関数 $y = x^3 - x$ のグラフを $C$ とする。 (1) $C$ 上の点 $(t, t^3 - t)$ における $C$ の接線の方程式を求める。 (2) $C$ 上の2点 $(t, t^3 - t)$ および $(s, s^3 - s)$ における $C$ の接線が一致するのは $t = s$ に限ることを示す。 (3) $C$ 上にない点 $A(a, b)$ から $C$ へ引ける接線の数がちょうど2本となるとき、$a, b$ が満たす条件を求める。

1. 問題の内容

関数 $y = x^3 - x$ のグラフを $C$ とする。

(1) $C$ 上の点 $(t, t^3 - t)$ における $C$ の接線の方程式を求める。

(2) $C$ 上の2点 $(t, t^3 - t)$ および $(s, s^3 - s)$ における $C$ の接線が一致するのは $t = s$ に限ることを示す。

(3) $C$ 上にない点 $A(a, b)$ から $C$ へ引ける接線の数がちょうど2本となるとき、$a, b$ が満たす条件を求める。

2. 解き方の手順

(1)

$y = x^3 - x$ を微分すると、$y' = 3x^2 - 1$。

点 $(t, t^3 - t)$ における接線の傾きは $3t^2 - 1$ なので、接線の方程式は

$y - (t^3 - t) = (3t^2 - 1)(x - t)$

$y = (3t^2 - 1)x - 3t^3 + t + t^3 - t$

$y = (3t^2 - 1)x - 2t^3$

(2)

点 $(t, t^3 - t)$ における接線の方程式は $y = (3t^2 - 1)x - 2t^3$。

点 $(s, s^3 - s)$ における接線の方程式は $y = (3s^2 - 1)x - 2s^3$。

これらが一致するとき、傾きと $y$ 切片がそれぞれ等しいので、

$3t^2 - 1 = 3s^2 - 1$ かつ $-2t^3 = -2s^3$。

$3t^2 - 1 = 3s^2 - 1$ より $3t^2 = 3s^2$ なので $t^2 = s^2$。よって $t = s$ または $t = -s$。

$-2t^3 = -2s^3$ より $t^3 = s^3$ なので $t = s$。

したがって、$t = s$ に限る。

(3)

点 $A(a, b)$ から $C$ へ引いた接線が点 $(t, t^3 - t)$ で接するとする。

接線の方程式は $y = (3t^2 - 1)x - 2t^3$。

これが点 $A(a, b)$ を通るので、$b = (3t^2 - 1)a - 2t^3$

$2t^3 - 3at^2 + a + b = 0$

$t$ に関する3次方程式 $f(t) = 2t^3 - 3at^2 + a + b = 0$ がちょうど2つの実数解を持つ条件を求める。

$f'(t) = 6t^2 - 6at = 6t(t - a)$

$f'(t) = 0$ となるのは $t = 0, a$。

$f(0) = a + b$

$f(a) = 2a^3 - 3a^3 + a + b = -a^3 + a + b$

$f(t) = 0$ がちょうど2つの実数解を持つのは、

(i) $f(0) = 0$ または $f(a) = 0$ のとき。つまり、$a + b = 0$ または $-a^3 + a + b = 0$ のとき。

(ii) $f(0)f(a) = 0$ であり、$f'(0) = f'(a) = 0$ であるため、$t = 0$ または $t = a$ が重解となるとき。

$a+b = 0$のとき、$f(t) = 2t^3 - 3at^2 = t^2(2t-3a) = 0$. よって、$t = 0$と$t=3a/2$.

$-a^3+a+b = 0$のとき、$f(t) = 2t^3 - 3at^2 + a + b = 2t^3 - 3at^2 + a - a^3 + a = 0$.

$f(0)f(a) = (a+b)(-a^3+a+b)=0$

(a+b)(-a^3+a+b)=0 かつ $a+b \neq 0$ かつ $-a^3+a+b \neq 0$をみたすとき。

$f(0)f(a) = (a+b)(-a^3+a+b) = 0$

$(a+b) = 0$ または $(-a^3+a+b)=0$

$b = -a$ または $b = a^3-a$

$a=0, b=0$ と $a=1, b=0$ と $a=-1, b=0$のとき、$A(a,b)$はC上にあるので、これは除く。

よって $f(0)f(a)=0$ かつ AはC上にないこと。

$b = -a$ または $b = a^3 - a$

3. 最終的な答え

$b = -a$ または $b = a^3 - a$ （ただし、AがC上にない $a, b$)

$b = -a$ (ただし、$a \neq 0, a \neq 1, a \neq -1$)または$b = a^3 - a$ (ただし、$a \neq 0, a \neq 1, a \neq -1$)

すなわち、$b=-a$ or $b=a^3-a$ただし、$a \neq 0, a \neq \pm 1$のとき。

$f(0)=0$のとき、$t = 0$で接線が接し、$f(a)=0$のとき、$t = a$で接線が接する。

$a+b = 0$

$b=-a$

$-a^3+a+b=0$

$b=a^3-a$

求める条件は

$a+b=0$ or $-a^3+a+b=0$

$b=-a$ or $b=a^3-a$

$a+b)(-a^3+a+b) = 0$となるが、AがC上にない。$a^3-a \neq b$を考慮すると、条件は$b=-a$

ただし、AはC上にない点なので、$a \neq 0, a \neq 1, a \neq -1$

または

$b=a^3-a$ただし、$a \neq 0, a \neq 1, a \neq -1$

したがって、$b=-a$または$b=a^3-a$ただし、$a \neq 0, a \neq \pm 1$

$b=-a$ or $b=a^3 -a$

Final Answer: The final answer is $\boxed{b=-a or b=a^3-a}$