$f(x) = x^2 - 2ax + 4a^2$ という関数で表される放物線Cがある。原点OからCに引いた接線の接点をQ(q, f(q))とする。また、Cの頂点をAとし、直線OAとCの交点のうちAと異なる点をP(p, f(p))とする。 (1) p, q を a を用いて表し、p > q であることを示す。 (2) 放物線Cのq≦x≦pの部分、線分OP、および線分OQで囲まれた図形の面積をSとおく。Sをaを用いて表す。 (3) S = 2/3 となるときの a の値を求める。

解析学放物線接線面積積分
2025/4/30

1. 問題の内容

f(x)=x22ax+4a2f(x) = x^2 - 2ax + 4a^2 という関数で表される放物線Cがある。原点OからCに引いた接線の接点をQ(q, f(q))とする。また、Cの頂点をAとし、直線OAとCの交点のうちAと異なる点をP(p, f(p))とする。
(1) p, q を a を用いて表し、p > q であることを示す。
(2) 放物線Cのq≦x≦pの部分、線分OP、および線分OQで囲まれた図形の面積をSとおく。Sをaを用いて表す。
(3) S = 2/3 となるときの a の値を求める。

2. 解き方の手順

(1)
まず、放物線Cの式を平方完成する。
f(x)=(xa)2+3a2f(x) = (x - a)^2 + 3a^2
したがって、頂点Aの座標は (a,3a2)(a, 3a^2)となる。
次に、直線OAの方程式を求める。
直線OAは原点を通るので、傾きのみを求めればよい。
傾きは 3a20a0=3a\frac{3a^2 - 0}{a - 0} = 3a なので、直線OAの方程式は y=3axy = 3ax となる。
Pは直線OAと放物線Cの交点なので、
x22ax+4a2=3axx^2 - 2ax + 4a^2 = 3ax
x25ax+4a2=0x^2 - 5ax + 4a^2 = 0
(xa)(x4a)=0(x - a)(x - 4a) = 0
x=a,4ax = a, 4a
Aのx座標はaaなので、Pのx座標は4a4a。よって、p=4ap = 4a
次に、原点Oから放物線Cに引いた接線を考える。接点Qの座標を(q,f(q))(q, f(q))とすると、接線の方程式は
yf(q)=f(q)(xq)y - f(q) = f'(q)(x - q)
f(x)=2x2af'(x) = 2x - 2a なので、
y(q22aq+4a2)=(2q2a)(xq)y - (q^2 - 2aq + 4a^2) = (2q - 2a)(x - q)
この直線が原点を通るので、
0(q22aq+4a2)=(2q2a)(0q)0 - (q^2 - 2aq + 4a^2) = (2q - 2a)(0 - q)
q2+2aq4a2=2q2+2aq-q^2 + 2aq - 4a^2 = -2q^2 + 2aq
q24a2=0q^2 - 4a^2 = 0
(q2a)(q+2a)=0(q - 2a)(q + 2a) = 0
q=2a,2aq = 2a, -2a
q>0q > 0 なので、q=2aq = 2a
p=4ap = 4a, q=2aq = 2a より、p>qp > q
(2)
Sは、放物線Cのq≦x≦pの部分、線分OP、および線分OQで囲まれた図形の面積なので、
S=124af(2a)2af(4a)2a4a(x22ax+4a2)dxS = \frac{1}{2} |4a \cdot f(2a) - 2a \cdot f(4a)| - \int_{2a}^{4a} (x^2 - 2ax + 4a^2) dx
f(2a)=(2a)22a(2a)+4a2=4a2f(2a) = (2a)^2 - 2a(2a) + 4a^2 = 4a^2
f(4a)=(4a)22a(4a)+4a2=12a2f(4a) = (4a)^2 - 2a(4a) + 4a^2 = 12a^2
124a4a22a12a2=1216a324a3=128a3=4a3\frac{1}{2} |4a \cdot 4a^2 - 2a \cdot 12a^2| = \frac{1}{2} |16a^3 - 24a^3| = \frac{1}{2} |-8a^3| = 4a^3
2a4a(x22ax+4a2)dx=[13x3ax2+4a2x]2a4a=(643a316a3+16a3)(83a34a3+8a3)=643a383a316a3+4a3+16a38a3=563a34a3=443a3\int_{2a}^{4a} (x^2 - 2ax + 4a^2) dx = [\frac{1}{3}x^3 - ax^2 + 4a^2x]_{2a}^{4a} = (\frac{64}{3}a^3 - 16a^3 + 16a^3) - (\frac{8}{3}a^3 - 4a^3 + 8a^3) = \frac{64}{3}a^3 - \frac{8}{3}a^3 - 16a^3 + 4a^3 + 16a^3 - 8a^3 = \frac{56}{3}a^3 - 4a^3 = \frac{44}{3}a^3
したがって、S=4a3443a3=323a3S = 4a^3 - \frac{44}{3}a^3 = -\frac{32}{3}a^3
面積なので正の値をとるからS=2a4a3ax(x22ax+4a2)dx=2a4ax2+5ax4a2dx122a4a24a12a2=43a3S = \int_{2a}^{4a} 3ax - (x^2 - 2ax + 4a^2)dx = \int_{2a}^{4a} -x^2 + 5ax - 4a^2 dx - \frac{1}{2} \begin{vmatrix} 2a & 4a^2 \\ 4a & 12a^2 \end{vmatrix} = \frac{4}{3} a^3
=[x33+5ax224a2x]2a4a=(64a33+40a316a3)(8a33+10a38a3)=43a3= [-\frac{x^3}{3} + \frac{5ax^2}{2} - 4a^2 x ]_{2a}^{4a} = (-\frac{64 a^3}{3} + 40 a^3 - 16 a^3) - (-\frac{8 a^3}{3} + 10 a^3 - 8 a^3) = \frac{4}{3}a^3
S=43a3S = \frac{4}{3}a^3
(3)
43a3=23\frac{4}{3}a^3 = \frac{2}{3}
4a3=24a^3 = 2
a3=12a^3 = \frac{1}{2}
a=123a = \sqrt[3]{\frac{1}{2}}

3. 最終的な答え

(1) p=4ap = 4a, q=2aq = 2a, p>qp > q
(2) S=43a3S = \frac{4}{3}a^3
(3) a=123a = \sqrt[3]{\frac{1}{2}}

「解析学」の関連問題

問題は以下の3つの大問から構成されています。 (1) 与えられた範囲における関数の最大値と最小値を求める問題が2問。 (2) 与えられた方程式の実数解の個数を求める問題が2問。 (3) 半径$R$の球...

関数の最大・最小実数解の個数微分直円柱の体積三平方の定理
2025/6/3

与えられた級数の収束半径を求め、収束する場合、その和を求める問題です。 1. $1 + 3x + 9x^2 + 27x^3 + \dots + 3^n x^n + \dots$ 2....

級数収束半径マクローリン級数等比級数比判定法積分
2025/6/3

与えられた5つの極限を計算します。 (1) $\lim_{x \to +0} x^x$ (2) $\lim_{x \to \infty} x^{\frac{1}{x}}$ (3) $\lim_{x \...

極限ロピタルの定理指数関数対数関数
2025/6/3

曲線 $y = x^3 - 4x$ の接線で、点 $(1, -3)$ を通るものをすべて求める。

微分接線微分法曲線
2025/6/3

与えられた関数を微分する問題です。 (3) $y = 3 - x$ (4) $y = 3x^4 + 4x + 1$ (5) $y = (x^2 - 1)(2x^2 + 1)$

微分導関数関数の微分
2025/6/3

(1) 極限値 $\lim_{x \to -3} \frac{x^2 - 9}{x + 3}$ を求める。 (2) 微分の定義式に従って、関数 $f(x) = 2x^2 - x$ の導関数 $f'(x...

極限微分導関数
2025/6/3

問題は、以下の2つの不定積分を計算することです。 (1) $\int x\sqrt{x+1} dx$ (2) $\int \frac{2x+1}{\sqrt{x-1}} dx$

不定積分置換積分積分計算
2025/6/3

$\int \frac{1}{\cos^2(3x)} dx$ を計算する問題です。

積分三角関数置換積分
2025/6/3

画像に書かれている3つの積分問題を解きます。 (6) $\int \frac{5}{3x+1} dx$ (7) $\int \sin(4x-3) dx$ (8) $\int \frac{1}{\cos...

積分置換積分三角関数対数関数
2025/6/3

与えられた積分問題を解きます。具体的には、以下の5つの積分を計算します。 (4) $\int \frac{dx}{(x+1)^3}$ (5) $\int \sqrt[3]{4x+5} \, dx$ (...

積分置換積分不定積分
2025/6/3