10本のくじの中に当たりくじが3本含まれている。AとBが順番に1本ずつくじを引き、引いたくじは元に戻さない。Aが引いた当たりくじの本数をX、Bが引いた当たりくじの本数をYとするとき、X+Yの分散を求めよ。

確率論・統計学確率分散期待値ベルヌーイ分布超幾何分布
2025/5/6

1. 問題の内容

10本のくじの中に当たりくじが3本含まれている。AとBが順番に1本ずつくじを引き、引いたくじは元に戻さない。Aが引いた当たりくじの本数をX、Bが引いた当たりくじの本数をYとするとき、X+Yの分散を求めよ。

2. 解き方の手順

XとYはそれぞれベルヌーイ分布に従う確率変数であり、X+Yは超幾何分布に従う。
まず、XとYの期待値と分散を計算する。
次に、XとYの共分散を計算する。
最後に、X+Yの分散を計算する。
(1) Xの期待値と分散
Xはベルヌーイ分布に従い、当たりを引く確率は p=310p = \frac{3}{10} である。
したがって、Xの期待値 E[X]E[X] と分散 V[X]V[X] は次のようになる。
E[X]=p=310E[X] = p = \frac{3}{10}
V[X]=p(1p)=310710=21100V[X] = p(1-p) = \frac{3}{10} \cdot \frac{7}{10} = \frac{21}{100}
(2) Yの期待値と分散
Yもベルヌーイ分布に従い、Bが当たりを引く確率は、Aが当たりを引いたかどうかで変わるが、期待値としては同じ 310\frac{3}{10} となる。
したがって、Yの期待値 E[Y]E[Y] は次のようになる。
E[Y]=310E[Y] = \frac{3}{10}
Yの分散 V[Y]V[Y] を計算するには、条件付き確率を用いて考える。
P(Y=1)=P(Y=1X=0)P(X=0)+P(Y=1X=1)P(X=1)=39710+29310=21+690=2790=310P(Y=1) = P(Y=1|X=0)P(X=0) + P(Y=1|X=1)P(X=1) = \frac{3}{9}\cdot\frac{7}{10} + \frac{2}{9}\cdot\frac{3}{10} = \frac{21+6}{90} = \frac{27}{90} = \frac{3}{10}
P(Y=0)=1310=710P(Y=0) = 1-\frac{3}{10} = \frac{7}{10}
V[Y]=E[Y2]E[Y]2=E[Y]E[Y]2=310(310)2=310710=21100V[Y] = E[Y^2] - E[Y]^2 = E[Y] - E[Y]^2 = \frac{3}{10} - (\frac{3}{10})^2 = \frac{3}{10} \cdot \frac{7}{10} = \frac{21}{100}
(3) XとYの共分散
XとYの共分散 Cov(X,Y)Cov(X,Y) は次のように計算できる。
Cov(X,Y)=E[XY]E[X]E[Y]Cov(X,Y) = E[XY] - E[X]E[Y]
E[XY]=P(X=1,Y=1)=P(Y=1X=1)P(X=1)=29310=690=115E[XY] = P(X=1, Y=1) = P(Y=1|X=1)P(X=1) = \frac{2}{9} \cdot \frac{3}{10} = \frac{6}{90} = \frac{1}{15}
Cov(X,Y)=115310310=1159100=2027300=7300Cov(X,Y) = \frac{1}{15} - \frac{3}{10} \cdot \frac{3}{10} = \frac{1}{15} - \frac{9}{100} = \frac{20 - 27}{300} = -\frac{7}{300}
(4) X+Yの分散
X+Yの分散 V[X+Y]V[X+Y] は次のように計算できる。
V[X+Y]=V[X]+V[Y]+2Cov(X,Y)V[X+Y] = V[X] + V[Y] + 2Cov(X,Y)
V[X+Y]=21100+21100+2(7300)=4210014300=12614300=112300=2875V[X+Y] = \frac{21}{100} + \frac{21}{100} + 2(-\frac{7}{300}) = \frac{42}{100} - \frac{14}{300} = \frac{126 - 14}{300} = \frac{112}{300} = \frac{28}{75}

3. 最終的な答え

X+Yの分散は 2875\frac{28}{75} である。

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