$E = \{(x, y) \in \mathbb{R}^2 : x^2 + y^2 \le 1\}$ とし、$f: E \to \mathbb{R}$ を $E$ 上の連続関数とする。$f$ の $E$ での最大値を $M$ とし、最小値を $m$ とする。$m < M$ であるとする。このとき、$m < r < M$ を満たす任意の実数 $r$ に対して、$f(a, b) = r$ を満たす $(a, b) \in E$ が存在することを示せ。

1. 問題の内容

$E = \{(x, y) \in \mathbb{R}^2 : x^2 + y^2 \le 1\}$ とし、$f: E \to \mathbb{R}$ を $E$ 上の連続関数とする。$f$ の $E$ での最大値を $M$ とし、最小値を $m$ とする。$m < M$ であるとする。このとき、$m < r < M$ を満たす任意の実数 $r$ に対して、$f(a, b) = r$ を満たす $(a, b) \in E$ が存在することを示せ。

2. 解き方の手順

$f$ の $E$ での最大値が $M$ であるから、$f(x_1, y_1) = M$ を満たす $(x_1, y_1) \in E$ が存在する。

$f$ の $E$ での最小値が $m$ であるから、$f(x_2, y_2) = m$ を満たす $(x_2, y_2) \in E$ が存在する。

仮定より、$m < M$ である。

今、$r$ を $m < r < M$ を満たす任意の実数とする。

$f(x_1, y_1) = M > r > m = f(x_2, y_2)$ である。

$x_1 = x_2$ かつ $y_1 = y_2$ なら、$M = m$ となり矛盾する。従って、$(x_1, y_1) \neq (x_2, y_2)$ である。

$x_1 \neq x_2$ または $y_1 \neq y_2$ が成り立つ。

$(x_1, y_1)$ と $(x_2, y_2)$ を結ぶ線分を考える。線分は $\ell(t) = (1-t)(x_2, y_2) + t(x_1, y_1)$ で与えられる。ここで $t \in [0, 1]$ である。このとき、$\ell(t) \in E$ となることを示す。

$\|(1-t)(x_2, y_2) + t(x_1, y_1)\| \le (1-t)\|(x_2, y_2)\| + t\|(x_1, y_1)\| \le (1-t)(1) + t(1) = 1$

従って、$\ell(t) \in E$ である。

ここで、$g(t) = f(\ell(t)) = f((1-t)(x_2, y_2) + t(x_1, y_1))$ を考える。$f$ は連続関数であり、$(1-t)(x_2, y_2) + t(x_1, y_1)$ は $t$ に関して連続であるので、$g(t)$ は $t$ に関して連続である。

$g(0) = f(x_2, y_2) = m$ であり、$g(1) = f(x_1, y_1) = M$ である。

$m < r < M$ であるから、中間値の定理より、$g(t_0) = f((1-t_0)(x_2, y_2) + t_0(x_1, y_1)) = r$ を満たす $t_0 \in (0, 1)$ が存在する。

$(a, b) = (1-t_0)(x_2, y_2) + t_0(x_1, y_1)$ とおけば、$(a, b) \in E$ であり、$f(a, b) = r$ を満たす。

よって、示された。

3. 最終的な答え

$m < r < M$ を満たす任意の実数 $r$ に対して、$f(a, b) = r$ を満たす $(a, b) \in E$ が存在する。