関数 $f(x) = |x|^3 \sin x$ が与えられています。この関数が $x=0$ で $n$ 回微分可能だが、$n+1$ 回微分可能ではないような、0以上の整数 $n$ を求める問題です。証明が必要です。

1. 問題の内容

関数 $f(x) = |x|^3 \sin x$ が与えられています。この関数が $x=0$ で $n$ 回微分可能だが、$n+1$ 回微分可能ではないような、0以上の整数 $n$ を求める問題です。証明が必要です。

2. 解き方の手順

まず、$f(x)$ を場合分けして表します。

$f(x) = \begin{cases} x^3 \sin x, & x \ge 0 \\ -x^3 \sin x, & x < 0 \end{cases}$

$x>0$ では $f(x) = x^3 \sin x$ であり、$x<0$ では $f(x) = -x^3 \sin x$ です。

$f'(x)$ を求めます。

$x>0$ のとき、 $f'(x) = 3x^2 \sin x + x^3 \cos x$

$x<0$ のとき、 $f'(x) = -3x^2 \sin x - x^3 \cos x$

これらをまとめて、

$f'(x) = \begin{cases} 3x^2 \sin x + x^3 \cos x, & x \ge 0 \\ -3x^2 \sin x - x^3 \cos x, & x < 0 \end{cases}$

ここで、 $f'(0)$ が存在するか確認します。

$\lim_{x \to +0} \frac{f(x) - f(0)}{x - 0} = \lim_{x \to +0} \frac{x^3 \sin x - 0}{x} = \lim_{x \to +0} x^2 \sin x = 0$

$\lim_{x \to -0} \frac{f(x) - f(0)}{x - 0} = \lim_{x \to -0} \frac{-x^3 \sin x - 0}{x} = \lim_{x \to -0} -x^2 \sin x = 0$

したがって、$f'(0) = 0$ であり、$f'(x)$ は $x=0$ で連続です。つまり、$f'(x)$ は、$f'(x) = 3x|x| \sin x + x^2 |x| \cos x$と書けます。

$f''(x)$ を求めます。

$x>0$ のとき、 $f''(x) = 6x \sin x + 3x^2 \cos x + 2x \cos x - x^2 \sin x = 5x \sin x + 5x^2 \cos x$

$x<0$ のとき、 $f''(x) = -6x \sin x - 3x^2 \cos x - 2x \cos x + x^2 \sin x = -5x \sin x - 5x^2 \cos x$

これらをまとめて、

$f''(x) = \begin{cases} 5x \sin x + 5x^2 \cos x, & x \ge 0 \\ -5x \sin x - 5x^2 \cos x, & x < 0 \end{cases}$

ここで、$f''(0)$ が存在するか確認します。

$\lim_{x \to +0} \frac{f'(x) - f'(0)}{x - 0} = \lim_{x \to +0} \frac{3x^2 \sin x + x^3 \cos x - 0}{x} = \lim_{x \to +0} (3x \sin x + x^2 \cos x) = 0$

$\lim_{x \to -0} \frac{f'(x) - f'(0)}{x - 0} = \lim_{x \to -0} \frac{-3x^2 \sin x - x^3 \cos x - 0}{x} = \lim_{x \to -0} (-3x \sin x - x^2 \cos x) = 0$

したがって、$f''(0) = 0$ であり、$f''(x)$ は $x=0$ で連続です。つまり、$f''(x)$ は、$f''(x) = 5|x| \sin x + 5x|x| \cos x$と書けます。

$f'''(x)$ を求めます。

$x>0$ のとき、 $f'''(x) = 5 \sin x + 5x \cos x + 5x \cos x - 5x^2 \sin x = 5 \sin x + 10 x \cos x - 5x^2 \sin x$

$x<0$ のとき、 $f'''(x) = -5 \sin x - 5x \cos x - 5x \cos x + 5x^2 \sin x = -5 \sin x - 10 x \cos x + 5x^2 \sin x$

ここで、$f'''(0)$ が存在するか確認します。

$\lim_{x \to +0} \frac{f''(x) - f''(0)}{x - 0} = \lim_{x \to +0} \frac{5x \sin x + 5x^2 \cos x - 0}{x} = \lim_{x \to +0} (5 \sin x + 5x \cos x) = 0$

$\lim_{x \to -0} \frac{f''(x) - f''(0)}{x - 0} = \lim_{x \to -0} \frac{-5x \sin x - 5x^2 \cos x - 0}{x} = \lim_{x \to -0} (-5 \sin x - 5x \cos x) = 0$

したがって、$f'''(0) = 0$ であり、$f'''(x)$ は $x=0$ で連続です。

$f^{(4)}(x)$ を求めます。

$x>0$ のとき、 $f^{(4)}(x) = 5 \cos x + 10 \cos x - 10x \sin x - 10x \sin x - 5x^2 \cos x = 15 \cos x - 20 x \sin x - 5x^2 \cos x$

$x<0$ のとき、 $f^{(4)}(x) = -5 \cos x - 10 \cos x + 10x \sin x + 10x \sin x + 5x^2 \cos x = -15 \cos x + 20 x \sin x + 5x^2 \cos x$

ここで、$f^{(4)}(0)$ が存在するか確認します。

$\lim_{x \to +0} \frac{f'''(x) - f'''(0)}{x - 0} = \lim_{x \to +0} \frac{5 \sin x + 10 x \cos x - 5x^2 \sin x - 0}{x} = \lim_{x \to +0} (5 \frac{\sin x}{x} + 10 \cos x - 5x \sin x) = 5 + 10 = 15$

$\lim_{x \to -0} \frac{f'''(x) - f'''(0)}{x - 0} = \lim_{x \to -0} \frac{-5 \sin x - 10 x \cos x + 5x^2 \sin x - 0}{x} = \lim_{x \to -0} (-5 \frac{\sin x}{x} - 10 \cos x + 5x \sin x) = -5 - 10 = -15$

したがって、 $f^{(4)}(0)$ は存在しません。なぜなら、右側極限と左側極限が異なるためです。

したがって、$n = 3$ です。

3. 最終的な答え

3