定数 $m$ に対して、連立不等式 $\begin{cases} x^2-3mx+2m^2<0 \\ 2x^2-(m-4)x-2m<0 \end{cases}$ の整数解がただ一つとなるとき、定数 $m$ の値の範囲と、そのときの整数解を求めよ。

代数学不等式連立不等式整数解場合分け
2025/5/9

1. 問題の内容

定数 mm に対して、連立不等式
{x23mx+2m2<02x2(m4)x2m<0\begin{cases} x^2-3mx+2m^2<0 \\ 2x^2-(m-4)x-2m<0 \end{cases}
の整数解がただ一つとなるとき、定数 mm の値の範囲と、そのときの整数解を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、それぞれの不等式を解きます。
1つ目の不等式:
x23mx+2m2<0x^2-3mx+2m^2<0
(xm)(x2m)<0(x-m)(x-2m)<0
よって、m<x<2mm<x<2m または 2m<x<m2m<x<m
2つ目の不等式:
2x2(m4)x2m<02x^2-(m-4)x-2m<0
(2x+m)(x2)<0(2x+m)(x-2)<0
よって、m2<x<2 -\frac{m}{2}<x<2 または 2<x<m22<x<-\frac{m}{2}
場合分けを考えます。
(1) m>0m>0 の場合
m<x<2mm<x<2m かつ m2<x<2-\frac{m}{2}<x<2
m<x<2mm<x<2mm2<x<2-\frac{m}{2}<x<2の共通範囲に整数解が一つだけ存在する場合を考える。
m<2m<2である必要がある。
もしm=1m=1のとき,1<x<21<x<2かつ12<x<2-\frac{1}{2}<x<2なので,共通範囲は1<x<21<x<2となり、整数解は存在しない。
もしm=1.5m=1.5のとき,1.5<x<31.5<x<3かつ1.52<x<2-\frac{1.5}{2}<x<2なので,共通範囲は1.5<x<21.5<x<2となり、整数解は存在しない。
2m>22m>2のとき,つまりm>1m>1のとき、m<x<2m<x<2に整数解が存在すれば良い。
2m<x<m2m<x<m の形にはなり得ない。
m2<x<2-\frac{m}{2}<x<2m<x<2mm<x<2mが共通の解を持つ必要がある。
共通範囲に整数解が一つだけ存在するためには,
1m<21\leq m < 2 または 2<2m<32< 2m < 3つまり、1<m<1.51<m<1.5 となる。
整数解が1つとなるのは,m<1.5m<1.5のときのみ.
1<m<1.51 < m < 1.5のとき、整数解はx=1x=1
(2) m<0m<0 の場合
2m<x<m2m<x<m かつ m2<x<2-\frac{m}{2}<x<2
m=1m= -1 のとき,2<x<1-2 < x < -10.5<x<20.5 < x < 2 より,共通範囲は0.5<x<20.5<x<2 となり,整数解はx=1x=1
m=2m=-2 のとき,4<x<2 -4<x<-21<x<21 < x<2 より共通解はなし。
よって、 2<m<0-2<m<0
m2<x<2-\frac{m}{2} < x <22m<x<m2m<x<mが共通の解を持つ必要がある。
m2<2-\frac{m}{2}<2より、m>4m>-4なので、m>4m>-4が条件として加わる。
2m<x<m2m<x<mに含まれる整数解がただ一つであるためには,mm2m2mの間の幅が小さい必要がある.
m=1.5m=-1.5のとき,2(1.5)<x<1.52(-1.5)<x<-1.5より3<x<1.5-3<x<-1.5なので整数解は2-2である.
1.5<x<2-1.5<x<2なので,共通解は1<x<21<x<2より整数解は存在しない.
よって,2m<22m<-2かつ1<m-1<mとなることはありえない.
2<m2<32<-\frac{m}{2}<3のとき、x=2x=2がただ一つの整数解.
6<m<4-6<m<-4となる.
結局、x=1x=1となるのは,m<0m<0のときのみなので,
1m2<21\leq-\frac{m}{2}<2すなわち、 4<m2-4<m\leq-2となる。
m<x<2mm<x<2mという式がないので,2m<x<m2m<x<mのみを考慮する。
2<m1-2<m\leq -1 のとき、2m<x<m2m<x<mより、4<x<2-4<x<-2となるので、解は存在しない。
x<2x<2より,m=1m=1の時,整数解はx=1x=1

3. 最終的な答え

1<m<21<m<2のとき、x=1x=1
6<m<4-6<m<-4のとき、x=2x=2
m=1m=-1 のとき,整数解はx=1x=1
m=1m=-1のとき、{1<x<20.5<x<2\begin{cases} 1<x<2\\ 0.5<x<2 \end{cases}なので,共通範囲は1<x<21<x<2となり整数解はない。
答え
m=1m=1のとき、x=1x=1が整数解。
m=1m=-1のとき、x=1x=1が整数解。
mmの範囲:なし。
x=1x=1のとき、m=1m=1.
m=1m=-1 とすると,
{1<x<20.5<x<2\begin{cases} -1<x<-2 \\ 0.5<x<2 \end{cases}
2m<x<m2m < x < mより、整数解なし。
整数解がただ一つとなるとき、x=1x=1, m=1m=1

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