定義域 $0 \leq x \leq 2$ を持つ関数 $f(x)$ が与えられています。 $f(x) = \begin{cases} 0 & (0 \leq x \leq \frac{1}{2}) \\ 2x^2 - \frac{1}{2} & (\frac{1}{2} \leq x \leq 2) \end{cases}$ この関数 $y = f(x)$ を $y$ 軸の周りに回転させてできる容器に、毎秒 $\pi$ の割合で水を注ぎます。水を注ぎ始めてから 5 秒後の状態について、 (1) 水面の底面からの高さを求めなさい。 (2) 水面の上昇速度を求めなさい。

解析学積分微分体積関数回転体
2025/3/19

1. 問題の内容

定義域 0x20 \leq x \leq 2 を持つ関数 f(x)f(x) が与えられています。
f(x)={0(0x12)2x212(12x2)f(x) = \begin{cases} 0 & (0 \leq x \leq \frac{1}{2}) \\ 2x^2 - \frac{1}{2} & (\frac{1}{2} \leq x \leq 2) \end{cases}
この関数 y=f(x)y = f(x)yy 軸の周りに回転させてできる容器に、毎秒 π\pi の割合で水を注ぎます。水を注ぎ始めてから 5 秒後の状態について、
(1) 水面の底面からの高さを求めなさい。
(2) 水面の上昇速度を求めなさい。

2. 解き方の手順

(1) 水面の高さの計算
5 秒間で注がれる水の体積は 5π5\pi です。
まず、0x120 \leq x \leq \frac{1}{2} の範囲では f(x)=0f(x) = 0 なので、水面は高さ 0 に留まります。
次に、12x2\frac{1}{2} \leq x \leq 2 の範囲で水面の高さを hh とすると、水面の高さがhhになる時のxxxhx_hとおくと、h=2xh212h = 2x_h^2 - \frac{1}{2}。よってxh=2h+14=2h+12x_h = \sqrt{\frac{2h+1}{4}} = \frac{\sqrt{2h+1}}{2}
この範囲での回転体の体積 VV は、
V=12hπx2dy=π12hx2dyV = \int_{-\frac{1}{2}}^{h} \pi x^2 dy = \pi \int_{-\frac{1}{2}}^{h} x^2 dy であり、y=2x212y = 2x^2 - \frac{1}{2} から x2=y+122x^2 = \frac{y+\frac{1}{2}}{2}なので、
V=π12hy+122dy=π212h(y+12)dyV = \pi \int_{-\frac{1}{2}}^{h} \frac{y+\frac{1}{2}}{2} dy = \frac{\pi}{2} \int_{-\frac{1}{2}}^{h} (y+\frac{1}{2}) dy
=π2[y22+12y]12h=π2[(h22+12h)(1814)]=π2(h22+h2+18)= \frac{\pi}{2} \left[ \frac{y^2}{2} + \frac{1}{2}y \right]_{-\frac{1}{2}}^{h} = \frac{\pi}{2} \left[ (\frac{h^2}{2} + \frac{1}{2}h) - (\frac{1}{8} - \frac{1}{4}) \right] = \frac{\pi}{2} \left( \frac{h^2}{2} + \frac{h}{2} + \frac{1}{8} \right)
V=π4(h2+h+14)V = \frac{\pi}{4}(h^2 + h + \frac{1}{4})
水面の高さ hh を求めます。V=5πV = 5\pi なので、
π4(h2+h+14)=5π\frac{\pi}{4}(h^2 + h + \frac{1}{4}) = 5\pi
h2+h+14=20h^2 + h + \frac{1}{4} = 20
h2+h794=0h^2 + h - \frac{79}{4} = 0
4h2+4h79=04h^2 + 4h - 79 = 0
h=4±16+4(79)8=4±3328=4±2838=2±834h = \frac{-4 \pm \sqrt{16 + 4(79)}}{8} = \frac{-4 \pm \sqrt{332}}{8} = \frac{-4 \pm 2\sqrt{83}}{8} = \frac{-2 \pm \sqrt{83}}{4}
h>0h > 0 より h=2+8342+9.1147.1141.7775h = \frac{-2 + \sqrt{83}}{4} \approx \frac{-2 + 9.11}{4} \approx \frac{7.11}{4} \approx 1.7775
(2) 水面の上昇速度の計算
dVdt=π\frac{dV}{dt} = \pi です。また、V=π4(h2+h+14)V = \frac{\pi}{4}(h^2 + h + \frac{1}{4}) より、dVdh=π4(2h+1)\frac{dV}{dh} = \frac{\pi}{4}(2h+1)
dhdt=dVdt/dVdh=ππ4(2h+1)=42h+1\frac{dh}{dt} = \frac{dV}{dt} / \frac{dV}{dh} = \frac{\pi}{\frac{\pi}{4}(2h+1)} = \frac{4}{2h+1}
h=2+834h = \frac{-2+\sqrt{83}}{4} を代入すると、
dhdt=42(2+834)+1=42+832+1=82+83+2=883=88383\frac{dh}{dt} = \frac{4}{2(\frac{-2+\sqrt{83}}{4})+1} = \frac{4}{\frac{-2+\sqrt{83}}{2}+1} = \frac{8}{-2+\sqrt{83}+2} = \frac{8}{\sqrt{83}} = \frac{8\sqrt{83}}{83}

3. 最終的な答え

(1) 水面の底面からの高さ: 2+834\frac{-2 + \sqrt{83}}{4}
(2) 水面の上昇速度: 88383\frac{8\sqrt{83}}{83}

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