(1) 整数 $m$ に対して、$m^2$ を4で割った余りは0または1であることを示す。 (2) 自然数 $n, k$ が $25 \times 3^n = k^2 + 176$ を満たすとき、$n$ は偶数であることを示す。 (3) (2)の関係式を満たす自然数の組 $(n, k)$ をすべて求める。

数論整数の性質合同式二次不定方程式
2025/7/18

1. 問題の内容

(1) 整数 mm に対して、m2m^2 を4で割った余りは0または1であることを示す。
(2) 自然数 n,kn, k25×3n=k2+17625 \times 3^n = k^2 + 176 を満たすとき、nn は偶数であることを示す。
(3) (2)の関係式を満たす自然数の組 (n,k)(n, k) をすべて求める。

2. 解き方の手順

(1) 整数 mm を4で割った余りで分類する。
m=4qm = 4q のとき、m2=(4q)2=16q2=4(4q2)m^2 = (4q)^2 = 16q^2 = 4(4q^2) より、 m2m^2 を4で割った余りは0。
m=4q+1m = 4q + 1 のとき、m2=(4q+1)2=16q2+8q+1=4(4q2+2q)+1m^2 = (4q + 1)^2 = 16q^2 + 8q + 1 = 4(4q^2 + 2q) + 1 より、m2m^2 を4で割った余りは1。
m=4q+2m = 4q + 2 のとき、m2=(4q+2)2=16q2+16q+4=4(4q2+4q+1)m^2 = (4q + 2)^2 = 16q^2 + 16q + 4 = 4(4q^2 + 4q + 1) より、m2m^2 を4で割った余りは0。
m=4q+3m = 4q + 3 のとき、m2=(4q+3)2=16q2+24q+9=4(4q2+6q+2)+1m^2 = (4q + 3)^2 = 16q^2 + 24q + 9 = 4(4q^2 + 6q + 2) + 1 より、m2m^2 を4で割った余りは1。
よって、整数 mm に対して、m2m^2 を4で割った余りは0または1。
(2) 25×3n=k2+17625 \times 3^n = k^2 + 176 を変形すると、25×3nk2=17625 \times 3^n - k^2 = 176
この式を4で割った余りを考える。
k2k^2 を4で割った余りは0または1なので、k2-k^2 を4で割った余りは0または3。
176=4×44176 = 4 \times 44 より、176を4で割った余りは0。
したがって、25×3n25 \times 3^n を4で割った余りは0または3。
251(mod4)25 \equiv 1 \pmod{4} であるから、3n3^n を4で割った余りは0または3。
31(mod4)3 \equiv -1 \pmod{4} なので、3n(1)n(mod4)3^n \equiv (-1)^n \pmod{4}
nn が奇数のとき、3n13(mod4)3^n \equiv -1 \equiv 3 \pmod{4}
nn が偶数のとき、3n1(mod4)3^n \equiv 1 \pmod{4}
もし、nn が奇数ならば、3n3^n を4で割った余りは3であるから、25×3nk225 \times 3^n - k^2 を4で割った余りは 1×30=31\times 3 - 0 = 3 または 1×31=21 \times 3 - 1 = 2 となる。これは、25×3nk2=17625 \times 3^n - k^2 = 176 が4で割り切れることと矛盾する。
したがって、nn は偶数。
(3) nn は偶数であるから、n=2mn = 2mmm は自然数)とおける。
25×32m=k2+17625 \times 3^{2m} = k^2 + 176 より、
25×(3m)2k2=17625 \times (3^m)^2 - k^2 = 176
(5×3m)2k2=176(5 \times 3^m)^2 - k^2 = 176
(5×3mk)(5×3m+k)=176=24×11(5 \times 3^m - k)(5 \times 3^m + k) = 176 = 2^4 \times 11
5×3m+k>05 \times 3^m + k > 0 なので、5×3mk>05 \times 3^m - k > 0 である。
また、5×3m+k>5×3mk5 \times 3^m + k > 5 \times 3^m - k である。
さらに、5×3m+k5 \times 3^m + k5×3mk5 \times 3^m - k は偶奇が一致する。
176=24×11176 = 2^4 \times 11 なので、5×3m+k5 \times 3^m + k5×3mk5 \times 3^m - k はどちらも偶数。
176=2×88=4×44=8×22=16×11176 = 2 \times 88 = 4 \times 44 = 8 \times 22 = 16 \times 11
5×3m+k>5×3mk5 \times 3^m + k > 5 \times 3^m - k より、ありうる組み合わせは、
(i) 5×3mk=25 \times 3^m - k = 2, 5×3m+k=885 \times 3^m + k = 88
(ii) 5×3mk=45 \times 3^m - k = 4, 5×3m+k=445 \times 3^m + k = 44
(iii) 5×3mk=85 \times 3^m - k = 8, 5×3m+k=225 \times 3^m + k = 22
(i) のとき、10×3m=9010 \times 3^m = 90 より、3m=9=323^m = 9 = 3^2 なので、m=2m = 2。このとき、n=2m=4n = 2m = 4。また、k=885×9=8845=43k = 88 - 5 \times 9 = 88 - 45 = 43
(ii) のとき、10×3m=4810 \times 3^m = 48 より、3m=4.83^m = 4.8。これは整数にならないので不適。
(iii) のとき、10×3m=3010 \times 3^m = 30 より、3m=313^m = 3^1 なので、m=1m = 1。このとき、n=2m=2n = 2m = 2。また、k=225×3=2215=7k = 22 - 5 \times 3 = 22 - 15 = 7
よって、(n,k)=(2,7),(4,43)(n, k) = (2, 7), (4, 43).

3. 最終的な答え

(1) 整数 mm に対して、m2m^2 を4で割った余りは0または1である(証明終)。
(2) 自然数 n,kn, k25×3n=k2+17625 \times 3^n = k^2 + 176 を満たすとき、nn は偶数である(証明終)。
(3) (2)の関係式を満たす自然数の組 (n,k)(n, k)(2,7),(4,43)(2, 7), (4, 43).

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