$A^2 = O$ (零行列) となるような2次正方行列 $A$ を求めよ。

代数学行列二次正方行列連立方程式線形代数
2025/4/26

1. 問題の内容

A2=OA^2 = O (零行列) となるような2次正方行列 AA を求めよ。

2. 解き方の手順

AA を2次正方行列とし、
A=(abcd)A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} とおく。
A2=(abcd)(abcd)=(a2+bcab+bdac+cdbc+d2)=(0000)A^2 = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a^2 + bc & ab + bd \\ ac + cd & bc + d^2 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}
したがって、以下の連立方程式を得る。
a2+bc=0a^2 + bc = 0
ab+bd=0ab + bd = 0 すなわち b(a+d)=0b(a+d) = 0
ac+cd=0ac + cd = 0 すなわち c(a+d)=0c(a+d) = 0
bc+d2=0bc + d^2 = 0
(1) a+d0a + d \ne 0 のとき、b=0b = 0 かつ c=0c = 0 なので、a2=0a^2 = 0 かつ d2=0d^2 = 0 より、a=0a = 0 かつ d=0d = 0 となる。これは、a+d=0a + d = 0 に矛盾する。
(2) a+d=0a + d = 0 のとき、d=ad = -a である。このとき、
a2+bc=0a^2 + bc = 0
bc+d2=bc+(a)2=bc+a2=0bc + d^2 = bc + (-a)^2 = bc + a^2 = 0
となるので、一つの式、a2+bc=0a^2 + bc = 0 を満たせばよい。すなわち、bc=a2bc = -a^2
したがって、
A=(abca)A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & -a \end{pmatrix} (ただし、a2+bc=0a^2 + bc = 0)
が求める行列である。特に、a=0a = 0 ならば bc=0bc = 0 なので、
A=(0b00)A = \begin{pmatrix} 0 & b \\ 0 & 0 \end{pmatrix}, A=(00c0)A = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ c & 0 \end{pmatrix}
または A=(0000)A = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}
となる。
例えば、
A=(0100)A = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} のとき、A2=(0000)A^2 = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}
A=(1111)A = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ -1 & -1 \end{pmatrix} のとき、A2=(0000)A^2 = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}

3. 最終的な答え

A=(abca)A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & -a \end{pmatrix}, ただし a2+bc=0a^2 + bc = 0

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