2つの整式 $P(x) = (x-3)(2x+a)$ と $Q(x) = x^3 - 3x^2 + bx + c$ が与えられている。 $P(x)$ を $x-1$ で割った余りは -6 であり、$Q(x)$ は $x^2 + 2$ で割り切れる。ただし、$a, b, c$ は定数とする。 (1) $a$ の値を求める。 (2) $Q(x)$ を $x^2 + 2$ で割った商を求め、さらに $b, c$ の値をそれぞれ求める。 (3) $k$ を定数とする。$x$ の方程式 $kP(x) + Q(x) = 0$ の異なる実数解の個数がちょうど2個であるとき、$k$ の値を求める。

代数学多項式因数定理二次方程式解の個数
2025/5/7

1. 問題の内容

2つの整式 P(x)=(x3)(2x+a)P(x) = (x-3)(2x+a)Q(x)=x33x2+bx+cQ(x) = x^3 - 3x^2 + bx + c が与えられている。
P(x)P(x)x1x-1 で割った余りは -6 であり、Q(x)Q(x)x2+2x^2 + 2 で割り切れる。ただし、a,b,ca, b, c は定数とする。
(1) aa の値を求める。
(2) Q(x)Q(x)x2+2x^2 + 2 で割った商を求め、さらに b,cb, c の値をそれぞれ求める。
(3) kk を定数とする。xx の方程式 kP(x)+Q(x)=0kP(x) + Q(x) = 0 の異なる実数解の個数がちょうど2個であるとき、kk の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) P(x)P(x)x1x-1 で割った余りが -6 であることから、P(1)=6P(1) = -6
P(1)=(13)(2(1)+a)=2(2+a)=6P(1) = (1-3)(2(1)+a) = -2(2+a) = -6
2+a=32+a = 3
a=1a = 1
(2) Q(x)Q(x)x2+2x^2 + 2 で割り切れるので、Q(x)=(x2+2)(x+m)Q(x) = (x^2 + 2)(x+m) とおくことができる。
Q(x)=x3+mx2+2x+2mQ(x) = x^3 + mx^2 + 2x + 2m
Q(x)=x33x2+bx+cQ(x) = x^3 - 3x^2 + bx + c と比較すると、
m=3m = -3
b=2b = 2
c=2m=6c = 2m = -6
したがって、Q(x)=(x2+2)(x3)Q(x) = (x^2 + 2)(x - 3) より、Q(x)Q(x)x2+2x^2 + 2 で割った商は x3x - 3
b=2b = 2, c=6c = -6
(3) kP(x)+Q(x)=0kP(x) + Q(x) = 0 の異なる実数解の個数がちょうど2個である。
a=1a = 1 より、P(x)=(x3)(2x+1)=2x25x3P(x) = (x-3)(2x+1) = 2x^2 - 5x - 3
Q(x)=x33x2+2x6=(x3)(x2+2)Q(x) = x^3 - 3x^2 + 2x - 6 = (x-3)(x^2+2)
k(2x25x3)+x33x2+2x6=0k(2x^2 - 5x - 3) + x^3 - 3x^2 + 2x - 6 = 0
x3+(2k3)x2+(5k+2)x+(3k6)=0x^3 + (2k-3)x^2 + (-5k+2)x + (-3k-6) = 0
x3+(2k3)x2+(5k+2)x3(k+2)=0x^3 + (2k-3)x^2 + (-5k+2)x - 3(k+2) = 0
Q(x)=(x3)(x2+2)Q(x) = (x-3)(x^2+2) であり、P(3)=0P(3)=0なので、x=3x=3を代入してみる。
kP(3)+Q(3)=k(0)+0=0kP(3)+Q(3) = k(0) + 0 = 0
したがって、x=3x = 3 は常に解である。
x3+(2k3)x2+(5k+2)x3(k+2)=(x3)(x2+Ax+k+2)=0x^3 + (2k-3)x^2 + (-5k+2)x - 3(k+2) = (x-3)(x^2+Ax+k+2)=0とおける。
(x3)(x2+(2k)x+k+2)=x3+(2k3)x2+(5k+2)x+(3k6)(x-3)(x^2+(2k)x+k+2)=x^3+(2k-3)x^2 + (-5k+2)x + (-3k-6)
x2+(2k)x+k+2=0x^2+(2k)x+k+2=0の判別式をDDとすると、D<0D<0またはD=0D=0であれば良い。ただし、x=3x=3と解が一致してはならない。
D=(2k)24(k+2)=4k24k8=4(k2k2)=4(k2)(k+1)D = (2k)^2 - 4(k+2) = 4k^2 - 4k - 8 = 4(k^2 - k - 2) = 4(k-2)(k+1)
D<0D < 0 のとき、1<k<2-1 < k < 2
D=0D = 0 のとき、k=1,2k = -1, 2
x2+2kx+k+2=0x^2+2kx+k+2 =0
k=1k=-1のとき、x22x+1=(x1)2=0x^2-2x+1=(x-1)^2=0より、x=1x=1
k=2k=2のとき、x2+4x+4=(x+2)2=0x^2+4x+4=(x+2)^2=0より、x=2x=-2
x2+2kx+k+2=0x^2+2kx+k+2=0x=3x=3を解に持つとき、9+6k+k+2=09+6k+k+2=0より、7k=117k=-11k=117k=-\frac{11}{7}
k=117k = -\frac{11}{7} のときは x=3x=3 が重解になるので、異なる実数解は1個になってしまう。
k<1,k>2k < -1, k > 2 のとき、x=3x=3以外の実数解を2つ持つ。
つまり、x2+2kx+k+2=0x^2+2kx+k+2=0が異なる2実数解を持つとき、k<1ork>2k< -1 or k>2.
D>0D>0.この場合、3つの解を持つので不適。
k=1k=-1またはk=2k=2のとき、D=0D=0.
k=1k=-1のとき、x=1x=1,x=3x=3. よって、異なる2実数解を持つので適する。
k=2k=2のとき、x=2x=-2,x=3x=3. よって、異なる2実数解を持つので適する。
1<k<2-1 < k < 2のとき、D<0D<0.x=3x=3のみが解なので不適。
よって、k=1,2k = -1, 2

3. 最終的な答え

(1) a=1a = 1
(2) 商: x3x-3, b=2b = 2, c=6c = -6
(3) k=1,2k = -1, 2

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