(1) 1+x21≈1−2x2 を示す。 これは、二項定理またはテイラー展開を用いて示すことができます。
二項定理を用いる場合、(1+x2)−1/2 を展開します。 (1+x2)−1/2=1+(−21)x2+2!(−21)(−23)(x2)2+… =1−21x2+83x4+… x が小さいとき、x4 以降の項は無視できるため、1+x21≈1−2x2 が成り立ちます。 テイラー展開を用いる場合、f(x)=1+x21 を x=0 の周りで展開します。 f′(x)=−21(1+x2)−3/2(2x)=−x(1+x2)−3/2 f′′(x)=−(1+x2)−3/2+(−x)(−23)(1+x2)−5/2(2x)=−(1+x2)−3/2+3x2(1+x2)−5/2 f′′(0)=−1 テイラー展開は、
f(x)=f(0)+f′(0)x+2!f′′(0)x2+… =1+0x+2−1x2+… =1−2x2+… x が小さいとき、x4 以降の項は無視できるため、1+x21≈1−2x2 が成り立ちます。 (2) 右辺と左辺の差が5%になるまでの範囲を数値計算で求める。
差の割合(誤差率)を計算するために、以下の式を使用します。
誤差率 = ∣1+x211+x21−(1−2x2)∣ この誤差率が5% (0.05)以下になるような x の範囲を求めます。 電卓やプログラミング言語を用いて、様々な x の値に対する誤差率を計算し、0.05以下になる x の最大値を求めます。 x=0.1 のとき、1+0.121≈0.995037,1−20.12=0.995 誤差率 = ∣0.9950370.995037−0.995∣≈0.000037/0.995037≈0.000037=0.0037% x=0.5 のとき、1+0.521≈0.894427,1−20.52=0.875 誤差率 = ∣0.8944270.894427−0.875∣≈0.019427/0.894427≈0.0217=2.17% x=1 のとき、1+121≈0.707107,1−212=0.5 誤差率 = ∣0.7071070.707107−0.5∣≈0.207107/0.707107≈0.2929=29.29% x=0.2 のとき、1+0.221≈0.980581,1−20.22=0.98 誤差率 = ∣0.9805810.980581−0.98∣≈0.000581/0.980581≈0.00059=0.059% 誤差率が5%以下になる範囲は、おおよそ ∣x∣<0.6 となります。 厳密には計算機を使って求める必要があります。 (3) グラフを描く。
y=1+x21 と y=1−2x2 のグラフを、誤差が5%以下になる範囲(例:−0.6≤x≤0.6)で描きます。