自然数全体の集合 $\mathbb{N}$ の部分集合 $C_1$ と $C_2$ をそれぞれ $C_1 = \{n \in \mathbb{N} \mid n \text{ は } 2 \text{ の倍数} \}$、 $C_2 = \{n \in \mathbb{N} \mid n \text{ は } 3 \text{ の倍数} \}$ と定める。このとき、$f(C_1) \cap f(C_2) \subset f(C_1 \cap C_2)$ が成り立つかどうか判定する。ただし、$f$ は何らかの写像を表す。

離散数学集合写像包含関係
2025/4/28

1. 問題の内容

自然数全体の集合 N\mathbb{N} の部分集合 C1C_1C2C_2 をそれぞれ C1={nNn は 2 の倍数}C_1 = \{n \in \mathbb{N} \mid n \text{ は } 2 \text{ の倍数} \}C2={nNn は 3 の倍数}C_2 = \{n \in \mathbb{N} \mid n \text{ は } 3 \text{ の倍数} \} と定める。このとき、f(C1)f(C2)f(C1C2)f(C_1) \cap f(C_2) \subset f(C_1 \cap C_2) が成り立つかどうか判定する。ただし、ff は何らかの写像を表す。

2. 解き方の手順

まず、C1C2C_1 \cap C_2 を求める。C1C_1 は2の倍数の集合、C2C_2 は3の倍数の集合なので、C1C2C_1 \cap C_2 は2の倍数かつ3の倍数、つまり6の倍数の集合である。
C1C2={nNn は 6 の倍数}C_1 \cap C_2 = \{n \in \mathbb{N} \mid n \text{ は } 6 \text{ の倍数} \}
次に、f(C1)f(C2)f(C1C2)f(C_1) \cap f(C_2) \subset f(C_1 \cap C_2) が成り立つかどうかを考える。
一般に、f(AB)f(A)f(B)f(A \cap B) \subset f(A) \cap f(B) は成り立つが、f(A)f(B)f(AB)f(A) \cap f(B) \subset f(A \cap B) が常に成り立つとは限らない。
yf(C1)f(C2)y \in f(C_1) \cap f(C_2) と仮定する。このとき、yf(C1)y \in f(C_1) かつ yf(C2)y \in f(C_2) である。
したがって、ある n1C1n_1 \in C_1 が存在して f(n1)=yf(n_1) = y であり、ある n2C2n_2 \in C_2 が存在して f(n2)=yf(n_2) = y である。
n1n_1 は2の倍数であり、n2n_2 は3の倍数である。
yf(C1C2)y \in f(C_1 \cap C_2) であるためには、ある nC1C2n \in C_1 \cap C_2 が存在して f(n)=yf(n) = y である必要がある。すなわち、nn は6の倍数である必要がある。
もし写像 ff が単射であれば、f(n1)=f(n2)=yf(n_1) = f(n_2) = y より n1=n2n_1 = n_2 である。このとき、n1=n2n_1 = n_2 は2の倍数かつ3の倍数なので、6の倍数である。したがって、yf(C1C2)y \in f(C_1 \cap C_2) となり、f(C1)f(C2)f(C1C2)f(C_1) \cap f(C_2) \subset f(C_1 \cap C_2) が成り立つ。
しかし、ff が単射でない場合は、n1n2n_1 \neq n_2 であっても f(n1)=f(n2)=yf(n_1) = f(n_2) = y となる場合がある。この場合、常に yf(C1C2)y \in f(C_1 \cap C_2) となるとは限らない。
例えば、f(n)=1f(n) = 1 となる定数関数を考える。このとき、f(C1)={1}f(C_1) = \{1\}f(C2)={1}f(C_2) = \{1\} なので、f(C1)f(C2)={1}f(C_1) \cap f(C_2) = \{1\} である。
一方、C1C2C_1 \cap C_2 は6の倍数の集合であり、f(C1C2)={1}f(C_1 \cap C_2) = \{1\} である。
この場合は、f(C1)f(C2)f(C1C2)f(C_1) \cap f(C_2) \subset f(C_1 \cap C_2) が成り立つ。
f(C1)f(C2)f(C1C2)f(C_1) \cap f(C_2) \subset f(C_1 \cap C_2) は一般には成り立たないが、成り立つ場合もあるので、問題文だけでは判断できない。問題文にはffに関する情報が足りないので、成り立たない例を挙げることは難しい。
しかし、f(AB)f(A)f(B)f(A \cap B) \subset f(A) \cap f(B)は常に成り立つので、f(C1C2)f(C1)f(C2)f(C_1 \cap C_2) \subset f(C_1) \cap f(C_2)は成り立つ。
したがって、f(C1)f(C2)f(C1C2)f(C_1) \cap f(C_2) \subset f(C_1 \cap C_2) が成り立つ場合とそうでない場合があるため、問題文からは一意に判断できない。
しかし、問題文は「成り立つかどうか判定し、成り立つ場合は〇を、そうでない場合は×を選択せよ」とあるので、反例が存在すれば×を選ぶべきである。一般にf(C1)f(C2)f(C1C2)f(C_1) \cap f(C_2) \subset f(C_1 \cap C_2)は成り立たないので、×を選択する。

3. 最終的な答え

×

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