$xy$ 平面内を運動する質量 $m$ の質点の位置ベクトルが $r(t) = (t - e^{t-1}, 2)$ で与えられている。時刻 $t=0$ から $t=2$ の間に質点が動いた経路の長さ $s$ を求める。

応用数学ベクトル積分経路長微分
2025/4/18

1. 問題の内容

xyxy 平面内を運動する質量 mm の質点の位置ベクトルが r(t)=(tet1,2)r(t) = (t - e^{t-1}, 2) で与えられている。時刻 t=0t=0 から t=2t=2 の間に質点が動いた経路の長さ ss を求める。

2. 解き方の手順

経路の長さは、速度ベクトルの大きさ(速さ)を時間で積分することで求められます。
まず、速度ベクトル v(t)\mathbf{v}(t) を求めます。これは、位置ベクトル r(t)\mathbf{r}(t) を時間 tt で微分することで得られます。
v(t)=dr(t)dt=(ddt(tet1),ddt(2))\mathbf{v}(t) = \frac{d\mathbf{r}(t)}{dt} = \left(\frac{d}{dt}(t - e^{t-1}), \frac{d}{dt}(2)\right)
ddt(tet1)=1et1\frac{d}{dt}(t - e^{t-1}) = 1 - e^{t-1}
ddt(2)=0\frac{d}{dt}(2) = 0
したがって、
v(t)=(1et1,0)\mathbf{v}(t) = (1 - e^{t-1}, 0)
次に、速さ v(t)|\mathbf{v}(t)| を計算します。
v(t)=(1et1)2+02=1et1|\mathbf{v}(t)| = \sqrt{(1 - e^{t-1})^2 + 0^2} = |1 - e^{t-1}|
経路の長さ ss は、速さ v(t)|v(t)| を時刻 t=0t=0 から t=2t=2 まで積分することで求まります。
s=021et1dts = \int_0^2 |1 - e^{t-1}| dt
積分範囲を分割する必要があります。
1et1=01 - e^{t-1} = 0 となるのは、et1=1e^{t-1} = 1、つまり t1=0t-1 = 0、すなわち t=1t = 1 のときです。
0t<10 \le t < 1 のとき、t1<0t - 1 < 0 なので et1<1e^{t-1} < 1 となり、1et1>01 - e^{t-1} > 0 です。
1<t21 < t \le 2 のとき、t1>0t - 1 > 0 なので et1>1e^{t-1} > 1 となり、1et1<01 - e^{t-1} < 0 です。
したがって、積分は次のように分割されます。
s=01(1et1)dt+12(et11)dts = \int_0^1 (1 - e^{t-1}) dt + \int_1^2 (e^{t-1} - 1) dt
それぞれの積分を計算します。
01(1et1)dt=[tet1]01=(1e0)(0e1)=11+e1=e1\int_0^1 (1 - e^{t-1}) dt = [t - e^{t-1}]_0^1 = (1 - e^0) - (0 - e^{-1}) = 1 - 1 + e^{-1} = e^{-1}
12(et11)dt=[et1t]12=(e212)(e111)=(e2)(11)=e2\int_1^2 (e^{t-1} - 1) dt = [e^{t-1} - t]_1^2 = (e^{2-1} - 2) - (e^{1-1} - 1) = (e - 2) - (1 - 1) = e - 2
したがって、経路の長さ ss
s=e1+e2s = e^{-1} + e - 2

3. 最終的な答え

s=e1+e2s = e^{-1} + e - 2

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