複素数 $z$ に対し、複素数平面上の3点A(1), B($z$), C($z^2$) が鋭角三角形をなすような $z$ の範囲を求め、図示する。

幾何学複素数複素数平面三角形鋭角三角形不等式
2025/4/22

1. 問題の内容

複素数 zz に対し、複素数平面上の3点A(1), B(zz), C(z2z^2) が鋭角三角形をなすような zz の範囲を求め、図示する。

2. 解き方の手順

まず、三角形ABCが存在するための条件を考える。これは3点が同一直線上にないことである。つまり、z1z \neq 1 かつ z21z^2 \neq 1 かつ z2zz^2 \neq z である必要がある。
z1z \neq 1 かつ z1z \neq -1 かつ z0z \neq 0 かつ z1z \neq 1 であるから、結局、z0,1,1z \neq 0, 1, -1 である。
次に、三角形ABCが鋭角三角形である条件を考える。
3つの角がすべて鋭角であるためには、以下の3つの条件を満たす必要がある。
(1) BAC\angle BAC が鋭角である条件:
z1z21=z1(z1)(z+1)=1z+1\frac{z-1}{z^2-1} = \frac{z-1}{(z-1)(z+1)} = \frac{1}{z+1} より、Re(1z+1)>0Re(\frac{1}{z+1}) > 0 が必要である。
z=x+yiz=x+yi とおくと、1z+1=1(x+1)+yi=(x+1)yi(x+1)2+y2\frac{1}{z+1} = \frac{1}{(x+1)+yi} = \frac{(x+1)-yi}{(x+1)^2+y^2}
したがって、x+1(x+1)2+y2>0\frac{x+1}{(x+1)^2+y^2} > 0 より、x+1>0x+1 > 0 が必要である。(ただし、z1z \neq -1 より(x+1)2+y20(x+1)^2+y^2 \neq 0)。
つまり、x>1x > -1
(2) ABC\angle ABC が鋭角である条件:
z2z1z=z(z1)(z1)=z\frac{z^2-z}{1-z} = \frac{z(z-1)}{-(z-1)} = -z より、Re(z)>0Re(-z) > 0 が必要である。
つまり、x>0-x > 0 より、x<0x < 0 が必要である。
(3) ACB\angle ACB が鋭角である条件:
1z2zz2=(1z)(1+z)z(1z)=1+zz\frac{1-z^2}{z-z^2} = \frac{(1-z)(1+z)}{z(1-z)} = \frac{1+z}{z} より、Re(1+zz)>0Re(\frac{1+z}{z}) > 0 が必要である。
1+zz=1z+1=1x+yi+1=xyix2+y2+1=xx2+y2+1+yx2+y2i\frac{1+z}{z} = \frac{1}{z} + 1 = \frac{1}{x+yi} + 1 = \frac{x-yi}{x^2+y^2} + 1 = \frac{x}{x^2+y^2}+1 + \frac{-y}{x^2+y^2}i
したがって、xx2+y2+1>0\frac{x}{x^2+y^2}+1 > 0 より、x+x2+y2x2+y2>0\frac{x+x^2+y^2}{x^2+y^2} > 0 が必要である。
x2+y2>0x^2+y^2 > 0 より、x+x2+y2>0x+x^2+y^2 > 0 が必要である。
x2+x+y2>0x^2+x+y^2 > 0 より、(x+12)2+y2>(12)2(x+\frac{1}{2})^2 + y^2 > (\frac{1}{2})^2 が必要である。
以上の条件をまとめると、
z0,1,1z \neq 0, 1, -1 かつ x>1x > -1 かつ x<0x < 0 かつ (x+12)2+y2>(12)2(x+\frac{1}{2})^2 + y^2 > (\frac{1}{2})^2 である。
つまり、1<x<0-1 < x < 0 かつ (x+12)2+y2>(12)2(x+\frac{1}{2})^2 + y^2 > (\frac{1}{2})^2 である。
これを図示すると、
複素数平面上で、Re(z) = -1 と Re(z) = 0 の間の領域で、中心が 12-\frac{1}{2} で半径が 12\frac{1}{2} の円の内部を除く。
また、0, 1, -1 の点を除く。

3. 最終的な答え

1<Re(z)<0-1 < Re(z) < 0 かつ z+12>12|z + \frac{1}{2}| > \frac{1}{2}
ただし、z0,1,1z \neq 0, 1, -1
(図は省略。上記の説明を参照)

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