(1) 行列 $A = \begin{bmatrix} a_{11} & a_{12} \\ 0 & a_{22} \end{bmatrix}$ が正則行列であるための必要十分条件が $a_{11} a_{22} \neq 0$ であることを示す。 (2) 行列 $B = \begin{bmatrix} b_{11} & 0 & b_{13} \\ 0 & b_{22} & 0 \\ 0 & 0 & b_{33} \end{bmatrix}$ が正則行列であるための必要十分条件が $b_{11} b_{22} b_{33} \neq 0$ であることを示す。
2025/5/7
1. 問題の内容
(1) 行列 が正則行列であるための必要十分条件が であることを示す。
(2) 行列 が正則行列であるための必要十分条件が であることを示す。
2. 解き方の手順
(1)
行列 が正則であるとは、ある行列 が存在して ( は単位行列)となることである。 の行列式は である。行列 が正則であるための必要十分条件は であるから、 である。
次に、実際に逆行列を構成することで示す。 のとき、
とおくと、
となるので、 ならば は正則である。
逆に、 とする。このとき、
または である。
のとき、 となり、
のとき、 となる。
どちらの場合もなので、は正則ではない。
(2)
行列 が正則であるとは、ある行列 が存在して ( は単位行列)となることである。 の行列式は である。行列 が正則であるための必要十分条件は であるから、 である。
次に、実際に逆行列を構成することで示す。 のとき、
とおくと、
となるので、 ならば は正則である。
逆に、 とする。このとき、 または または である。いずれの場合も なので、 は正則ではない。
3. 最終的な答え
(1) 行列 が正則行列であるための必要十分条件は である。
(2) 行列 が正則行列であるための必要十分条件は である。