$n$ を2以上の自然数とする。サイコロを $n$ 回振り、出た目の最大値を $M$、最小値を $L$ とし、$M-L = X$ とする。 (1) $X=1$ である確率を求めよ。 (2) $X=5$ である確率を求めよ。

1. 問題の内容

$n$ を2以上の自然数とする。サイコロを $n$ 回振り、出た目の最大値を $M$、最小値を $L$ とし、$M-L = X$ とする。

(1) $X=1$ である確率を求めよ。

(2) $X=5$ である確率を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $X=1$ となるのは、$M-L=1$ のときである。つまり、最大値と最小値の差が1の場合を考える。

$L=k$ とすると、$M=k+1$ となる。ここで、$k$ は $1 \leq k \leq 5$ の整数である。

$n$ 回の試行で、出た目の値が $k$ または $k+1$ である必要がある。つまり、全ての出目が $k$ 以上 $k+1$ 以下でなければならない。

そのような出方は $2^n$ 通りある。ただし、全て $k$ である場合と全て $k+1$ である場合を除く必要があるため、$2^n - 2$ 通りである。

$k$ は $1, 2, 3, 4, 5$ の5通りあるため、全体で $5(2^n - 2)$ 通りである。

よって、求める確率は $\frac{5(2^n - 2)}{6^n}$ である。

(2) $X=5$ となるのは、$M-L=5$ のときである。このとき、$L=1$ ならば $M=6$ である。

$n$ 回の試行で、少なくとも1回は1が出て、少なくとも1回は6が出る必要がある。

全体の出方は $6^n$ 通りである。

6が一度も出ない出方は $5^n$ 通りである。

1が一度も出ない出方も $5^n$ 通りである。

1も6も一度も出ない出方は $4^n$ 通りである。

1または6の少なくともどちらかが出る出方は、$6^n - 4^n$ 通りである。

したがって、$X=5$となる出方は、

（全体の出方）－（6が出ない）－（1が出ない）＋（1も6も出ない）

$= 6^n - 5^n - 5^n + 4^n$

$= 6^n - 2 \cdot 5^n + 4^n$ 通りである。

よって、求める確率は $\frac{6^n - 2 \cdot 5^n + 4^n}{6^n} = 1 - 2 (\frac{5}{6})^n + (\frac{2}{3})^n$ である。

3. 最終的な答え

(1) $X=1$ である確率: $\frac{5(2^n - 2)}{6^n}$

(2) $X=5$ である確率: $\frac{6^n - 2 \cdot 5^n + 4^n}{6^n} = 1 - 2 (\frac{5}{6})^n + (\frac{2}{3})^n$