実数 $a, b$ を用いて定義される3次関数 $f(x) = x^3 + 3ax^2 + 3bx$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $f(x)$ が極大値と極小値を持つための $a, b$ の条件を求める。 (2) (1)の条件が成り立つとき、$f(x)$ の極大値の絶対値と極小値の絶対値が等しくなるための $a, b$ の条件を求める。 (3) (1)と(2)の条件を同時に満たす実数の組 $(a, b)$ の集合を $ab$ 平面上に図示する。

解析学三次関数極大値極小値微分判別式グラフ
2025/4/30

1. 問題の内容

実数 a,ba, b を用いて定義される3次関数 f(x)=x3+3ax2+3bxf(x) = x^3 + 3ax^2 + 3bx について、以下の問いに答える問題です。
(1) f(x)f(x) が極大値と極小値を持つための a,ba, b の条件を求める。
(2) (1)の条件が成り立つとき、f(x)f(x) の極大値の絶対値と極小値の絶対値が等しくなるための a,ba, b の条件を求める。
(3) (1)と(2)の条件を同時に満たす実数の組 (a,b)(a, b) の集合を abab 平面上に図示する。

2. 解き方の手順

(1) f(x)f(x) が極大値と極小値を持つための条件を求める。
f(x)=3x2+6ax+3bf'(x) = 3x^2 + 6ax + 3b
f(x)f(x) が極大値と極小値を持つためには、f(x)=0f'(x) = 0 が異なる2つの実数解を持つ必要がある。
したがって、f(x)=0f'(x) = 0 の判別式 D>0D > 0 となる必要がある。
D=(6a)24(3)(3b)=36a236b>0D = (6a)^2 - 4(3)(3b) = 36a^2 - 36b > 0
a2b>0a^2 - b > 0
b<a2b < a^2
(2) (1)の条件 b<a2b < a^2 が成り立つとき、f(x)f(x) の極大値の絶対値と極小値の絶対値が等しくなるための a,ba, b の条件を求める。
f(x)=3x2+6ax+3b=0f'(x) = 3x^2 + 6ax + 3b = 0 の解を α,β\alpha, \beta (α<β)(\alpha < \beta) とすると、
x=αx = \alpha で極大、x=βx = \beta で極小となる。
f(x)f(x) の極大値の絶対値と極小値の絶対値が等しいとき、f(α)=f(β)f(\alpha) = -f(\beta) となる。
このとき、f(α)+f(β)=0f(\alpha) + f(\beta) = 0
f(α)+f(β)=α3+3aα2+3bα+β3+3aβ2+3bβ=0f(\alpha) + f(\beta) = \alpha^3 + 3a\alpha^2 + 3b\alpha + \beta^3 + 3a\beta^2 + 3b\beta = 0
(α3+β3)+3a(α2+β2)+3b(α+β)=0(\alpha^3 + \beta^3) + 3a(\alpha^2 + \beta^2) + 3b(\alpha + \beta) = 0
(α+β)33αβ(α+β)+3a{(α+β)22αβ}+3b(α+β)=0(\alpha + \beta)^3 - 3\alpha\beta(\alpha + \beta) + 3a\{(\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta\} + 3b(\alpha + \beta) = 0
解と係数の関係より、α+β=2a,αβ=b\alpha + \beta = -2a, \alpha\beta = b
(2a)33b(2a)+3a{(2a)22b}+3b(2a)=0(-2a)^3 - 3b(-2a) + 3a\{(-2a)^2 - 2b\} + 3b(-2a) = 0
8a3+6ab+3a(4a22b)6ab=0-8a^3 + 6ab + 3a(4a^2 - 2b) - 6ab = 0
8a3+12a36ab=0-8a^3 + 12a^3 - 6ab = 0
4a3=04a^3 = 0 または 4a36ab=04a^3 - 6ab = 0
4a36ab=2a(2a23b)=04a^3 - 6ab = 2a(2a^2 - 3b) = 0
a=0a = 0 または 2a2=3b2a^2 = 3b
b=23a2b = \frac{2}{3}a^2
(3) (1)と(2)の条件を同時に満たす実数の組 (a,b)(a, b) の集合を abab 平面上に図示する。
(1) b<a2b < a^2
(2) a=0a = 0 または b=23a2b = \frac{2}{3}a^2
a=0a = 0 のとき、b<0b < 0
b=23a2b = \frac{2}{3}a^2 のとき、23a2<a2 \frac{2}{3}a^2 < a^2 は常に成立。
したがって、求める領域は、a=0a = 0 かつ b<0b < 0 または b=23a2b = \frac{2}{3}a^2 となる。

3. 最終的な答え

(1) b<a2b < a^2
(2) a=0a = 0 または b=23a2b = \frac{2}{3}a^2
(3) a=0a=0 かつ b<0b<0、または b=23a2b = \frac{2}{3}a^2

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