a を 0 以上の整数の定数とし、x の不等式 $|x-2\sqrt{3}| < \frac{2a+1}{10}$ について考える。 (i) $a=2$ のとき、上記の不等式を満たす整数 x を求めよ。 (ii) 上記の不等式を満たす奇数 x がちょうど 2 個である整数 a は全部で何個あるか求めよ。

代数学不等式絶対値整数解不等式の解法
2025/4/26

1. 問題の内容

a を 0 以上の整数の定数とし、x の不等式 x23<2a+110|x-2\sqrt{3}| < \frac{2a+1}{10} について考える。
(i) a=2a=2 のとき、上記の不等式を満たす整数 x を求めよ。
(ii) 上記の不等式を満たす奇数 x がちょうど 2 個である整数 a は全部で何個あるか求めよ。

2. 解き方の手順

(i) a=2a=2 のとき、不等式は x23<2(2)+110|x-2\sqrt{3}| < \frac{2(2)+1}{10} となる。つまり、x23<510=12|x-2\sqrt{3}| < \frac{5}{10} = \frac{1}{2} である。
これは 12<x23<12-\frac{1}{2} < x - 2\sqrt{3} < \frac{1}{2} と同値である。
したがって、2312<x<23+122\sqrt{3} - \frac{1}{2} < x < 2\sqrt{3} + \frac{1}{2} である。
232(1.732)=3.4642\sqrt{3} \approx 2(1.732) = 3.464 より、3.4640.5<x<3.464+0.53.464 - 0.5 < x < 3.464 + 0.5
2.964<x<3.9642.964 < x < 3.964 となる。
この範囲にある整数 x は 3 のみである。
(ii) 不等式 x23<2a+110|x-2\sqrt{3}| < \frac{2a+1}{10}2a+110<x23<2a+110-\frac{2a+1}{10} < x - 2\sqrt{3} < \frac{2a+1}{10} と同値である。
したがって、232a+110<x<23+2a+1102\sqrt{3} - \frac{2a+1}{10} < x < 2\sqrt{3} + \frac{2a+1}{10} である。
233.4642\sqrt{3} \approx 3.464 より、3.4642a+110<x<3.464+2a+1103.464 - \frac{2a+1}{10} < x < 3.464 + \frac{2a+1}{10} である。
この範囲に含まれる奇数がちょうど 2 個となる a を求める。
奇数が 1 と 3 の場合を考えると、
13.4642a+110<31 \le 3.464 - \frac{2a+1}{10} < 3 かつ 3<3.464+2a+11053 < 3.464 + \frac{2a+1}{10} \le 5 となる必要がある。
2.464<2a+110<0.464-2.464 < -\frac{2a+1}{10} < -0.464 より 0.464<2a+110<2.4640.464 < \frac{2a+1}{10} < 2.464, よって 4.64<2a+1<24.644.64 < 2a+1 < 24.64.
3.64<2a<23.643.64 < 2a < 23.64, よって 1.82<a<11.821.82 < a < 11.82.
3<3.464+2a+11053 < 3.464 + \frac{2a+1}{10} \le 5 より 0.464<2a+1101.536-0.464 < \frac{2a+1}{10} \le 1.536, よって 4.64<2a+115.36-4.64 < 2a+1 \le 15.36.
5.64<2a14.36-5.64 < 2a \le 14.36, よって 2.82<a7.18-2.82 < a \le 7.18.
整数 a は 2, 3, 4, 5, 6, 7。
整数 aa2a72 \le a \le 7 を満たす。このとき、奇数解が 1 と 3 であるならば、5 はこの区間に含まれてはいけない。
53.4642a+1105 \ge 3.464 - \frac{2a+1}{10} かつ 5<3.464+2a+1105 < 3.464 + \frac{2a+1}{10}.
1.5362a+1101.536 \ge -\frac{2a+1}{10}, 15.362a115.36 \ge -2a -1. 16.362a16.36 \ge -2a, a8.18a \ge -8.18.
1.536<2a+1101.536 < \frac{2a+1}{10}, 15.36<2a+115.36 < 2a + 1, 14.36<2a14.36 < 2a, 7.18<a7.18 < a.
a8a \ge 8 を考えると、区間は [3.4641710,3.464+1710]=[1.764,5.164][3.464 - \frac{17}{10}, 3.464 + \frac{17}{10}] = [1.764, 5.164].
この区間にある奇数は 3 と 5 の 2 つ. よって不適。
a=2a=2 のとき、(230.5,23+0.5)=(2.964,3.964)(2\sqrt{3} - 0.5, 2\sqrt{3} + 0.5)=(2.964, 3.964)。奇数は 3 のみで条件を満たさない。
a=3a=3 のとき、(230.7,23+0.7)=(2.764,4.164)(2\sqrt{3} - 0.7, 2\sqrt{3} + 0.7)=(2.764, 4.164)。奇数は 3 のみで条件を満たさない。
a=4a=4 のとき、(230.9,23+0.9)=(2.564,4.364)(2\sqrt{3} - 0.9, 2\sqrt{3} + 0.9)=(2.564, 4.364)。奇数は 3 のみで条件を満たさない。
a=5a=5 のとき、(231.1,23+1.1)=(2.364,4.564)(2\sqrt{3} - 1.1, 2\sqrt{3} + 1.1)=(2.364, 4.564)。奇数は 3 のみで条件を満たさない。
a=6a=6 のとき、(231.3,23+1.3)=(2.164,4.764)(2\sqrt{3} - 1.3, 2\sqrt{3} + 1.3)=(2.164, 4.764)。奇数は 3 のみで条件を満たさない。
a=7a=7 のとき、(231.5,23+1.5)=(1.964,4.964)(2\sqrt{3} - 1.5, 2\sqrt{3} + 1.5)=(1.964, 4.964)。奇数は 3 のみで条件を満たさない。
a=8a=8 のとき、(231.7,23+1.7)=(1.764,5.164)(2\sqrt{3} - 1.7, 2\sqrt{3} + 1.7)=(1.764, 5.164)。奇数は 3, 5 で条件を満たす。
a=9a=9 のとき、(231.9,23+1.9)=(1.564,5.364)(2\sqrt{3} - 1.9, 2\sqrt{3} + 1.9)=(1.564, 5.364)。奇数は 3, 5 で条件を満たす。
a=10a=10 のとき、(232.1,23+2.1)=(1.364,5.564)(2\sqrt{3} - 2.1, 2\sqrt{3} + 2.1)=(1.364, 5.564)。奇数は 3, 5 で条件を満たす。
a=11a=11 のとき、(232.3,23+2.3)=(1.164,5.764)(2\sqrt{3} - 2.3, 2\sqrt{3} + 2.3)=(1.164, 5.764)。奇数は 3, 5 で条件を満たす。
したがって、条件を満たす整数 a は 8, 9, 10, 11 の 4 個である。

3. 最終的な答え

(i) 1
(ii) 4

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