実数 $a$ をパラメータとする二次関数 $f(x) = x^2 - 4ax + a^2 + 10a - 6$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $a=3$ のときの放物線 $y=f(x)$ の頂点の座標と、 $0 \le x \le 4$ における最小値を求める。 (2) 放物線 $y=f(x)$ の頂点の座標を $a$ を用いて表す。 (3) $a>0$ とし、$0 \le x \le 4$ における $f(x)$ の最小値を $g(a)$ とする。 (i) $g(a)$ を $a$ を用いて表す。 (ii) $b$ を正の定数とし、$b \le a \le b+1$ における $g(a)$ の最小値を $m$ とする。 $m$ を $b$ を用いて表す。

1. 問題の内容

実数 $a$ をパラメータとする二次関数 $f(x) = x^2 - 4ax + a^2 + 10a - 6$ について、以下の問いに答える問題です。

(1) $a=3$ のときの放物線 $y=f(x)$ の頂点の座標と、 $0 \le x \le 4$ における最小値を求める。

(2) 放物線 $y=f(x)$ の頂点の座標を $a$ を用いて表す。

(3) $a>0$ とし、$0 \le x \le 4$ における $f(x)$ の最小値を $g(a)$ とする。

(i) $g(a)$ を $a$ を用いて表す。

(ii) $b$ を正の定数とし、$b \le a \le b+1$ における $g(a)$ の最小値を $m$ とする。 $m$ を $b$ を用いて表す。

2. 解き方の手順

(1) $a=3$ のとき、

$f(x) = x^2 - 12x + 9 + 30 - 6 = x^2 - 12x + 33$

平方完成すると、

$f(x) = (x - 6)^2 - 36 + 33 = (x - 6)^2 - 3$

よって、頂点の座標は $(6, -3)$ 。

$0 \le x \le 4$ における最小値は、$x=4$ のとき

$f(4) = (4-6)^2 - 3 = 4 - 3 = 1$

(2) $f(x) = x^2 - 4ax + a^2 + 10a - 6$

平方完成すると、

$f(x) = (x - 2a)^2 - 4a^2 + a^2 + 10a - 6 = (x - 2a)^2 - 3a^2 + 10a - 6$

よって、頂点の座標は $(2a, -3a^2 + 10a - 6)$

(3) $a > 0$ とし、 $0 \le x \le 4$ における $f(x)$ の最小値を $g(a)$ とする。

頂点の $x$ 座標 $2a$ と区間 $0 \le x \le 4$ の位置関係で場合分けする。

(i) $2a \le 0$ のとき、つまり $a \le 0$ のとき

$g(a) = f(0) = a^2 + 10a - 6$

$0 < 2a < 4$ のとき、つまり $0 < a < 2$ のとき

$g(a) = f(2a) = -3a^2 + 10a - 6$

$2a \ge 4$ のとき、つまり $a \ge 2$ のとき

$g(a) = f(4) = 16 - 16a + a^2 + 10a - 6 = a^2 - 6a + 10$

まとめると、

$g(a) = \begin{cases} a^2 + 10a - 6 & (a \le 0) \\ -3a^2 + 10a - 6 & (0 < a < 2) \\ a^2 - 6a + 10 & (a \ge 2) \end{cases}$

$a>0$より

$g(a) = \begin{cases} -3a^2 + 10a - 6 & (0 < a < 2) \\ a^2 - 6a + 10 & (a \ge 2) \end{cases}$

(ii) $b > 0$ とし、$b \le a \le b+1$ における $g(a)$ の最小値を $m$ とする。

$b \ge 2$ のとき、$g(a) = a^2 - 6a + 10$

$g'(a) = 2a - 6$

$g'(a) = 0$ となるのは $a=3$

$b \le a \le b+1$ で $a=3$ が区間に入っていれば $a=3$ が最小。

$b \le 3 \le b+1$ より $2 \le b \le 3$

このとき、$m = g(3) = 9 - 18 + 10 = 1$

$b+1 < 3$ つまり $b < 2$ のとき $g(b+1)$ が最小

$m = g(b+1) = (b+1)^2 - 6(b+1) + 10 = b^2 + 2b + 1 - 6b - 6 + 10 = b^2 - 4b + 5$

$b > 3$ のとき $g(b)$ が最小

$m = g(b) = b^2 - 6b + 10$

$0 < b < 2$ のとき

$g(a)$ は $0<a<2$ で上に凸のグラフなので、軸に近い方が最小になる。

軸は $a = \frac{10}{6} = \frac{5}{3}$ なので、 $g(a) = -3a^2 + 10a - 6$ で考える。

$b \le a \le b+1$ と $\frac{5}{3}$ の位置関係を考える。

$b+1 < \frac{5}{3}$ つまり $b < \frac{2}{3}$ のとき

$m = g(b+1) = -3(b+1)^2 + 10(b+1) - 6 = -3(b^2+2b+1) + 10b + 10 - 6 = -3b^2 + 4b + 1$

$b > \frac{5}{3}$ のとき

$m = g(b) = -3b^2 + 10b - 6$

$b \le \frac{5}{3} \le b+1$ のとき $b = \frac{2}{3}$ から $\frac{5}{3}$ の区間

頂点で最小 $m = g(\frac{5}{3}) = -3 \times \frac{25}{9} + 10 \times \frac{5}{3} - 6 = \frac{-25 + 50 - 18}{3} = \frac{7}{3}$

まとめると、

$2 \le b \le 3$ のとき $m=1$

$b < 2$ のとき

$b < \frac{2}{3}$のとき

$m = -3b^2 + 4b + 1$

$\frac{2}{3} < b$のとき

$m = g(b) = -3b^2 + 10b - 6$

3. 最終的な答え

(1) 頂点の座標: $(6, -3)$, 最小値: $1$

(2) 頂点の座標: $(2a, -3a^2 + 10a - 6)$

(3) (i) $g(a) = \begin{cases} -3a^2 + 10a - 6 & (0 < a < 2) \\ a^2 - 6a + 10 & (a \ge 2) \end{cases}$

(ii) $m = \begin{cases} -3b^2 + 4b + 1 & (0 < b < 2/3) \\ -3b^2 + 10b - 6 & (2/3 \le b < 2) \\ 1 & (2 \le b \le 3) \\ b^2 - 6b + 10 & (b > 3) \end{cases}$