(1) $a, b$ を正の実数とし、$a<b$とする。このとき、$a^b=b^a$ ならば $1<a<e<b$ であることを証明する。 (2) $\sqrt[5]{7}$ と $\sqrt[7]{5}$ の大小を比較する。

1. 問題の内容

(1) $a, b$ を正の実数とし、$a<b$とする。このとき、$a^b=b^a$ ならば $1<a<e<b$ であることを証明する。

(2) $\sqrt[5]{7}$ と $\sqrt[7]{5}$ の大小を比較する。

2. 解き方の手順

(1)

$a<b$ であり、$a^b = b^a$ が成立している。

$a,b$ は正の実数なので、$a>0, b>0$である。

$a^b = b^a$ の両辺を $ab$ で割って $ab$ 乗根をとると、

$(a^b)^{1/ab} = (b^a)^{1/ab}$

$a^{1/a} = b^{1/b}$

関数 $f(x) = x^{1/x}$ を考える。

$f(x) = x^{1/x} = e^{\ln(x^{1/x})} = e^{\frac{\ln x}{x}}$

$f'(x) = e^{\frac{\ln x}{x}} \cdot \left(\frac{1-\ln x}{x^2}\right) = x^{1/x} \cdot \frac{1-\ln x}{x^2}$

$f'(x) = 0$ となるのは $1 - \ln x = 0$ のとき、つまり $\ln x = 1$ のとき。

$x = e$ のとき $f'(x) = 0$ となる。

$x < e$ のとき、$f'(x) > 0$ なので、$f(x)$ は増加関数である。

$x > e$ のとき、$f'(x) < 0$ なので、$f(x)$ は減少関数である。

よって、$x = e$ で $f(x)$ は極大値をとる。

今、$a < b$ で $f(a) = f(b)$ であるから、$a < e < b$ でなければならない。

$a > 1$ であることを示す。もし $0 < a \leq 1$ ならば、$f(a) \leq 1$ となる。すると $f(b) = f(a) \leq 1$ となるので、$b^{1/b} \leq 1$ となる。これは $b>1$ を仮定しているのと矛盾する。したがって、$a > 1$ でなければならない。よって、$1 < a < e < b$ が示された。

(2)

$\sqrt[5]{7}$ と $\sqrt[7]{5}$ の大小を比較する。

$A = \sqrt[5]{7} = 7^{1/5}$

$B = \sqrt[7]{5} = 5^{1/7}$

両辺を $35$ 乗すると、

$A^{35} = (7^{1/5})^{35} = 7^7$

$B^{35} = (5^{1/7})^{35} = 5^5$

$7^7 = 7^5 \cdot 7^2 = 7^5 \cdot 49$

$5^5 = 5^5$

$\frac{7^7}{5^5} = \frac{7^5 \cdot 49}{5^5} = (\frac{7}{5})^5 \cdot 49 = (1.4)^5 \cdot 49$

$(1.4)^2 = 1.96$

$(1.4)^3 = 1.96 \cdot 1.4 = 2.744$

$(1.4)^5 = (1.4)^2 \cdot (1.4)^3 = 1.96 \cdot 2.744 = 5.37824$

$A^{35} = 5.37824 \cdot 49 \approx 5.4 \cdot 50 = 270$

これは、$5^5 = 3125$ よりも小さい。

実際、$7^7 = 823543$ で、$5^5 = 3125$ なので、$7^7 > 5^5$ である。

したがって、$A^{35} > B^{35}$ なので、$A > B$ である。

すなわち $\sqrt[5]{7} > \sqrt[7]{5}$ である。

3. 最終的な答え

(1) $1<a<e<b$

(2) $\sqrt[5]{7} > \sqrt[7]{5}$