AB=a\vec{AB} = \vec{a}, AC=b\vec{AC} = \vec{b}とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) AP\vec{AP}, AQ\vec{AQ}a\vec{a}, b\vec{b}を用いて表せ。
(2) AR\vec{AR}, AS\vec{AS}a\vec{a}, b\vec{b}を用いて表せ。
(3) ABC\triangle ABCの面積はRBS\triangle RBSの面積の何倍かを答えよ。

2. 解き方の手順

(1)
Pは辺ABを1:3に内分するので、
AP=14AB=14a\vec{AP} = \frac{1}{4}\vec{AB} = \frac{1}{4}\vec{a}
Qは辺ACを1:4に内分するので、
AQ=15AC=15b\vec{AQ} = \frac{1}{5}\vec{AC} = \frac{1}{5}\vec{b}
(2)
AR\vec{AR}について考える。
Rは線分BQ上にあるので、実数ssを用いて
AR=(1s)AB+sAQ=(1s)a+s5b\vec{AR} = (1-s)\vec{AB} + s\vec{AQ} = (1-s)\vec{a} + \frac{s}{5}\vec{b}
Rは線分CP上にあるので、実数ttを用いて
AR=tAP+(1t)AC=t4a+(1t)b\vec{AR} = t\vec{AP} + (1-t)\vec{AC} = \frac{t}{4}\vec{a} + (1-t)\vec{b}
a\vec{a}b\vec{b}は一次独立なので、係数を比較して
1s=t41-s = \frac{t}{4}
s5=1t\frac{s}{5} = 1-t
この連立方程式を解くと、
t=2023,s=1523t = \frac{20}{23}, s = \frac{15}{23}
よって、
AR=523a+423b\vec{AR} = \frac{5}{23}\vec{a} + \frac{4}{23}\vec{b}
AS\vec{AS}について考える。
Sは直線AR上にあるので、実数kkを用いて
AS=kAR=5k23a+4k23b\vec{AS} = k\vec{AR} = \frac{5k}{23}\vec{a} + \frac{4k}{23}\vec{b}
Sは辺BC上にあるので、実数llを用いて
AS=(1l)AB+lAC=(1l)a+lb\vec{AS} = (1-l)\vec{AB} + l\vec{AC} = (1-l)\vec{a} + l\vec{b}
a\vec{a}b\vec{b}は一次独立なので、係数を比較して
5k23=1l\frac{5k}{23} = 1-l
4k23=l\frac{4k}{23} = l
この連立方程式を解くと、
k=239,l=49k = \frac{23}{9}, l = \frac{4}{9}
よって、
AS=59a+49b\vec{AS} = \frac{5}{9}\vec{a} + \frac{4}{9}\vec{b}
(3)
AR=523a+423b\vec{AR} = \frac{5}{23}\vec{a} + \frac{4}{23}\vec{b}AS=59a+49b\vec{AS} = \frac{5}{9}\vec{a} + \frac{4}{9}\vec{b}AB=a\vec{AB} = \vec{a}AC=b\vec{AC} = \vec{b}より、
BS=ASAB=59a+49ba=49a+49b\vec{BS} = \vec{AS} - \vec{AB} = \frac{5}{9}\vec{a} + \frac{4}{9}\vec{b} - \vec{a} = -\frac{4}{9}\vec{a} + \frac{4}{9}\vec{b}
BR=ARAB=523a+423ba=1823a+423b\vec{BR} = \vec{AR} - \vec{AB} = \frac{5}{23}\vec{a} + \frac{4}{23}\vec{b} - \vec{a} = -\frac{18}{23}\vec{a} + \frac{4}{23}\vec{b}
ABC=12absinθ\triangle ABC = \frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|\sin\thetaθ\thetaa\vec{a}b\vec{b}のなす角)
RBS=12BRBSsinθ=121823a+423b49a+49bsinθ\triangle RBS = \frac{1}{2}|\vec{BR}||\vec{BS}|\sin\theta' = \frac{1}{2} |-\frac{18}{23}\vec{a} + \frac{4}{23}\vec{b}| |-\frac{4}{9}\vec{a} + \frac{4}{9}\vec{b}| \sin\theta'
RBS=12182349(a×a)182349(a×b)42349(b×a)+42349(b×b)\triangle RBS = \frac{1}{2} |\frac{18}{23} \frac{4}{9} (\vec{a} \times \vec{a}) - \frac{18}{23} \frac{4}{9} (\vec{a} \times \vec{b}) - \frac{4}{23} \frac{4}{9} (\vec{b} \times \vec{a}) + \frac{4}{23} \frac{4}{9} (\vec{b} \times \vec{b})|
RBS=12823(a×b)+16207(a×b)\triangle RBS = \frac{1}{2} |-\frac{8}{23} (\vec{a} \times \vec{b}) + \frac{16}{207} (\vec{a} \times \vec{b})|
RBS=1256207(a×b)=5620712absinθ=56207ABC\triangle RBS = \frac{1}{2} |-\frac{56}{207} (\vec{a} \times \vec{b})| = \frac{56}{207} \cdot \frac{1}{2} |\vec{a}||\vec{b}|\sin\theta = \frac{56}{207} \triangle ABC
したがって、ABC\triangle ABCの面積はRBS\triangle RBS20756\frac{207}{56}倍である。

3. 最終的な答え

(1) AP=14a\vec{AP} = \frac{1}{4}\vec{a}, AQ=15b\vec{AQ} = \frac{1}{5}\vec{b}
(2) AR=523a+423b\vec{AR} = \frac{5}{23}\vec{a} + \frac{4}{23}\vec{b}, AS=59a+49b\vec{AS} = \frac{5}{9}\vec{a} + \frac{4}{9}\vec{b}
(3) 20756\frac{207}{56}

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