(1) シリコン(Si)にアンチモン(Sb)を$2.5 \times 10^{18} \text{cm}^{-3}$添加したとき、80%がイオン化した場合の、半導体の種類とキャリア濃度を求める。 (2) シリコン(Si)にホウ素(B)を$2.0 \times 10^{19} \text{cm}^{-3}$添加したとき、90%がイオン化した場合の、半導体の種類とキャリア濃度を求める。 (3) p形半導体とn形半導体の接合において、n形領域への広がりが3.6 µmであるとき、p形領域への広がりを求める。

応用数学半導体キャリア濃度不純物電気抵抗
2025/5/12

1. 問題の内容

(1) シリコン(Si)にアンチモン(Sb)を2.5×1018cm32.5 \times 10^{18} \text{cm}^{-3}添加したとき、80%がイオン化した場合の、半導体の種類とキャリア濃度を求める。
(2) シリコン(Si)にホウ素(B)を2.0×1019cm32.0 \times 10^{19} \text{cm}^{-3}添加したとき、90%がイオン化した場合の、半導体の種類とキャリア濃度を求める。
(3) p形半導体とn形半導体の接合において、n形領域への広がりが3.6 µmであるとき、p形領域への広がりを求める。

2. 解き方の手順

(1) アンチモン(Sb)は5価の元素であり、シリコンに添加されると電子を供給するため、n形半導体となる。イオン化率が80%であることから、キャリア濃度は以下の式で計算できる。
キャリア濃度=添加濃度×イオン化率=2.5×1018cm3×0.8キャリア濃度 = 添加濃度 \times イオン化率 = 2.5 \times 10^{18} \text{cm}^{-3} \times 0.8
(2) ホウ素(B)は3価の元素であり、シリコンに添加されると正孔(ホール)を供給するため、p形半導体となる。イオン化率が90%であることから、キャリア濃度は以下の式で計算できる。
キャリア濃度=添加濃度×イオン化率=2.0×1019cm3×0.9キャリア濃度 = 添加濃度 \times イオン化率 = 2.0 \times 10^{19} \text{cm}^{-3} \times 0.9
(3) 各領域のイオン化した不純物の電荷の総量は等しくなるので、以下の式が成り立つ。
Na×xp=Nd×xnN_a \times x_p = N_d \times x_n
ここで、NaN_aはp形半導体の不純物濃度、xpx_pはp形領域への広がり、NdN_dはn形半導体の不純物濃度、xnx_nはn形領域への広がりである。問題文よりxn=3.6μmx_n = 3.6 \mu \text{m}である。
(1)と(2)より、Nd=2.5×1018×0.8=2×1018cm3N_d = 2.5 \times 10^{18} \times 0.8 = 2 \times 10^{18} \text{cm}^{-3}Na=2×1019×0.9=1.8×1019cm3N_a = 2 \times 10^{19} \times 0.9 = 1.8 \times 10^{19} \text{cm}^{-3}である。
したがって、xpx_pは以下の式で求められる。
xp=NdNaxn=2×10181.8×1019×3.6μmx_p = \frac{N_d}{N_a} x_n = \frac{2 \times 10^{18}}{1.8 \times 10^{19}} \times 3.6 \mu \text{m}

3. 最終的な答え

(1) n形半導体、キャリア濃度: 2.0×1018cm32.0 \times 10^{18} \text{cm}^{-3}
(2) p形半導体、キャリア濃度: 1.8×1019cm31.8 \times 10^{19} \text{cm}^{-3}
(3) p形の領域には 0.4 µm ほど広がる。

「応用数学」の関連問題

質量18 kg、体積20リットルの油の密度、比重、比体積を求める問題。ただし、単位はkgとmによるSI単位系、もしくは無単位で答える。水の密度は $\rho_w = 1000 kg/m^3$ とする。

物理密度比重比体積SI単位系
2025/5/12

以下の6つの単位換算の問題を解きます。 (1) $6.308 \times 10^{13} \text{mm}^3 \rightarrow \text{m}^3$ (2) $3.42 \times 1...

単位換算次元解析物理
2025/5/12

二つの力 $F_1$ と $F_2$ が質点に作用している。$F_1$ と $F_2$ のなす角が $\theta$ [rad] であるとき、$F_1$ と $F_2$ の合力 $F$ の大きさ $|...

ベクトル力の合成三角関数余弦定理正弦定理物理
2025/5/12

AとBが的当てゲームを行った。中心の黒い部分に当てると5点、白い部分に当てると1点。以下の条件から、Bが5点の部分に当てた本数を求める問題。 * Aは5点の部分と1点の部分に当てた本数が同じ。 *...

文章題方程式不等式得点計算条件整理
2025/5/12

この問題では、名目利子率とインフレ率が与えられた状況で、実質利子率を計算する必要があります。実質利子率は、名目利子率からインフレ率の影響を取り除いたもので、実際の購買力の増加を表します。求められた実質...

金利計算パーセント実質利子率インフレ率
2025/5/12

家から駅までの距離は1.5kmである。最初は毎分60mで歩き、途中から毎分180mで走る。家を出発してから12分以内に駅に着くためには、最初に歩く距離を何m以内にすればよいか。

文章題不等式距離速さ時間
2025/5/12

水素原子の電子が基底状態 ($n=1$) から第一励起状態 ($n=2$) へ遷移するとき、吸収する光の波長をナノメートル (nm) 単位で求める問題です。

物理原子物理エネルギー波長計算
2025/5/12

ボーアモデルにおける電子のエネルギー準位の式 $E_n = -13.6/n^2 \ [eV]$ を用いて、以下の2つの場合について電子のエネルギーを求める。 * 電子が $n=2$ の軌道にある場...

物理学原子物理学エネルギー準位ボーアモデル波長
2025/5/12

ボーアモデルにおける水素原子の全エネルギー $E$ を、運動エネルギー $E_k$ とポテンシャルエネルギー $E_p$ の和 $E = E_k + E_p$ で求め、さらに電子ボルト (eV) に変...

物理エネルギー単位変換水素原子電子ボルト
2025/5/12

ボーアモデルにおける水素原子の全エネルギー $E$ を、運動エネルギー $E_k$ とポテンシャルエネルギー $E_p$ の和として $E = E_k + E_p$ で求める。問題4と5で求めた $E...

物理エネルギー単位変換原子物理
2025/5/12