二等辺三角形 $ABC$ において、点 $B, C$ から辺 $AC, AB$ にそれぞれ垂線 $BD, CE$ を引き、その交点を $F$ とする。 (1) $\triangle BEC \equiv \triangle CDB$ であることを証明する。 (2) $\triangle FBC$ が二等辺三角形になるわけを説明する。

1. 問題の内容

二等辺三角形 $ABC$ において、点 $B, C$ から辺 $AC, AB$ にそれぞれ垂線 $BD, CE$ を引き、その交点を $F$ とする。

(1) $\triangle BEC \equiv \triangle CDB$ であることを証明する。

(2) $\triangle FBC$ が二等辺三角形になるわけを説明する。

2. 解き方の手順

(1) $\triangle BEC$ と $\triangle CDB$ について考える。

* 仮定より、$BE \perp AB, CD \perp AC$ なので、$\angle BEC = \angle CDB = 90^\circ$。

* $ABC$ は二等辺三角形なので、$AB = AC$, $\angle ABC = \angle ACB$。

* $BC$ は共通。

よって、直角三角形において、斜辺と一つの鋭角がそれぞれ等しいので、$\triangle BEC \equiv \triangle CDB$（斜辺と1鋭角がそれぞれ等しい）。

(2) $\triangle BEC \equiv \triangle CDB$ より、$BE = CD$。

$\angle ABC = \angle ACB$。

$\angle EBC = \angle ABC - \angle ABE$、$\angle DCB = \angle ACB - \angle ACD$。

$\triangle ABE$ と $\triangle ACD$ で、$AB = AC$, $\angle AEB = \angle ADC = 90^\circ$, $\angle A = \angle A$ （共通）より、$\triangle ABE \equiv \triangle ACD$（直角三角形の斜辺と1鋭角がそれぞれ等しい）。

よって、$AE = AD$。

$AB = AC$, $AE = AD$ なので、$BE = CD$。

$\triangle FBC$ において、$\angle FBC = \angle ABC - \angle ABE = \angle ACB - \angle ACD = \angle FCB$。

ゆえに、$\angle FBC = \angle FCB$ より、$\triangle FBC$ は二等辺三角形である。（二つの角が等しい三角形は二等辺三角形である。）

3. 最終的な答え

(1) $\triangle BEC \equiv \triangle CDB$ であることの証明：

$\triangle BEC$ と $\triangle CDB$ において、

* $\angle BEC = \angle CDB = 90^\circ$

* $AB = AC$

* $\angle EBC = \angle FCB$

* $BC$ は共通

したがって、$\triangle BEC \equiv \triangle CDB$

(2) $\triangle FBC$ が二等辺三角形になる理由：

$\triangle BEC \equiv \triangle CDB$ より、$\angle EBC = \angle DCB$。

よって、$\angle FBC = \angle FCB$ となるので、$\triangle FBC$ は二等辺三角形である。