1から1000までの自然数全体の集合を$M$とする。$15!$の素因数分解を $15! = p_1^{m_1} p_2^{m_2} p_3^{m_3} p_4^{m_4} p_5^{m_5} p_6^{m_6}$と表す。ただし、$p_1, p_2, \dots, p_6$は小さい順に並べた素数、$m_1, m_2, \dots, m_6$は自然数とする。 (1) $p_4$と$p_6$を求める。 (2) $m_1$, $m_2$, $m_3$を求める。 (3) $p_5 x - p_6 y = 1$が成り立つような$M$の要素の組$(x,y)$の個数、および$x$が最小と最大のものを求める。 (4) $M$の要素のうち、$p_4 p_5$と互いに素なものの個数、$p_4 p_5 p_6$と互いに素なものの個数を求める。

数論素因数分解素数合同式最大公約数互いに素
2025/7/17

1. 問題の内容

1から1000までの自然数全体の集合をMMとする。15!15!の素因数分解を 15!=p1m1p2m2p3m3p4m4p5m5p6m615! = p_1^{m_1} p_2^{m_2} p_3^{m_3} p_4^{m_4} p_5^{m_5} p_6^{m_6}と表す。ただし、p1,p2,,p6p_1, p_2, \dots, p_6は小さい順に並べた素数、m1,m2,,m6m_1, m_2, \dots, m_6は自然数とする。
(1) p4p_4p6p_6を求める。
(2) m1m_1, m2m_2, m3m_3を求める。
(3) p5xp6y=1p_5 x - p_6 y = 1が成り立つようなMMの要素の組(x,y)(x,y)の個数、およびxxが最小と最大のものを求める。
(4) MMの要素のうち、p4p5p_4 p_5と互いに素なものの個数、p4p5p6p_4 p_5 p_6と互いに素なものの個数を求める。

2. 解き方の手順

(1)
p1,p2,,p6p_1, p_2, \dots, p_6は小さい順に並べた素数なので、p1=2,p2=3,p3=5,p4=7,p5=11,p6=13p_1 = 2, p_2 = 3, p_3 = 5, p_4 = 7, p_5 = 11, p_6 = 13
よって、p4=7p_4 = 7p6=13p_6 = 13
(2)
m1m_1: 15!に含まれる2の個数
m1=152+154+158=7+3+1=11m_1 = \lfloor\frac{15}{2}\rfloor + \lfloor\frac{15}{4}\rfloor + \lfloor\frac{15}{8}\rfloor = 7 + 3 + 1 = 11
m2m_2: 15!に含まれる3の個数
m2=153+159=5+1=6m_2 = \lfloor\frac{15}{3}\rfloor + \lfloor\frac{15}{9}\rfloor = 5 + 1 = 6
m3m_3: 15!に含まれる5の個数
m3=155+1525=3+0=3m_3 = \lfloor\frac{15}{5}\rfloor + \lfloor\frac{15}{25}\rfloor = 3 + 0 = 3
よって、m1=11m_1 = 11m2=6m_2 = 6m3=3m_3 = 3
(3)
11x13y=111x - 13y = 1の整数解を求める。
11x13y=111x - 13y = 1
11(6)13(5)=6665=111(6) - 13(5) = 66 - 65 = 1
よって、x=6x = 6, y=5y = 5は特殊解の一つ。
一般解はx=6+13k,y=5+11kx = 6 + 13k, y = 5 + 11k (kkは整数)。
xxyyは1から1000までの自然数なので、16+13k10001 \leq 6 + 13k \leq 100015+11k10001 \leq 5 + 11k \leq 1000
513k994-5 \leq 13k \leq 994kkは整数なので、513k9941376.46-\frac{5}{13} \leq k \leq \frac{994}{13} \approx 76.46
511k995-5 \leq 11k \leq 995kkは整数なので、511k9951190.45-\frac{5}{11} \leq k \leq \frac{995}{11} \approx 90.45
したがって、0k760 \leq k \leq 76
kkは77個あるので、解(x,y)(x,y)は77個ある。
xxが最小となるのはk=0k = 0のときで、x=6x = 6, y=5y = 5
xxが最大となるのはk=76k = 76のときで、x=6+13(76)=6+988=994x = 6 + 13(76) = 6 + 988 = 994, y=5+11(76)=5+836=841y = 5 + 11(76) = 5 + 836 = 841
(4)
p4p5=7×11=77p_4 p_5 = 7 \times 11 = 77と互いに素なMMの要素の個数は、1から1000までの自然数の中で、7の倍数でも11の倍数でもないものの個数。
7の倍数の個数は10007=142\lfloor\frac{1000}{7}\rfloor = 142
11の倍数の個数は100011=90\lfloor\frac{1000}{11}\rfloor = 90
77の倍数の個数は100077=12\lfloor\frac{1000}{77}\rfloor = 12
1000(142+9012)=1000220=7801000 - (142 + 90 - 12) = 1000 - 220 = 780個。
p4p5p6=7×11×13=1001p_4 p_5 p_6 = 7 \times 11 \times 13 = 1001と互いに素なMMの要素の個数は、1から1000までの自然数の中で、7の倍数でも11の倍数でも13の倍数でもないものの個数。
13の倍数の個数は100013=76\lfloor\frac{1000}{13}\rfloor = 76
7と11の倍数の個数は12(上記より)。
7と13の倍数の個数は100091=10\lfloor\frac{1000}{91}\rfloor = 10
11と13の倍数の個数は1000143=6\lfloor\frac{1000}{143}\rfloor = 6
7と11と13の倍数の個数は10001001=0\lfloor\frac{1000}{1001}\rfloor = 0
1000(142+90+7612106+0)=1000(30828)=1000280=7201000 - (142 + 90 + 76 - 12 - 10 - 6 + 0) = 1000 - (308 - 28) = 1000 - 280 = 720個。

3. 最終的な答え

(1) p4=7p_4 = 7, p6=13p_6 = 13
(2) m1=11m_1 = 11, m2=6m_2 = 6, m3=3m_3 = 3
(3) 7777個。最小のものは(x,y)=(6,5)(x,y) = (6, 5)。最大のものは(x,y)=(994,841)(x,y) = (994, 841)
(4) 780780個、720720個。

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