$a$ を定数とする。方程式 $|(x-4)(x-2)|=ax-5a+\frac{1}{2}$ が相異なる4つの実数解を持つとき、$a$ の値の範囲を求めよ。

代数学絶対値二次方程式グラフ不等式
2025/5/7

1. 問題の内容

aa を定数とする。方程式 (x4)(x2)=ax5a+12|(x-4)(x-2)|=ax-5a+\frac{1}{2} が相異なる4つの実数解を持つとき、aa の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、絶対値記号を外すために場合分けをする。
(1) (x4)(x2)0(x-4)(x-2) \geq 0 のとき
x2x \leq 2 または x4x \geq 4 である。
このとき、方程式は (x4)(x2)=ax5a+12(x-4)(x-2) = ax - 5a + \frac{1}{2} となる。
展開して整理すると、x26x+8=ax5a+12x^2 - 6x + 8 = ax - 5a + \frac{1}{2} となり、
x2(6+a)x+8+5a12=0x^2 - (6+a)x + 8 + 5a - \frac{1}{2} = 0
x2(6+a)x+5a+152=0x^2 - (6+a)x + 5a + \frac{15}{2} = 0
この二次方程式の解を x1,x2x_1, x_2 とすると、解の条件は x12x_1 \leq 2 または x14x_1 \geq 4x22x_2 \leq 2 または x24x_2 \geq 4 である。
(2) (x4)(x2)<0(x-4)(x-2) < 0 のとき
2<x<42 < x < 4 である。
このとき、方程式は (x4)(x2)=ax5a+12-(x-4)(x-2) = ax - 5a + \frac{1}{2} となる。
展開して整理すると、x2+6x8=ax5a+12-x^2 + 6x - 8 = ax - 5a + \frac{1}{2} となり、
x2+(a6)x5a+172=0x^2 + (a-6)x - 5a + \frac{17}{2} = 0
この二次方程式の解を x3,x4x_3, x_4 とすると、解の条件は 2<x3<42 < x_3 < 42<x4<42 < x_4 < 4 である。
ここで、y=(x4)(x2)y = |(x-4)(x-2)|y=ax5a+12=a(x5)+12y = ax - 5a + \frac{1}{2} = a(x-5) + \frac{1}{2} のグラフの交点の数が4つになる条件を考える。
y=a(x5)+12y = a(x-5) + \frac{1}{2} は点 (5,12)(5, \frac{1}{2}) を通る直線である。
f(x)=(x4)(x2)=x26x+8f(x) = (x-4)(x-2) = x^2 - 6x + 8 とおくと、f(3)=918+8=1f(3) = 9 - 18 + 8 = -1 である。
グラフを描くと、2<x<42 < x < 4 の範囲で y=f(x)=f(x)y = |f(x)| = -f(x) となる。この範囲で2つの交点を持つには、直線が f(3)=1f(3) = -1 の点より上を通る必要がある。
つまり、a(35)+12>1a(3-5) + \frac{1}{2} > -1 より、 2a+12>1-2a + \frac{1}{2} > -12a>32-2a > -\frac{3}{2}a<34a < \frac{3}{4} である。
x=2x=2 のとき、(24)(22)=0|(2-4)(2-2)| = 0 より、 a(25)+12=3a+12>0a(2-5) + \frac{1}{2} = -3a + \frac{1}{2} > 03a>12-3a > -\frac{1}{2}a<16a < \frac{1}{6} である。
また、x=4x=4 のとき、(44)(42)=0|(4-4)(4-2)| = 0 より、 a(45)+12=a+12>0a(4-5) + \frac{1}{2} = -a + \frac{1}{2} > 0a>12-a > -\frac{1}{2}a<12a < \frac{1}{2} である。
さらに、y=a(x5)+12y = a(x-5) + \frac{1}{2}(2,0)(2, 0)(4,0)(4, 0) の間を通る必要がある。
f(5)=(54)(52)=3f(5) = (5-4)(5-2) = 3 より、a(55)+12=12<3a(5-5) + \frac{1}{2} = \frac{1}{2} < 3 であるから問題ない。
放物線 f(x)=(x4)(x2)f(x) = (x-4)(x-2) の頂点の座標は (3,1)(3, -1) である。
放物線 g(x)=f(x)=(x4)(x2)g(x) = -f(x) = -(x-4)(x-2) の頂点の座標は (3,1)(3, 1) である。
(5,12)(5, \frac{1}{2}) を通る直線 y=a(x5)+12y = a(x-5) + \frac{1}{2} が点 (3,1)(3, 1) より下を通るには、a(35)+12<1a(3-5) + \frac{1}{2} < 1 より 2a+12<1-2a + \frac{1}{2} < 12a<12-2a < \frac{1}{2}a>14a > -\frac{1}{4} である。
したがって、aa の範囲は 14<a<16-\frac{1}{4} < a < \frac{1}{6} である。

3. 最終的な答え

14<a<16-\frac{1}{4} < a < \frac{1}{6}

「代数学」の関連問題

2つの二次方程式 $x^2 - 2ax + 6a = 0$ と $x^2 - 2(a-1)x + 3a = 0$ が、0でない共通解を持つとき、$a$ の値と、その共通解、それぞれの二次方程式の他の解...

二次方程式共通解解の公式因数分解
2025/5/7

問題は、2次関数に関する3つの小問から構成されています。 (1) 2次関数 $y = \frac{1}{4}x^2 - 3x + 10$ ($2 \le x \le 8$) について、グラフの頂点の座...

二次関数平方完成最大値最小値放物線平行移動
2025/5/7

実数 $a, b, c$ に対して、次の不等式が成り立つことを示す問題です。 (1) $2(a^4 + b^4) \geq (a+b)(a^3+b^3)$ (2) $3(a^4 + b^4 + c^4...

不等式実数数式変形代数不等式
2025/5/7

与えられた2次式 $x^2 - 10x - 24$ を因数分解してください。

因数分解二次式二次方程式
2025/5/7

問題は2つあります。 (1) 方程式 $|x+2|=5$ を解く問題 (2) $mn=0$ であることは、$m=0$ であるための必要条件、十分条件のどれに当てはまるかを選ぶ問題。

絶対値方程式必要条件十分条件
2025/5/7

与えられた数式を展開、因数分解し、特定の値の計算をし、不等式を解く問題です。具体的には、以下の4つの小問があります。 (1) $(x-3y+2)(x-3y-2)$ の展開 (2) $(x+1)(x^2...

展開因数分解二次方程式不等式式の計算
2025/5/7

$x^3 = 1$ を満たす虚数の1つを $\omega$ とする。$n$ が自然数 $m$ を用いて $n = 3m$, $n = 3m+1$, $n = 3m+2$ のいずれかで表されるとき、$\...

複素数立方根ω代数
2025/5/7

はい、承知いたしました。画像にある15個の計算問題を解いて、指定された形式で回答します。

一次式分配法則計算
2025/5/7

3次方程式 $x^3 - 4x^2 + 4x + k = 0$ が異なる3つの実数解を持つような定数 $k$ の値の範囲を求める。

三次方程式微分グラフ増減
2025/5/7

$(1+x)^{10}$ の展開式を利用して、以下の値を求めます。 (1) ${}_{10}C_0 + {}_{10}C_1 + {}_{10}C_2 + \dots + {}_{10}C_{10}$...

二項定理組み合わせ展開
2025/5/7