複素数平面上の点 $z$ が、与えられた複素数を掛けることによって、どのように移動するかを答える問題です。具体的には、以下の2つの場合について考えます。 (1) $(1-i)z$ (2) $(-1+\sqrt{3}i)z$

代数学複素数複素数平面極形式回転拡大複素数の積
2025/5/6

1. 問題の内容

複素数平面上の点 zz が、与えられた複素数を掛けることによって、どのように移動するかを答える問題です。具体的には、以下の2つの場合について考えます。
(1) (1i)z(1-i)z
(2) (1+3i)z(-1+\sqrt{3}i)z

2. 解き方の手順

複素数 zz に複素数 ww を掛ける操作は、複素数平面上では原点を中心とする回転と拡大(縮小)に対応します。
複素数 w=a+biw = a + bi を極形式 r(cosθ+isinθ)=reiθr(\cos\theta + i\sin\theta) = re^{i\theta} で表すと、
* r=w=a2+b2r = |w| = \sqrt{a^2 + b^2} は拡大(縮小)率を表します。
* θ=argw\theta = \arg w は回転角を表します。
したがって、与えられた複素数 ww を極形式で表すことで、点 zz がどのように移動するかを決定できます。
(1) w=1iw = 1-i の場合:
r=1i=12+(1)2=2r = |1-i| = \sqrt{1^2 + (-1)^2} = \sqrt{2}
θ=arg(1i)=π4\theta = \arg(1-i) = -\frac{\pi}{4}
したがって、1i=2(cos(π4)+isin(π4))=2eiπ41-i = \sqrt{2} (\cos(-\frac{\pi}{4}) + i\sin(-\frac{\pi}{4})) = \sqrt{2}e^{-i\frac{\pi}{4}} となります。
zz は、原点を中心に π4-\frac{\pi}{4} (または反時計回りに7π4\frac{7\pi}{4})回転し、原点からの距離が 2\sqrt{2} 倍に拡大されます。
(2) w=1+3iw = -1+\sqrt{3}i の場合:
r=1+3i=(1)2+(3)2=1+3=2r = |-1+\sqrt{3}i| = \sqrt{(-1)^2 + (\sqrt{3})^2} = \sqrt{1+3} = 2
θ=arg(1+3i)=2π3\theta = \arg(-1+\sqrt{3}i) = \frac{2\pi}{3}
したがって、w=1+3i=2(cos(2π3)+isin(2π3))=2ei2π3w = -1+\sqrt{3}i = 2(\cos(\frac{2\pi}{3}) + i\sin(\frac{2\pi}{3})) = 2e^{i\frac{2\pi}{3}}となります。
zz は、原点を中心に 2π3\frac{2\pi}{3} 回転し、原点からの距離が 22 倍に拡大されます。

3. 最終的な答え

(1) 点 zz は、原点を中心に π4-\frac{\pi}{4} 回転し、2\sqrt{2}倍に拡大される。
(2) 点 zz は、原点を中心に 2π3\frac{2\pi}{3} 回転し、22倍に拡大される。

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