$n$ を整数とするとき、以下の4つの命題を証明する。 (1) $n^2 + 3n + 4$ は偶数である。 (2) $n(n+1)(n+8)$ は6の倍数である。 (3) $2n^3 - 3n^2 + n$ は6の倍数である。 (4) $n^3 + 5n$ は6の倍数である。

数論整数の性質倍数合同式証明
2025/5/8

1. 問題の内容

nn を整数とするとき、以下の4つの命題を証明する。
(1) n2+3n+4n^2 + 3n + 4 は偶数である。
(2) n(n+1)(n+8)n(n+1)(n+8) は6の倍数である。
(3) 2n33n2+n2n^3 - 3n^2 + n は6の倍数である。
(4) n3+5nn^3 + 5n は6の倍数である。

2. 解き方の手順

(1) n2+3n+4n^2 + 3n + 4 が偶数であることの証明:
nn が偶数のとき、n=2kn = 2k (kk は整数) と表せる。
n2+3n+4=(2k)2+3(2k)+4=4k2+6k+4=2(2k2+3k+2)n^2 + 3n + 4 = (2k)^2 + 3(2k) + 4 = 4k^2 + 6k + 4 = 2(2k^2 + 3k + 2)
これは偶数である。
nn が奇数のとき、n=2k+1n = 2k + 1 (kk は整数) と表せる。
n2+3n+4=(2k+1)2+3(2k+1)+4=4k2+4k+1+6k+3+4=4k2+10k+8=2(2k2+5k+4)n^2 + 3n + 4 = (2k+1)^2 + 3(2k+1) + 4 = 4k^2 + 4k + 1 + 6k + 3 + 4 = 4k^2 + 10k + 8 = 2(2k^2 + 5k + 4)
これは偶数である。
よって、n2+3n+4n^2 + 3n + 4 は常に偶数である。
(2) n(n+1)(n+8)n(n+1)(n+8) が6の倍数であることの証明:
連続する2つの整数 nnn+1n+1 の積 n(n+1)n(n+1) は必ず偶数であるため、2の倍数である。
また、n(n+1)(n+8)=n(n+1)(n+2+6)=n(n+1)(n+2)+6n(n+1)n(n+1)(n+8) = n(n+1)(n+2 + 6) = n(n+1)(n+2) + 6n(n+1)
連続する3つの整数 n(n+1)(n+2)n(n+1)(n+2) は必ず3の倍数である。
6n(n+1)6n(n+1) は明らかに6の倍数である。
したがって、n(n+1)(n+8)n(n+1)(n+8) は2の倍数かつ3の倍数であるから、6の倍数である。
(3) 2n33n2+n2n^3 - 3n^2 + n が6の倍数であることの証明:
2n33n2+n=n(2n23n+1)=n(2n1)(n1)=n(n1)(2n1)=(n1)n(2n1)2n^3 - 3n^2 + n = n(2n^2 - 3n + 1) = n(2n-1)(n-1) = n(n-1)(2n-1) = (n-1)n(2n-1)
ここで、2n1=2(n2)+32n-1 = 2(n-2) + 3 であるから、2n1=(n+2)n32n-1 = (n+2) - n - 3
2n33n2+n=(n1)n(2n1)=(n1)n(n+1n+n1)=(n1)n(2n1)2n^3 - 3n^2 + n = (n-1)n(2n-1) = (n-1)n(n+1 - n + n - 1) = (n-1)n(2n-1)
2n33n2+n=(n1)n(n+1)2n^3 - 3n^2 + n = (n-1)n(n+1)
n(n1)(2n1)=(n1)n(2n1)=(n1)n((n+1)+(n2))=(n1)n(n+1)+(n1)n(n2)n(n-1)(2n-1) = (n-1)n(2n-1) = (n-1)n((n+1)+(n-2)) = (n-1)n(n+1)+(n-1)n(n-2)
2n33n2+n=n(n1)(2n1)=(n1)n(2n1)=n(n1)(n+1)n(n1)(n+1)+n(n1)(2n1)2n^3 - 3n^2 + n = n(n-1)(2n-1) = (n-1)n(2n-1) = n(n-1)(n+1) - n(n-1)(n+1)+ n(n-1)(2n-1)
2n33n2+n=n(2n23n+1)=n(n1)(2n1)=(n1)n(2n1)=(n1)n(2n4+3)=2(n2)(n1)n+3(n1)n2n^3 - 3n^2 + n = n(2n^2 - 3n + 1) = n(n-1)(2n-1) = (n-1)n(2n-1) = (n-1)n(2n-4 + 3) = 2(n-2)(n-1)n + 3(n-1)n
2n33n2+n=(n1)n(n+1n)=(n1)n(2n1)2n^3 - 3n^2 + n = (n-1)n(n+1 - n) = (n-1)n(2n-1).
n(n1)(2n1)=n(n1)(n+1+n2)=n(n1)(n+1)+n(n1)(n2)n(n-1)(2n-1) = n(n-1)(n+1+n-2) = n(n-1)(n+1) + n(n-1)(n-2)
2n33n2+n=n(2n1)(n1)=n(n1)(2n1)2n^3-3n^2+n=n(2n-1)(n-1)=n(n-1)(2n-1)
ここで、n,n1n, n-1 のどちらかは偶数なので、2の倍数。
n0,1,2(mod3)n \equiv 0, 1, 2 \pmod{3} のいずれかである。
n0(mod3)n \equiv 0 \pmod{3} ならば、nn が3の倍数。
n1(mod3)n \equiv 1 \pmod{3} ならば、n1n-1 が3の倍数。
n2(mod3)n \equiv 2 \pmod{3} ならば、2n12(2)1=30(mod3)2n-1 \equiv 2(2)-1 = 3 \equiv 0 \pmod{3} なので、2n12n-1 が3の倍数。
したがって、(n-1)n(2n-1) は6の倍数である。
(4) n3+5nn^3 + 5n が6の倍数であることの証明:
n3+5n=n(n2+5)=n(n21+6)=n(n21)+6n=n(n1)(n+1)+6nn^3 + 5n = n(n^2 + 5) = n(n^2 - 1 + 6) = n(n^2 - 1) + 6n = n(n-1)(n+1) + 6n
n(n1)(n+1)n(n-1)(n+1) は連続する3つの整数の積なので、2の倍数であり、3の倍数でもある。したがって6の倍数である。
6n6n は明らかに6の倍数である。
よって、n3+5nn^3 + 5n は6の倍数である。

3. 最終的な答え

(1) n2+3n+4n^2 + 3n + 4 は偶数である。
(2) n(n+1)(n+8)n(n+1)(n+8) は6の倍数である。
(3) 2n33n2+n2n^3 - 3n^2 + n は6の倍数である。
(4) n3+5nn^3 + 5n は6の倍数である。

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