$xy$平面上で、$y$軸と平行でないベクトル$\mathbf{a} = \begin{pmatrix} a_1 \\ a_2 \end{pmatrix}$を考える。点$v$を通って$\mathbf{a}$と平行な直線と$y$軸との交点を対応させる写像$p$と、点$v$を通って$y$軸と平行な直線と$\mathbf{a}$を延長した直線との交点を対応させる写像$q$が与えられ、それぞれの行列表示は $p = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ -\frac{a_2}{a_1} & 1 \end{pmatrix}, \quad q = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ \frac{a_2}{a_1} & 0 \end{pmatrix}$ である。 (1) $pq$と$qp$を計算し、その結果の図形的な意味を考察せよ。 (2) (1)の結果から、$pr = rp = E$を満たす行列$r$が存在しないことを示せ。 (3) $p^2$と$q^2$を計算し、その結果の図形的な意味を考察せよ。 (4) $p^2 + pq + qp + q^2$を二通りの方法で計算し、その結果の図形的な意味を考察せよ。
2025/5/6
1. 問題の内容
平面上で、軸と平行でないベクトルを考える。点を通ってと平行な直線と軸との交点を対応させる写像と、点を通って軸と平行な直線とを延長した直線との交点を対応させる写像が与えられ、それぞれの行列表示は
である。
(1) とを計算し、その結果の図形的な意味を考察せよ。
(2) (1)の結果から、を満たす行列が存在しないことを示せ。
(3) とを計算し、その結果の図形的な意味を考察せよ。
(4) を二通りの方法で計算し、その結果の図形的な意味を考察せよ。
2. 解き方の手順
(1) まず、とを計算する。
図形的な意味:もも零行列なので、原点に写像する。
(2) (1)の結果より、である。もしを満たす行列が存在したと仮定すると、は正則である。しかし、は正則ではないため、そのようなは存在しない。同様に、を満たす行列も存在しない。
(3) とを計算する。
図形的な意味:とは、それぞれ写像とを2回繰り返しても同じ結果になることを意味する。
(4) を計算する。
方法1:直接代入
方法2:因数分解
とはならない。
なぜなら行列のかけ算は一般に交換法則が成り立たないから。
間違いです。改めて
図形的な意味:は、これらの写像の組み合わせが恒等変換になることを意味する。
3. 最終的な答え
(1) 。図形的な意味:原点に写像する。
(2) を満たす行列は存在しない。
(3) , 。図形的な意味:それぞれ写像とを2回繰り返しても同じ結果になる。
(4) 。図形的な意味:恒等変換。