## 問題の解説

幾何学正方形等比数列面積級数
2025/4/29
## 問題の解説
1辺の長さが1の正方形 S1S_1 があり、それに内接する円を C1C_1 とします。C1C_1 に内接する正方形を S2S_2 とし、S2S_2 に内接する円を C2C_2 とします。以下同様に、自然数 nn に対して、正方形 SnS_n と円 CnC_n を定義します。このとき、次の問いに答えます。
(1) SnS_n の一辺の長さを lnl_n とするとき、CnC_n の半径を lnl_n で表せ。
(2) 数列 {ln}\{l_n\} の一般項を求めよ。
(3) SnS_n の内部から CnC_n の内部を除いた部分の面積を ana_n とするとき、n=1an\sum_{n=1}^{\infty} a_n を求めよ。
## 解き方の手順
(1) SnS_n の一辺の長さを lnl_n とすると、SnS_n に内接する円 CnC_n の半径は、正方形の一辺の半分の長さになるので、
CnC_n の半径 =ln2= \frac{l_n}{2}
(2) 正方形 Sn+1S_{n+1} は円 CnC_n に内接するので、Sn+1S_{n+1} の対角線の長さは CnC_n の直径に等しくなります。したがって、Sn+1S_{n+1} の一辺の長さ ln+1l_{n+1}CnC_n の半径 ln2\frac{l_n}{2} の間には次の関係が成り立ちます。
2ln+1=2ln2=ln\sqrt{2} l_{n+1} = 2 \cdot \frac{l_n}{2} = l_n
よって、
ln+1=12lnl_{n+1} = \frac{1}{\sqrt{2}} l_n
これは、数列 {ln}\{l_n\} が公比 12\frac{1}{\sqrt{2}} の等比数列であることを示しています。初項は l1=1l_1 = 1 なので、一般項は次のようになります。
ln=(12)n1=(22)n1l_n = \left( \frac{1}{\sqrt{2}} \right)^{n-1} = \left( \frac{\sqrt{2}}{2} \right)^{n-1}
(3) SnS_n の面積は ln2l_n^2 であり、CnC_n の面積は π(ln2)2\pi (\frac{l_n}{2})^2 なので、ana_n は次のようになります。
an=ln2π(ln2)2=ln2π4ln2=(1π4)ln2a_n = l_n^2 - \pi \left( \frac{l_n}{2} \right)^2 = l_n^2 - \frac{\pi}{4} l_n^2 = \left( 1 - \frac{\pi}{4} \right) l_n^2
ln=(12)n1l_n = \left( \frac{1}{\sqrt{2}} \right)^{n-1} を代入すると、
an=(1π4)(12)2(n1)=(1π4)(12)n1a_n = \left( 1 - \frac{\pi}{4} \right) \left( \frac{1}{\sqrt{2}} \right)^{2(n-1)} = \left( 1 - \frac{\pi}{4} \right) \left( \frac{1}{2} \right)^{n-1}
したがって、n=1an\sum_{n=1}^{\infty} a_n は初項 1π41 - \frac{\pi}{4}、公比 12\frac{1}{2} の等比数列の和になります。
n=1an=1π4112=2(1π4)=2π2\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \frac{1 - \frac{\pi}{4}}{1 - \frac{1}{2}} = 2 \left( 1 - \frac{\pi}{4} \right) = 2 - \frac{\pi}{2}
## 最終的な答え
(1) CnC_n の半径 =ln2= \frac{l_n}{2}
(2) ln=(22)n1l_n = \left( \frac{\sqrt{2}}{2} \right)^{n-1}
(3) n=1an=2π2\sum_{n=1}^{\infty} a_n = 2 - \frac{\pi}{2}

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