鋭角三角形 $ABC$ において、頂点 $B, C$ からそれぞれの向かい合う辺 $AC, AB$ に下ろした垂線の交点を $H$ とする。このとき、$AH \perp BC$ であることをベクトルを用いて証明する。

幾何学ベクトル幾何学的証明三角形垂線内積
2025/3/20

1. 問題の内容

鋭角三角形 ABCABC において、頂点 B,CB, C からそれぞれの向かい合う辺 AC,ABAC, AB に下ろした垂線の交点を HH とする。このとき、AHBCAH \perp BC であることをベクトルを用いて証明する。

2. 解き方の手順

a=OA,b=OB,c=OC\vec{a} = \vec{OA}, \vec{b} = \vec{OB}, \vec{c} = \vec{OC} とする。HHは頂点B,CB, Cからそれぞれの向かい合う辺 AC,ABAC, AB に下ろした垂線の交点なので、
BHACBH \perp AC, CHABCH \perp AB が成立する。
OH=h\vec{OH} = \vec{h}とおくと、
BH=hb\vec{BH} = \vec{h} - \vec{b}
AC=ca\vec{AC} = \vec{c} - \vec{a}
BHACBH \perp AC より (hb)(ca)=0(\vec{h}-\vec{b}) \cdot (\vec{c}-\vec{a}) = 0
CH=hc\vec{CH} = \vec{h} - \vec{c}
AB=ba\vec{AB} = \vec{b} - \vec{a}
CHABCH \perp AB より (hc)(ba)=0(\vec{h}-\vec{c}) \cdot (\vec{b}-\vec{a}) = 0
(hb)(ca)=0(\vec{h}-\vec{b}) \cdot (\vec{c}-\vec{a}) = 0 より h(ca)b(ca)=0\vec{h} \cdot (\vec{c}-\vec{a}) - \vec{b} \cdot (\vec{c}-\vec{a}) = 0
hchabc+ba=0\vec{h} \cdot \vec{c} - \vec{h} \cdot \vec{a} - \vec{b} \cdot \vec{c} + \vec{b} \cdot \vec{a} = 0 ...(1)
(hc)(ba)=0(\vec{h}-\vec{c}) \cdot (\vec{b}-\vec{a}) = 0 より h(ba)c(ba)=0\vec{h} \cdot (\vec{b}-\vec{a}) - \vec{c} \cdot (\vec{b}-\vec{a}) = 0
hbhacb+ca=0\vec{h} \cdot \vec{b} - \vec{h} \cdot \vec{a} - \vec{c} \cdot \vec{b} + \vec{c} \cdot \vec{a} = 0 ...(2)
(1) - (2) より hcbc+bahb+cbca=0\vec{h} \cdot \vec{c} - \vec{b} \cdot \vec{c} + \vec{b} \cdot \vec{a} - \vec{h} \cdot \vec{b} + \vec{c} \cdot \vec{b} - \vec{c} \cdot \vec{a} = 0
hchb+baca=0\vec{h} \cdot \vec{c} - \vec{h} \cdot \vec{b} + \vec{b} \cdot \vec{a} - \vec{c} \cdot \vec{a} = 0
h(cb)a(cb)=0\vec{h} \cdot (\vec{c}-\vec{b}) - \vec{a} \cdot (\vec{c}-\vec{b}) = 0
(ha)(cb)=0(\vec{h} - \vec{a}) \cdot (\vec{c}-\vec{b}) = 0
AHBC=0\vec{AH} \cdot \vec{BC} = 0
したがって、AHBCAH \perp BC である。

3. 最終的な答え

AHBCAH \perp BC

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