2つのチームGとHが6回試合をする。各試合でHが勝つ確率は$\frac{2}{3}$、Gが勝つ確率は$\frac{1}{3}$であり、引き分けはないものとする。 (1) 6回の試合終了後に、Hが合計3勝している確率を求めよ。 (2) GとHのそれぞれの勝ち数が、(はじめを除き) 6回後に初めて等しくなる確率を求めよ。 (3) 6回の各試合終了後に、HがGを1勝以上の差をつけてリードし続ける確率を求めよ。

確率論・統計学確率二項分布場合の数カタラン数
2025/4/25
## 解答

1. 問題の内容

2つのチームGとHが6回試合をする。各試合でHが勝つ確率は23\frac{2}{3}、Gが勝つ確率は13\frac{1}{3}であり、引き分けはないものとする。
(1) 6回の試合終了後に、Hが合計3勝している確率を求めよ。
(2) GとHのそれぞれの勝ち数が、(はじめを除き) 6回後に初めて等しくなる確率を求めよ。
(3) 6回の各試合終了後に、HがGを1勝以上の差をつけてリードし続ける確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 6回の試合でHが3勝する確率
これは二項分布の問題なので、二項分布の確率質量関数を利用する。
Hが3勝する確率は、
P(X=3)=(63)(23)3(13)3P(X=3) = \binom{6}{3} (\frac{2}{3})^3 (\frac{1}{3})^3
ここで、(63)=6!3!3!=6×5×43×2×1=20\binom{6}{3} = \frac{6!}{3!3!} = \frac{6 \times 5 \times 4}{3 \times 2 \times 1} = 20
したがって、
P(X=3)=20×(23)3×(13)3=20×827×127=160729P(X=3) = 20 \times (\frac{2}{3})^3 \times (\frac{1}{3})^3 = 20 \times \frac{8}{27} \times \frac{1}{27} = \frac{160}{729}
(2) 6回後に初めてGとHの勝ち数が等しくなる確率
6回後に勝ち数が等しくなるには、Hが3勝、Gが3勝する必要がある。しかし、初めて等しくなる必要があるため、1回目から5回目までは勝ち数が等しくなってはいけない。
全事象から勝ち数が並ぶ組み合わせを引いて考える。
1回目から5回目まででHがリードしている場合とGがリードしている場合を考える。
* Hが常にリードしている場合:Hが1勝以上リードする必要があるため、Hが4勝以上する必要がある。ありえない。
* Gが常にリードしている場合:Gが1勝以上リードする必要があるため、Gが4勝以上する必要がある。ありえない。
初めにHが勝つ場合、その後HがGに追いつかれるのは、Hがn回勝つまでにGもn回勝つ必要がある。
初めにGが勝つ場合も同様に考える。
場合の数を考えると複雑になるため、今回は別の解き方を採用する。
6回でHが3勝3敗となる場合の数を考え、その中で初めて3勝3敗となるような場合を考える。
全事象から、途中で勝ち数が並んでしまう場合を除外すれば良い。
Hの勝ち数を+1, Gの勝ち数を−1として、原点からスタートしてx軸上を移動する。
6回後に原点に戻ってくるが、途中で原点に触れない経路の数を数えれば良い。
これはカタラン数という数列に関連する問題である。しかし、カタラン数をそのまま適用するのは難しい。
今回は、地道に数え上げることにする。
初めにHが勝った場合、5回の試合でHが2勝、Gが3勝する必要がある。
初めにGが勝った場合、5回の試合でHが3勝、Gが2勝する必要がある。
漸化式で考える。
PnP_nをn回後に初めて勝ち数が並ぶ確率とする。
P0=0P_0 = 0
P2=23×13+13×23=49P_2 = \frac{2}{3} \times \frac{1}{3} + \frac{1}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{4}{9}
P4=(23)2(13)2×2+(13)2(23)2×2P_4 = (\frac{2}{3})^2 (\frac{1}{3})^2 \times 2 + (\frac{1}{3})^2 (\frac{2}{3})^2 \times 2
しかし、これも良い解法ではない。
6回後に初めて勝ち数が並ぶ確率を求める。
Hの勝ち数を+1, Gの勝ち数を−1として、経路を考える。
6回後に0に戻ってくるが、途中で0に触れない経路の数を数える。
全経路から0に触れる経路を引く。
全経路は、(63)=20\binom{6}{3} = 20通り。
反射の原理を用いる。
6回後に初めて勝ち数が並ぶ確率は、2×(23×13)32 \times (\frac{2}{3} \times \frac{1}{3}) ^3
2×8729=167292 \times \frac{8}{729} = \frac{16}{729}
(3) 6回の各試合終了後に、HがGを1勝以上の差をつけてリードし続ける確率
これは、Hが毎回Gより多く勝つ必要がある。
Hが毎回勝つ必要がある。
つまり、Hが6連勝する必要がある。
確率は (23)6=64729(\frac{2}{3})^6 = \frac{64}{729}

3. 最終的な答え

(1) 160729\frac{160}{729}
(2) 16729\frac{16}{729}
(3) 64729\frac{64}{729}

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