内積空間 $V$ の部分空間 $W$ に対して、$W^\perp = \{u \in V \mid (u, v) = 0 \text{ for all } v \in W\}$ と定義する。このとき、$W^\perp$ が $V$ の部分空間であることを示せ。

1. 問題の内容

内積空間 $V$ の部分空間 $W$ に対して、$W^\perp = \{u \in V \mid (u, v) = 0 \text{ for all } v \in W\}$ と定義する。このとき、$W^\perp$ が $V$ の部分空間であることを示せ。

2. 解き方の手順

$W^\perp$ が $V$ の部分空間であることを示すには、以下の3つの条件を満たすことを示す必要があります。

(1) $0 \in W^\perp$ （ゼロベクトルが $W^\perp$ に属する）

(2) $u, u' \in W^\perp \Rightarrow u + u' \in W^\perp$ （$W^\perp$ が和に関して閉じている）

(3) $u \in W^\perp, c \in \mathbb{R} \Rightarrow c u \in W^\perp$ （$W^\perp$ がスカラー倍に関して閉じている）

(1) $0 \in W^\perp$ を示す：

任意の $v \in W$ に対して、$(0, v) = 0$ が成り立つ。したがって、$0 \in W^\perp$ である。

(2) $u, u' \in W^\perp \Rightarrow u + u' \in W^\perp$ を示す：

$u, u' \in W^\perp$ であるとき、任意の $v \in W$ に対して、$(u, v) = 0$ かつ $(u', v) = 0$ が成り立つ。

内積の線形性より、

$$(u + u', v) = (u, v) + (u', v) = 0 + 0 = 0$$

したがって、$u + u' \in W^\perp$ である。

(3) $u \in W^\perp, c \in \mathbb{R} \Rightarrow c u \in W^\perp$ を示す：

$u \in W^\perp$ であるとき、任意の $v \in W$ に対して、$(u, v) = 0$ が成り立つ。

内積のスカラー倍の性質より、

$$(c u, v) = c (u, v) = c \cdot 0 = 0$$

したがって、$c u \in W^\perp$ である。

以上の(1), (2), (3)より、$W^\perp$ は $V$ の部分空間である。

3. 最終的な答え

$W^\perp$ は $V$ の部分空間である。