3次方程式 $x^3 - 3cx + 1 = 0$ (①) について以下の問題を解く。 (1) 方程式①がただ一つの実数解 $a$ をもつための $c$ に関する必要十分条件を、正の実数 $c_0$ を用いて $c < c_0$ と表す。また、$c < c_0$ のとき、実数解 $a$ の値の取りうる範囲を求める。 (2) $c < c_0$ のとき、方程式①の虚数解を $\alpha + \beta i, \alpha - \beta i$ (iは虚数単位, $\alpha, \beta$ は実数, $\beta \neq 0$) とする。虚数解の絶対値 $\sqrt{\alpha^2 + \beta^2}$ を実数解 $a$ で表し、$0 < c < c_0$ のとき、$\sqrt{\alpha^2 + \beta^2}$ の値の取りうる範囲を求める。
2025/4/25
1. 問題の内容
3次方程式 (①) について以下の問題を解く。
(1) 方程式①がただ一つの実数解 をもつための に関する必要十分条件を、正の実数 を用いて と表す。また、 のとき、実数解 の値の取りうる範囲を求める。
(2) のとき、方程式①の虚数解を (iは虚数単位, は実数, ) とする。虚数解の絶対値 を実数解 で表し、 のとき、 の値の取りうる範囲を求める。
2. 解き方の手順
(1)
を と変形する。
がただ一つの実数解を持つ条件を求める。
とおく。.
より .
で考える。 が増加すると は減少して、その後増加する。
であれば実数解は一つ。
したがって、.
のとき、 がただ一つの実数解を持つ。
の値の範囲を調べる。
なので、 のグラフの交点は一つのみ。
なら、交点は一つのみで、となる。
の場合、付近では であり、 であるため、 付近に解を持つことはない。
また、 が非常に大きな値を取ると、 が支配的となり、 となる。したがって、 はある程度限られた範囲に存在する。
とするとより.
のとき、.
したがって、のとき、実数解の取りうる範囲はとなる。
(2)
が解なので
. より.
は実数解とは異なる虚数解の実部なので、
.
より.
.
のとき、より、。
なのでは実数。
のとき、.
はないので、のとき、は負の実数なので、 ということはない。 矛盾。
のグラフより、
のときではない。
虚数解を持つとき、実数解は一つなので、 はあり得ない。
なので、は極小値で交わらない。
したがって、 のうち、 が負であることはない。
より、 のグラフより、.
のときに実数解は一つ存在する。
.
.
.
を求める。
3. 最終的な答え
(1)
(2)
のとき
とすると、
.
.
.
.
.