不等式 $ax^2 + y^2 + az^2 - xy - yz - zx \geq 0$ が任意の実数 $x, y, z$ に対して常に成り立つような定数 $a$ の値の範囲を求めよ。

代数学不等式二次関数判別式平方完成
2025/4/25

1. 問題の内容

不等式 ax2+y2+az2xyyzzx0ax^2 + y^2 + az^2 - xy - yz - zx \geq 0 が任意の実数 x,y,zx, y, z に対して常に成り立つような定数 aa の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

与えられた不等式を平方完成させることを目指します。まず、xx に関して整理すると、
ax2(y+z)x+(y2+az2yz)0ax^2 - (y+z)x + (y^2 + az^2 - yz) \geq 0
となります。
この式が任意の実数 xx に対して成り立つためには、ax2(y+z)x+(y2+az2yz)ax^2 - (y+z)x + (y^2 + az^2 - yz)xx の2次関数と見たとき、判別式 DDD0D \leq 0 であることが必要十分条件です。ただし、a>0a>0 のときです。a=0a=0のときは、y2xyyz0y^2-xy-yz \ge 0となり、y=1,x=2,z=2y=1, x=2, z=2のとき、122=3<01-2-2=-3<0となるので、a>0a>0でないといけない。
判別式 DD
D=(y+z)24a(y2+az2yz)D = (y+z)^2 - 4a(y^2 + az^2 - yz)
=y2+2yz+z24ay24a2z2+4ayz= y^2 + 2yz + z^2 - 4ay^2 - 4a^2z^2 + 4ayz
=(14a)y2+(2+4a)yz+(14a2)z2= (1-4a)y^2 + (2+4a)yz + (1-4a^2)z^2
D0D \leq 0 であるためには、E=D=(4a1)y2(4a+2)yz+(4a21)z20E= -D = (4a-1)y^2 - (4a+2)yz + (4a^2-1)z^2 \ge 0が成り立つ必要があります。
z=0z=0の時、E=(4a1)y20E=(4a-1)y^2 \ge 0から4a104a-1 \ge 0よりa14a \ge \frac{1}{4}が必要です。
z0z \neq 0のとき、t=yzt = \frac{y}{z}とおくと、
(4a1)t2(4a+2)t+(4a21)0(4a-1)t^2 - (4a+2)t + (4a^2-1) \geq 0
が任意の実数 tt に対して成り立つ必要があります。このための必要十分条件は、4a1>04a-1 > 0 かつ判別式 DD'D0D' \leq 0 となることです。
4a1>04a-1 > 0 より a>14a > \frac{1}{4}
D=(4a+2)24(4a1)(4a21)=16a2+16a+44(16a34a24a+1)=16a2+16a+464a3+16a2+16a4=64a3+32a2+32a=32a(2a2a1)=32a(2a+1)(a1)D' = (4a+2)^2 - 4(4a-1)(4a^2-1) = 16a^2 + 16a + 4 - 4(16a^3 - 4a^2 - 4a + 1) = 16a^2 + 16a + 4 - 64a^3 + 16a^2 + 16a - 4 = -64a^3 + 32a^2 + 32a = -32a(2a^2-a-1) = -32a(2a+1)(a-1)
D0D' \leq 0 より 32a(2a+1)(a1)0-32a(2a+1)(a-1) \leq 0
a(2a+1)(a1)0a(2a+1)(a-1) \geq 0
a>14a > \frac{1}{4} より a>0a > 0 であるため、(2a+1)(a1)0(2a+1)(a-1) \geq 0 を満たす必要があります。
2a+1>02a+1 > 0 より a>1a > 1 が必要。

3. 最終的な答え

a1a \geq 1

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