自然数 $m, n$ について、条件 $p, q, r$ が次のように定められている。 $p: 2m+1$ が 3 で割り切れる $q: 3n+1$ が 2 で割り切れる $r: (2m+1)(3n+1)$ が 6 で割り切れる (1) $2m+1$ を 6 で割った余り、 $3n+1$ を 6 で割った余りについて答える。 (2) $p$ と同値な条件、$q$ と同値な条件について答える。 (3) 条件 $p, q, r$ の否定をそれぞれ $\bar{p}, \bar{q}, \bar{r}$ で表す。 $r$ は $p$ であるための何であるか、$r$ は "$p$ かつ $q$" であるための何であるか、$\bar{r}$ は "$\bar{p}$ かつ $\bar{q}$" であるための何であるかについて答える。

数論整数の性質合同式約数と倍数必要十分条件
2025/4/21

1. 問題の内容

自然数 m,nm, n について、条件 p,q,rp, q, r が次のように定められている。
p:2m+1p: 2m+1 が 3 で割り切れる
q:3n+1q: 3n+1 が 2 で割り切れる
r:(2m+1)(3n+1)r: (2m+1)(3n+1) が 6 で割り切れる
(1) 2m+12m+1 を 6 で割った余り、 3n+13n+1 を 6 で割った余りについて答える。
(2) pp と同値な条件、qq と同値な条件について答える。
(3) 条件 p,q,rp, q, r の否定をそれぞれ pˉ,qˉ,rˉ\bar{p}, \bar{q}, \bar{r} で表す。 rrpp であるための何であるか、rr は "pp かつ qq" であるための何であるか、rˉ\bar{r} は "pˉ\bar{p} かつ qˉ\bar{q}" であるための何であるかについて答える。

2. 解き方の手順

(1)
p:2m+1p: 2m+1 が 3 で割り切れるとき、2m+1=3k2m+1 = 3kkk は自然数)と表せる。
2m+12m+1 は奇数なので、3k3k も奇数となり、kk は奇数である。
k=1,3,5,...k=1, 3, 5, ... のとき、2m+1=3,9,15,...2m+1 = 3, 9, 15, ...
2m+12m+1 を 6 で割った余りは、 3,9,15,...3, 9, 15, ... を 6 で割った余りなので、3,3,3,...3, 3, 3, ... となり、3 である。
q:3n+1q: 3n+1 が 2 で割り切れるとき、3n+1=2l3n+1 = 2lll は自然数)と表せる。
3n+13n+1 は偶数なので、3n3n は奇数となり、nn は奇数である。
n=1,3,5,...n=1, 3, 5, ... のとき、3n+1=4,10,16,...3n+1 = 4, 10, 16, ...
3n+13n+1 を 6 で割った余りは、4,10,16,...4, 10, 16, ... を 6 で割った余りなので、4,4,4,...4, 4, 4, ... となり、4 である。
(2)
p:2m+1p: 2m+1 が 3 で割り切れる 2m+1=3k\Leftrightarrow 2m+1 = 3k (kは自然数) 2m=3k1\Leftrightarrow 2m = 3k-1
2m2m は偶数なので、3k13k-1 も偶数であり、kk は奇数である。
k=2j+1k = 2j+1 (jは整数) とおくと、2m=3(2j+1)1=6j+22m = 3(2j+1)-1 = 6j+2 となり、m=3j+1m = 3j+1
よって、mm は 3 で割ると 1 余る数である。
q:3n+1q: 3n+1 が 2 で割り切れる 3n+1=2l\Leftrightarrow 3n+1 = 2l (lは自然数) 3n=2l1\Leftrightarrow 3n = 2l-1
3n3n は奇数なので、nn は奇数である。
(3)
pˉ:2m+1\bar{p}: 2m+1 が 3 で割り切れない
qˉ:3n+1\bar{q}: 3n+1 が 2 で割り切れない
rˉ:(2m+1)(3n+1)\bar{r}: (2m+1)(3n+1) が 6 で割り切れない
r:(2m+1)(3n+1)r: (2m+1)(3n+1) が 6 で割り切れる。
p:2m+1p: 2m+1 が 3 で割り切れるとき、 2m+1=3k2m+1 = 3k とおくと、r:3k(3n+1)r: 3k(3n+1) が 6 で割り切れる。
r:k(3n+1)r: k(3n+1) が 2 で割り切れる。
3n+13n+1 は偶数なので、rr は常に成り立つ。
よって、rrpp であるための必要条件である。
r:(2m+1)(3n+1)r: (2m+1)(3n+1) が 6 で割り切れる。
"pp かつ qq": 2m+12m+1 が 3 で割り切れ、かつ 3n+13n+1 が 2 で割り切れる。
2m+1=3k2m+1 = 3k, 3n+1=2l3n+1 = 2l とおくと、r:3k(2l)r: 3k(2l) が 6 で割り切れる。
r:6klr: 6kl が 6 で割り切れるので、rr は常に成り立つ。
よって、rr は "pp かつ qq" であるための必要十分条件である。
rˉ:(2m+1)(3n+1)\bar{r}: (2m+1)(3n+1) が 6 で割り切れない。
"pˉ\bar{p} かつ qˉ\bar{q}": 2m+12m+1 が 3 で割り切れず、かつ 3n+13n+1 が 2 で割り切れない。
rˉ\bar{r} が成り立っても、"pˉ\bar{p} かつ qˉ\bar{q}" が成り立つとは限らない。
また、"pˉ\bar{p} かつ qˉ\bar{q}" が成り立っても、rˉ\bar{r} が成り立つとは限らない。
したがって、rˉ\bar{r} は "pˉ\bar{p} かつ qˉ\bar{q}" であるための必要条件でも十分条件でもない。

3. 最終的な答え

ア:3
イ:4
ウ:3 で割ると 1 余る数
エ:奇数
オ:必要条件であるが、十分条件ではない
カ:必要十分条件である
キ:必要条件でも十分条件でもない

「数論」の関連問題

問題は以下の2つです。 (1) $5^{105}$ は何桁の整数であるか。また、その最高位の数字は何か。 (2) $(\frac{1}{5})^{105}$ は小数第何位に初めて0でない数が現れるか。...

対数桁数最高位の数字常用対数
2025/7/17

整数 $a, b$ があり、$a$ を7で割ると1余り、$b$ を7で割ると2余るとき、以下の数を7で割った余りを求めよ。 (1) $a+b$ (2) $ab$ (3) $a^2-b^2$

合同式剰余整数の性質
2025/7/17

問題1は、4つの1次不定方程式の全ての整数解を求める問題です。 問題2は、3で割ると2余り、5で割ると4余る2桁の正の整数のうち、最大のものを求める問題です。

一次不定方程式合同式整数解最大公約数
2025/7/17

(5) 5で割ると3余り、8で割ると1余る自然数の中で最も小さいものを求める。 (6) 14で割ると3余り、21で割ると12余るような整数が存在しないことを示す。

合同式剰余不定方程式
2025/7/17

(5) 5で割ると3余り、8で割ると1余る自然数のうち、最も小さいものを求める。 (6) 14で割ると3余り、21で割ると12余るような整数が存在しないことを示す。

合同式中国剰余定理剰余最大公約数
2025/7/17

1から1000までの自然数全体の集合を$M$とする。$15!$の素因数分解を $15! = p_1^{m_1} p_2^{m_2} p_3^{m_3} p_4^{m_4} p_5^{m_5} p_6^...

素因数分解素数合同式最大公約数互いに素
2025/7/17

問題は以下の通りです。 (3) $p_5 x - p_6 y = 1$ が成り立つような $M$ の要素の組 $(x, y)$ は全部で何個あるか。それらのうち、$x$ が最小のものは $(x, y)...

不定方程式互いに素整数論集合
2025/7/17

正の整数 $x$ を素因数分解したときに現れるすべての素数を一度ずつ掛け合わせて得られる積を $\text{rad}(x)$ で表す。例えば、$\text{rad}(12) = 6$, $\text{...

素因数分解剰余数列周期性
2025/7/17

## 問題 1(1) の内容

数学的帰納法等式不等式階乗
2025/7/17

奇数の数列 ${a_n}$ があり、それを第 $n$ 群に $n$ 個の項を含むように分割する。 (1) 第10群の3番目の数を求める。 (2) 第 $n$ 群の最後の数を求める。 (3) 第 $n$...

数列群分け奇数等差数列総和
2025/7/16