与えられた極限の条件を満たす整式 $f(x)$ のうち、次数が最も低いものを求める問題です。条件は次の2つです。 $\lim_{x \to -1} \frac{f(x)}{(x+1)^2} = -1$ $\lim_{x \to 3} \frac{f(x)}{x-3} = 3$

解析学極限整式微分積分多項式
2025/4/20

1. 問題の内容

与えられた極限の条件を満たす整式 f(x)f(x) のうち、次数が最も低いものを求める問題です。条件は次の2つです。
limx1f(x)(x+1)2=1\lim_{x \to -1} \frac{f(x)}{(x+1)^2} = -1
limx3f(x)x3=3\lim_{x \to 3} \frac{f(x)}{x-3} = 3

2. 解き方の手順

まず、最初の極限の条件から、f(x)f(x)x=1x = -1 で重根を持つことがわかります。なぜなら、x1x \to -1 のとき分母が0に近づき、極限が存在するためには分子も0に近づかなければならないからです。さらに、分母が (x+1)2(x+1)^2 であることから、f(x)f(x)(x+1)2(x+1)^2 を因数に持つと考えられます。
したがって、f(x)=(x+1)2g(x)f(x) = (x+1)^2 g(x) と書けます(g(x)g(x)は整式)。
これを最初の極限の式に代入すると、
limx1(x+1)2g(x)(x+1)2=limx1g(x)=1\lim_{x \to -1} \frac{(x+1)^2 g(x)}{(x+1)^2} = \lim_{x \to -1} g(x) = -1
したがって、g(1)=1g(-1) = -1 が成り立ちます。
次に、2番目の極限の条件から、x3x \to 3 のとき分母が0に近づくため、分子も0に近づかなければなりません。つまり、f(3)=0f(3) = 0 である必要があります。
f(3)=(3+1)2g(3)=16g(3)=0f(3) = (3+1)^2 g(3) = 16 g(3) = 0
したがって、g(3)=0g(3) = 0 が成り立ちます。
g(x)g(x)x=3x = 3x=1x = -1 を解に持つので、次数が最小となるのは g(x)g(x) が1次式の場合です。したがって、g(x)=a(x3)g(x) = a(x-3) と書けます。
g(1)=1g(-1) = -1 より、a(13)=1a(-1-3) = -1, 4a=1-4a = -1, a=14a = \frac{1}{4}
よって、g(x)=14(x3)g(x) = \frac{1}{4}(x-3)
したがって、f(x)=(x+1)2g(x)=(x+1)214(x3)=14(x+1)2(x3)f(x) = (x+1)^2 g(x) = (x+1)^2 \cdot \frac{1}{4} (x-3) = \frac{1}{4}(x+1)^2(x-3)
展開すると、f(x)=14(x2+2x+1)(x3)=14(x3+2x2+x3x26x3)=14(x3x25x3)f(x) = \frac{1}{4}(x^2+2x+1)(x-3) = \frac{1}{4}(x^3+2x^2+x-3x^2-6x-3) = \frac{1}{4}(x^3-x^2-5x-3)
f(x)=14x314x254x34f(x) = \frac{1}{4}x^3 - \frac{1}{4}x^2 - \frac{5}{4}x - \frac{3}{4}

3. 最終的な答え

f(x)=14(x+1)2(x3)=14x314x254x34f(x) = \frac{1}{4}(x+1)^2(x-3) = \frac{1}{4}x^3 - \frac{1}{4}x^2 - \frac{5}{4}x - \frac{3}{4}

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